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「答えは全て顧客の声の中に」 ー ferret Oneのカスタマーサクセスチームが取り組んだ1年の振り返り

こんにちは。株式会社ベーシックカスタマーサクセス部長の林(@YUHEI_CALCIO)です。

ベーシックでは、社員がそれぞれの業務についてnoteで発信しようという取り組みがあり、今まで代表の秋山も含め計33本のnoteが公開されています。
他の社員のnoteについては以下にまとまっていますので、ぜひご覧ください。

まず始めに、改めてとなりますが、ベーシックでは「ferret One」というBotBマーケター向けのCMSを提供しており、現在300社以上に導入いただいています。

私はその中で、昨年10月より、ferret Oneのカスタマーサクセス部長として、カスタマーサクセス組織の組成に取り組んでいます。


いよいよ今回私にnote執筆のバトンが回ってきたわけですが、2019年年末のタイミングでもありますので、今回は、組成から1年を経過したferret Oneのカスタマーサクセス部における取り組みを、改めて振り返ってみたいと思います。

ferret Oneの当初の課題

まず1年前のferret Oneの課題から整理します。
1年前のferret Oneは、営業組織の強化に伴い順調に受注件数を増やしMRR(※毎月ごとの収益)が順調に推移していました。

一方で解約率が高く、LTV(※顧客が一定期間内にその企業のサービスを購入した合計金額)を上げることができない課題にぶつかっていました。

当時解約率が高かった要因としては、主には下記のようなことが挙げられます。

・顧客からの問い合わせ対応が激増したために、サポートセンター化していており、丁寧な対応ができなかったこと
・営業トークの内容とカスタマーサクセスの実態が乖離していたこと

結果的に、サービスにとって一番重要な「顧客の解像度を上げる」すなわち「顧客の声を聞く」ということができていませんでした

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顧客の声を聞くために取り組んできた5つのこと

この状況を改善し、顧客の課題をferret Oneの活用によって解決してもらうために、改めて「顧客の解像度を上げる」取り組みを開始します。

そのためにしたことを、「顧客の声を聞くために取り組んできた5つのこと」と題し、以下で紹介していきます。

1. オンボーディングチームの組成
それまでのferret Oneは、導入していただいた顧客にアカウント付与し、一通りの操作レクチャーを実行することでサポートしてきました。

しかしながら、その操作レクチャーだけではカバーできない下記のような課題が浮き彫りとなってきました。

・丁寧な対応ができていない
・導入したはいいがツールの使い方がよくわからない
・サイトの制作手順がわからない
・もっとサポートして欲しい

これらを改善するために、「オンボーディングプラン」の設置と「オンボーディングチーム」の立ち上げをしました。

ferret Oneのオンボーディングプランの概要は下記です。

・初期戦略設計(サービスの整理、ペルソナ設計、カスタマージャーニーマップの作成 等)
・サイト制作(ferret One上にサービスサイトやメディアサイトを構築)
・施策実行サポート(解決したい課題をferret One上で解決できるように活用支援)

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それまでまちまちだった対応を見直し、導入いただく顧客には必ずオンボーディングプランを実施していただくようにしました


2. 全顧客への電話ヒアリング
このオンボーディングプランの導入により、顧客の声を少しずつ聞くことができるようになりました。

しかしながらオンボーディングプラン導入前の顧客の解約は止まることはなく、次に以下のような項目を明らかにすべく、全顧客への電話でのヒアリングを開始します。

・ferret Oneの導入目的
・ferret Oneの活用頻度
・ferret Oneに求めること
・ferret Oneの満足度

約300社への電話ヒアリングをした結果、「リソースがなくて使えていない」や「何から触って良いかわからない」など、ツールを利用する手前に問題があることが見えてきました。

このような状態では、例えヒアリングしたところで、「顧客の課題把握」や「満足度などの定性情報」の取得が難しく、改めて対面でのヒアリングの必要性と関係作り、また課題の深掘りと解決策の提示が必要と判断しました。

3. アカウントサクセスチームの組成
上記の状況を踏まえて、ferret Oneの当時のトップセールスを配置し、次に「アカウントサクセスチーム」を組成しました。

アカウントサクセスチームとは、ferret Oneを導入しオンボーディングプランを経た後に、定期的に顧客の状況の確認や課題のヒアリング、解決策の提示を対面で実行する役割を持ったチームのことです。

このオンボーディング+アカウントサクセスの体制が、その後の解約率の改善に大きく寄与しました。

この時一番初めにアカウントサクセスチームに期待したことが、まさに冒頭の「顧客の解像度を上げる」ということでした。
電話ヒアリングで行った活用頻度や満足度のヒアリングと共に、

