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お雑煮の餅焼くのか問題

関東出身そのまま育ちの私はすまし汁に鶏もも肉と小松菜と柚子の皮を散らす、的なお雑煮を食べて育った。

実家を出た今もそれは変わらず、毎年美味しくいただいている。お雑煮において変わったことといえば、お正月が終わってもしばらく気が向いたら食べることと、お餅を焼かずに入れるようになったことだ。

大前提として、お雑煮が大好きである。汁物としての完成度が高すぎて、お出汁と旨味の魅力に毎年うっとりしてしまうほどだ。

それが故に…毎年惜しかったのだ。
生まれ育った実家は網とガスコンロでお餅を焼いていく方式なのだが、必ず表面を黒く焦がす。そしてそのほろ苦さは、わたし的にはNOT for MEのお味で、あぁ、柔らかくなった程度で止めておいてもらえたら…良かったのに…と子供心に繰り返し思っていた。しかしそれを伝えたところで、他の家族はしっかり焼かれた香ばしい(という解釈の)その状態のお餅を美味しく食べているため、少数派の意見として長きに渡りさらりさらりとかわされていたのである。

そして親元を離れた今、親のすごさの計り知れなみにたびたび思いを馳せると共に、あぁ自由だなぁ…と思うことも多い。衣食住の意思決定の主体が私、そして私と気心知れたパートナーである!というのは、個人的にはとても健やか。

とまぁ大袈裟なことを言って結論として述べたいのは…クク…我が独断のもと、お雑煮の餅をこがさなくても良くなったのだ!フハハハ!
説明しよう!百均で売ってる餅をレンチンするパーツが大変良いお仕事をしてくれるのである。ものの数十秒でとろんとろんのペションぺションにしてくれるのだけど、そのお餅を入れたお雑煮ったら

…美味しい〜〜〜…

と呟かずにはいられない!たまらぬお味なのだ。お雑煮がもっともっともーっとすきになってしまった。

そんな我が家の雑煮事情に今年は少し違う出会いがあった。

グリさらパンという調理器具をみなさまご存知だろうか?和平フレイズさんから発売されている魚焼きグリルに特化した調理器具なのだが、これがまたなにかと便利で愛おしいのである。愛の叫びをこの記事で知って読み終わりと同時にポチってしまったが後悔はない

ふとそんなグリさらパンで餅を焼いてみたのだ。とにかく焦がしたくないのだがどうせ直火に晒すならきつね色とか、夏毛の野うさぎ色くらいにはしたい。ギリギリの塩梅を探った結果ベストに至ったのはザンブと水をかけて4分、弱火。黒焦げではないが、いわゆる「香ばしい」がダイレクトに伝わってくる。のに、煎餅化することなくムチムチと柔らかいのはそのままでいてくれて、我が家的にはこれがベスト。油揚げとは無縁ながら、その色味から「きつね餅」と呼んで可愛がりながらいただいている。

そして、そのきつね餅をお雑煮に入れてみたのだ。するとこれはこれで

…おお、美味しい〜〜〜!

という感じ。憧れていたふわとろで真っ白なおもちとはまた異なる、ささやかな歯応えとお米の香ばしさ!夫も夢中で食べていて、確かにこれはすごく良かった。

というわけで我が家のお雑煮は具材はシンプルながらウサギのような白いお餅と、香ばしきつね餅のバリエーションがあるようになった。こういうささやかな食卓の記憶が積もり積もって、我が家の味、になっていくのだろう。

とここまで書いて思い出したのが後輩としたお雑煮談義である。彼のご実家ではお雑煮は甘いのだそうだ。白味噌というよりは麹の甘さが立って、大変まったりと美味しいものらしい。しかし、そのお雑煮は確かに美味しいものの関東のご出身のお父様がやはりどうしても馴染みの味も食べたい…となって、自宅に戻ってからまたお雑煮を食べ直すのだそうだ。

うーん、愛おしい。なんだかお雑煮というのは、食卓の歴史がとっても似つかわしい。

お雑煮、大好き。

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