アップルパイも立派な薬膳?
みんな大好きアップルパイ!!
私の地元、仙台でも有名なケーキ屋さんが2月から5月まで限定で販売するのですが、必ず食べます!
甘酸っぱい紅玉とシナモンの風味が最高!!出来立て熱々を頬張ると、本当に幸せですよね。
一般的なアップルパイの主な材料は
りんご
バター
シナモン
白砂糖
実は漢方の視点で読み解くと、この組み合わせは、とても理にかなっているのです。私が食べたこの一皿を例として、漢方の視点から読み解いて行きたいと思います。
1.薬膳の基礎知識
アップルパイを読み解く前に、予備知識です。
漢方の考え方に基づいて、体質や気になる症状、季節などに合わせて食材を組み合わせてレシピを作るオーダーメードの食事のことを薬膳と言います。
薬膳では、食材を5つの性質に分けて分類します。
熱性 体を熱々にするもの
温性 体をじんわり温めるもの
中性 温めも冷やしもしないもの
涼性 体を涼しくさせるもの
寒性 体を冷やすもの
体が冷えているなら、『熱性』や『温性』のものを、体に熱がこもっているならば、『涼性』や『寒性』を意識して食べます。
2.アップルパイの薬膳的意味とは?
それでは、アップルパイの材料を漢方的に読み解いていきましょう!
◯ リンゴ 涼性
薬膳的効能
・胃腸を整える
・心を落ち着かせる
・二日酔い
・喉の渇き
◯ バター 寒性
薬膳的効能
・皮膚を潤す(保湿効果)
・腸を潤す(コロコロ便の解消)
・口内炎
◯ シナモン 熱性
薬膳的効能
・生理痛、PMS
・冷えからくる腹痛、関節痛、下痢
・胃腸を温め消化促進
◯ 白砂糖 寒性
薬膳的効能
・倦怠感
・呼吸が浅い
・息切れ
・空咳
・喉の渇き
3.材料の組み合わせの秘密
■りんごとシナモンは鉄板の組み合わせ
ここでおさらいです。
アップルパイの中心的食材である、りんごの性質は、中性から涼性です。
ほかに含まれているバターや砂糖は『寒性』で、身体を冷やす食材なのです。やはり女性にとって冷えは大敵です。
更に、胃腸が冷えてしまうと消化が悪くなってしまうのです。
そこでシナモン!
シナモンは生薬名を『経皮』と言って、漢方薬にもたびたび配合されるとてもとても優秀な生薬です。
その性質は、温めるを通り越して『熱性』です。
お腹周りを温めたり、手足の血流を整えるはたらきがあるので、胃痛や生理痛、神経痛などに幅広く使います。
東洋医学では、人の体は中庸の状態がベストであると考えます。
中庸というのは、熱くもなく寒くもない。
ちょうど真ん中ということです。
シナモンは、アップルパイ全体が真ん中の性質になるように、バランスを整えてくれているのです。
そして、忘れてはいけないのが写真にほんのり写っている付け合わせのナッツです。
糖分の代謝を助ける、ビタミン・ミネラルが豊富ですから残さずに食べましょう。テイクアウトしてら、ご自宅で付け合わせに用意してもいいですね。ナッツはくるみ、アーモンドもいいですが、かぼちゃの種もオススメです。
4.アップルパイに最適の飲み物は?
スイーツに欠かせないのが飲み物ですよね!
実は、飲み物にも立派なはたらきがあります。
スイーツに何を組み合わるのがいいのでしょうか。
■一緒に飲むコーヒーはぜひブラックで
薬膳では白砂糖のはたらきは『保水力』です。
なので、薬膳的には上記にある通り喉の乾燥などに効果的です。
ですが、やはり取り過ぎは禁物。
過度に食べ過ぎると、体にどんどん『余分な水』が溜まってしまいます。
バターも同じです。乾燥に良いという事は、過剰にとるとベタベタになってしまいます。
その結果、あらわれる症状が
重い、だるい、むくみ
胃もたれ、胸焼け、毛穴の開き
そして、性質的にも『寒性』なので、体が冷えてしまいます。
そんな時のお助け食材が苦味です。
「苦味」は、糖分によって体に溜まってしまう「湿気」を飛ばしてくれるのです。
私のオススメはブラックコーヒーです。
他にも緑茶や紅茶の苦味もオススメですよ!
日本では、茶席で和菓子に抹茶を合わせますが、まさに理にかなった風習です。ただ、苦み食材は身体の熱を冷ますはたらきがあるので、何事もバランスが大事です。
例えば紅茶は苦味は少ないけれど、温めてくれる性質なので、特に冷えが気になる人にはこちらがオススメですよ。
5.まとめ
いかがでしたか?
アップルパイの材料や一緒に楽しむ飲み物は、特別な物はなく、普段から食べる身近な食材ばかりですよね。
身近な食材の効能を知って、自分の体調や季節に合わせて、生活に取り入れることが薬膳の基本です。
大好きなスイーツも食材のはたらきや、食べ合わせを漢方の視点から眺めてみるだけ。ちょっとした知識だけで、スイーツの時間がますます楽しく豊かな時間になりますよ。
6.プロフィール
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