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今年も聞けないぞめきのリズム

22年の人生のうち、16年間を徳島ですごした。

わたしにとっての夏は、花火でもスイカでもなく「阿波踊り」なのだ。今年の阿波踊りも、明日の8月12日から開幕するらしい。

毎年いろんな思い出で彩られた八月のあの4日間を、そっと思い出していた。どんな思い出にも、BGMにはぞめきのリズムが響いている。踊りをじっくり見たのはもう何年も昔の話だけど、鉦や太鼓の音は今日のわたしの耳にもしっかりと残っていた。

あのリズムを、今年の夏も聞くことができない。18歳で上京したわたしは、もう4年も阿波踊りにあわせて徳島に帰っていなかった。

数か月前から「平成最後の夏」というワードが人々に「エモさ」をのこしている。わたしにとってのそれは「今年も阿波踊りに行けないのかぁ」と思う瞬間にこみあげてきた。

人々が街のいたるところで踊っていて、知り合いとすれ違うたびに声をあげて。

地元を恋しがることは少ないわたしだけど、そんなわたしが異国にいても地元を思い出させるのは、この「阿波踊り」のほかありえない。いろんな報道があったけど、徳島のお偉いさん。どうかこの4日間はなにがあっても守り抜いてください。

来年はかならず行くぞ。

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