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「常識を疑え!」というパラドックス

「常識を疑え!」が常識になってきた話

ビジネス書(特に自己啓発書)を読んでいると、『常識に囚われるな!常識を疑え!』って言葉がほぼ必ずってレベルで出てくるので、自己啓発書界隈の中では『常識を疑う』って常識になっているなと思うことがあります。

これって『常識を疑うな!』という『常識』を疑う必要が出てきて『自己言及のパラドックス』が起きていることになります。

※自己言及のパラドックスとは…
『〇〇星人は必ず嘘をつく!』と言った人が〇〇星人であり、その言葉が「真実」である場合、発言者の言葉も嘘になってしまうというパラドックスのこと。

「常識を疑え!」という言葉が自己啓発書界隈で「常識」となってきたため、常識を疑うには『常識を疑え』という常識を疑わなければいけないというパラドックスが起きている

同じような言葉で、同じような内容の、同じような意図を持つ『常識を疑え!』ってメッセージに感銘して心を動かされる人ってのは常識を疑った方がいいかも…しれませんね。

もちろん、これは言葉の揚げ足を取った捻くれた考え方ですし、自己啓発書ごとに『常識を疑え』に含まれたコンテクストは異なるって分かってますし、この手の言葉を初めて聞いた人にとってはグサッと刺さることも分かります。

ぶっちゃけ、私も社会人1年目の時に初めて読んだ自己啓発書がぶっ刺さりまくってイタいほど影響された黒歴史(社会人2年目病)にかかったことありますからね。

でもこの手の言葉に熱狂してるのって意外と自分よりも上の世代にも多いのよね。

めちゃくちゃ偏見ですが、即行動せよ!熱狂しよう!会議室を飛び出せ!自分の力で稼げ!貯金なんてするな!って感じの言葉をそのまま間に受けて、自分で結局何も考えず、能動的…と見せかけて受動的な行動を起こす(そして、判断基準は結局他人の言葉)みたいな人が『常識を疑え!』って言葉に毎回感動してる方々に刺さっているんだろうなぁ…と。

斜めで嫌な読み方ですけど、『どの本にも書いてある中身の薄い自己啓発書』をあえて読むことも気づきがあって面白いですよね。


でも、常識を疑うってのは確かに大切だよねって話

『常識を疑う』は、もう常套句のような言葉だけど、常識に対してクリティカルな視点で疑うのは重要ですよね。

特に多様性を重要視し始めている昨今において、自身の中にある『常識』や『普通のこと』は人によって異なるものであるという形で能動的に疑っていくスタンスは大切です。

相手が自分と同じ視点で物事を見ているとは限りませんし、そもそも、育ってきた環境が違うのに”同じ”になるって難しいのに、なぜかみんな同じって考えてしまうから、極論ですが差別が生まれたりするのだろうなぁ…と思います。

妄言ですけど、それでもやっぱり疑うってのは大切。

でも、そうやって疑っていくと『常識なんて存在しない』『普通なんて存在しない』ってなってしまって、めちゃくちゃ生きにくい社会になると思います。他者を尊重するために多様性を謳ったはずが、『みんな異なる考えなんだから、その考え(普通)を押し付けるなよ」と、生きにくくなりそう。

まぁ、多様性のある社会と無秩序って全然違うんだけど、人間って極論なことに惹かれてしまう習性があるから、偏った考えが広まって住みにくくしそうだなぁ…


【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
   Webライター、Webマーケティングスクール講師
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   ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い

【連絡先】特技:和太鼓、フットワークが軽いメールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
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Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツール
のベンダー企業にカスタマーサクセスを提供するコンサルタントを経て、現在フリーランスとして活動中。

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