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結局、「リテンション」って何なのさ|今日のマーケティング用語

「リテンション」という言葉を聞いて、どのような意味を思い浮かべますか?

「再度、テンションを上げる」とか「再び、気持ちを盛り上げる」のような意味を想像した方がいたら、私の仲間です。その気持ちよく分かります。

マーケティング業界では非常に重要なキーワードの一つで、あらゆる業界でリテンション施策が取り入れられているほど注目を集めている概念なのですが…意外と意味を知らない方が多いのも事実。

本記事を読み終える頃には「リテンションは注力している施策の一つです。具体的には…」とスマートな返しができること間違い無しです。

リテンションとは「既存顧客との関係性を保持する」こと

リテンション(Retention)とは「保持・維持」の意味を持つ英単語で、マーケティングでは『既存顧客との関係の保持・維持』を行う活動を指ます。

顧客エンゲージメントと顧客ロイヤルティの向上によって、顧客生涯価値を高め、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略・手法であるCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の考え方をベースに、既存顧客との接点を持ち続けるために、顧客のニーズを把握し、定期的にコミュニケーションを取り、離反を防ぐマーケティング活動を『リテンション・マーケティング』と言います。

※広義のCRMであれば『CRMの中にリテンション施策も含まれる』と言えるかもしれません。しかし、狭義のCRM(CRMツールのこと)であれば、リテンションの一部といえます。文脈によって意味合いが変わるので注意です。


リテンション・マーケティングでは「1:5の法則」の考え方がベースとなっており、既存顧客の維持を優先的に行い、既存顧客の利用率を上げることで売り上げ・収益を最大化するのを目的としています。

この辺りの考え方は広義のCRMや、顧客エンゲージメント、LTV(顧客生涯価値)、ファンベースマーケティングなど現在主流となっている手法や考え方と重なる部分が多いので、『リテンション』という名目の施策でなくとも、取り組んでいる組織も多いと思います。

※「1:5の法則」とは新規顧客を獲得することは、既存顧客を維持することよりもことよりも5倍のコストが掛かるという通説のこと


顧客との関係性を安定感を持って維持することは難しく、アフターフォローや新規顧客との差別化、期待値を超える新製品の開発、顧客満足度を上げる細かなサービス、継続的なコンテンツの発信などを行うことで、顧客との関係性を良好なものにすることができます。

しかし、ユーザーとの関係維持は一筋縄ではいかず、試行錯誤を繰り返して最適化をすることが重要になるため、マーケティングの難しい一面が詰まっている領域です。


リテンション施策は「顧客理解」から始まる

リテンション施策はアクイジション(新規顧客の取得)によって得られた顧客情報をもとに、顧客の状態や状況に合わせて適切な内容のコミュニケーションを行います。

つまり、リテンションを行うためには顧客理解が必要不可欠となり、データ活用し、精度の高い分析をすることで優れたユーザー体験を実現します。

一般的には『メルマガ』や『プッシュ通知』『既存顧客向けの新サービス』『アップデートモデルの訴求』『ファン向けのイベント』『交流会』『セミナー』『クーポン』『SNSでの情報発信』『アフターフォロー』などの既存顧客との関係性を深める施策がリテンション施策に含まれます。

適切なリテンションは顧客の流出を防ぐだけでなく、顧客から商品・サービスに関してのフィードバックを得る機会ともなり、商品・サービスの品質向上や新商品の開発、アフターサービスの充実化などにも活かせるため、顧客ロイヤリティやエンゲージメントの最大化に対しても大きく影響を及ぼします。

CRM(顧客管理システム)だけでなくMA(マーケティングオートメーション)やWeb接客ツール、チャットボットといったツールとも相性が良く、顧客情報や行動ログ、購買履歴をもとに既存顧客との継続的なコミュニケーションをある程度まで自動化することも夢ではありません。

※もちろん、自動化に至るまでにPDCAサイクルを何周も回して最適化する必要があります。しかし、その価値は高く、上手く機能すれば大幅な人的コストの削減と収益の向上が見込めます。


リテンション施策としての「SNSマーケティング」

リテンション施策として注目される手法の一つに『SNSマーケティング』があげられます。

SNSは「ユーザーと直接コミュニケーションを取れる」という特性があり、他のチャネルに比べて「リアルタイム性」が高いことがポイントです。

従来のリテンション施策ではメルマガやブログ、クーポン配布、広告の配信などを活用して接点を持っていましたが、SNSは直接関係性を構築することができるため、『深い関係性を構築しやすい』ため、リテンションの効果が高い点もの特徴です。

顧客との関係性を構築することは簡単なことではありません。一方通行なアプローチでは悪い印象を与えてしまいますし、顧客にとって適切なタイミングでなければ見向きもされません。

リテンション施策としてSNSを活用する時は、発信する情報には最大の注意を払うことが大切です。


リテンションはマーケティングにおいて不可欠なもの

事業の成長には新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の活性化も必要です。

そのため、顧客に対して継続的にアプローチを仕掛け、顧客生涯価値の最大化を目指すリテンション施策は避けては通れない重要な活動と言えます。

多くの組織に見られる光景として、『新規顧客の獲得』にエネルギーを使いすぎて、既存顧客のフォローは後回しになってしまうことがあります。

短期的な目線で見れば新規顧客の獲得は事業拡大において注力するべき要素ですが、長期的な目線で見ると、既存顧客が数年後も利用してくれる状態の方が成長率は高く、収益も新規顧客の獲得だけに注力した企業よりも大きくなっていくことは間違いありません。

ぜひ、自社のマーケティング戦略において、リテンション施策に対する優先度を見直してみてください。

もしかすると、「やってるつもり」で疎かになっていた…ということがあるかもしれません。


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また、自社のマーケティング活動において「リテンション施策が上手くいかない」「既存顧客との関係性を構築したいけど、どうしていいか分からない」という方がいましたら、フリーランスのWebマーケターとして活動しておりますので、何かご質問や相談がございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
   Webライター、Webマーケティングスクール講師
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽
   ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い

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Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツール
のベンダー企業にカスタマーサクセスを提供するコンサルタントを経て、現在フリーランスとして活動中。

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