・目的達成に向けたツール活用( リード獲得、お問い合わせ増など)がどのくらい進んでいるか?
・ツール活用における悩み

など、個別具体的な顧客の状況についてヒアリングし、回答に対して個社に合わせたアクションプランの確認および修正など、目的達成に向けた解決策の提示を合わせて行いました。
このように丁寧にヒアリングしアドバイスを続けることで、顧客ごとのニーズや課題をより詳しく知ることができました。

アカウントサクセスを組成したことで、顧客の定性的な課題を知ることができ、継続的に利用してもらうために提供すべきサポート内容がより明らかになりました。

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4. 「ウェビナー」の開始
ここまでの取り組みによりさらにわかってきたことは、ツール活用支援は当然のこと、「マーケティングノウハウ」の習得に対するニーズが高いことでした。

例えば、下記のようなことです。
・記事のテーマ設定、ライティングのコツ
・CVRを高めるためのサイト運用のコツ
・アクセスレポートの見方 など

これらのニーズに対しては、ホワイトペーパーやferret Oneのオウンドメディアでも発信をしていましたが、それに加え、導入顧客向けのウェビナー(Webセミナー)を定期的に実施することで、マーケティング理解をさらに深めてもらう活動を開始しました。

こちらについては想定以上の顧客に参加していただいており、ウェビナー満足度が90%を超える高い評価をいただいています。
ウェビナーの取り組みについてはこちらの記事に詳しく記載していますのでぜひとも合わせてご覧ください。

5. テクニカルサポートの強化
上記に加え進めているのが、テクニカルサポート体制の強化です。

・ヘルプページの改善(機能ベースのヘルプだけではなく、マーケティング工程別のヘルプページへ)
・問い合わせ返信タイムを30分以内へ

これらの1つ1つの改善は、顧客の声に基づいて取り組んでいることであり、顧客がferret Oneを使ってストレスなく問題解決できるよう、スピード感を持って進めています。

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顧客の声を社内に届けることも重要なミッション

ここまでに挙げてきた取り組みは、カスタマーサクセス界隈では当然のように取り組まれていることと思います。
よく「先人に学べ」と言われますが、我々もあるべき姿を実現するために、先人の経験を参考に、取り組みに着手しました。

繰り返しとなりますが、この取り組みを始めたきっかけは、とにかく「顧客の解像度を上げ、顧客の解決したい課題を明確にするべきだ」と気づいたことでした。
運用の効率化を求めず、とにかく顧客のインサイトを集めることをミッションに、日々顧客と会話を続けました。つまり鬼ハイタッチです。

この取り組みにより、カスタマーサクセスのメンバーは多くの顧客の声に触れることになります。その触れる声1つ1つがサービス改善のための宝だと思っています。
その宝である顧客の声を、カスタマーサクセスチームで集約し、事業部内の他部署にリアルタイムに展開する取り組みも、現在では「Uver Voice」と名付けて開始しています。

<Uber Voiceとは>
顧客の声を収集しタイムリーに事業部内へ展開するプロジェクト。2019年下期のカスタマーサクセス部の重点取り組みの1つ。
デリバリーで有名な「Uber」にかけた造語です。

これについては、カスタマーサクセスのために非常に重要な取り組みであること、この手の取り組みは片手間で運用すると形骸化することが多いため、専属担当を配置しプロジェクトとして立ち上げに取り組みました。

・サービスサイトでのメッセージ変更
・セールストーク、営業資料改善
・プロダクトの機能改善、機能追加

上記のような改善を、カスタマーサクセスからプロダクト開発のメンバーやマーケティング担当者など事業部全体へ発信提案することで、サービスは磨かれ、より多くの問題解決ができるサービスになります。

これからも、1つ1つの顧客の声を大切に扱い展開し、カスタマーサクセスとして、より良いサービスの構築に貢献していきたいと思います。

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これからも愛されるサービス作りにコミットしていきたい

私は愛されるサービスの理想は、
「顧客の問題解決ができているうえで+αの価値提供をすること」
だと考えています。

我々カスタマーサクセス部の役割は、まさにその理想の状態を作り上げることです。そして、その答えは全て「顧客の声」に詰まっているのです。

一般的にカスタマーサクセスの役割は「チャーンレートを下げること」「アップセルを行うこと」と言われがちではありますが、それはあくまでも「愛されるサービス作り」を目指すための手段です。
それを忘れずに、これからも信頼しているメンバーとともに、私たちはパワーアップしていきたいと思います。

感謝の思い

1年を振り返り、たくさんの声をフィードバックしてくださった既存顧客のみなさま、ferret Oneを応援してくださっているみなさま、そして、この1年様々なチャレンジに一緒に取り組み称え合ってきたferret Oneメンバーのみんなに、責任者として心から感謝を伝えたいです。ありがとうございました。

ベーシックおよびferret Oneチームでは一緒に顧客の問題解決に向き合う仲間を引き続き募集しています。
今回のnoteで事業やチームに興味を持っていただいた方は、ぜひ採用ページを覗いてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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