共通テストの追加追試験会場は金沢大学・角間キャンパスに。全国の大学からは特別措置や経済支援のメッセージが続々到着。被災地の受験生たちは志望校が発するメッセージを必ず確認しよう!
共通テスト追試験を石川県でも特別実施
1 回目のリポートで、文科省と大学入試センターが被災地における大学入学共通テストの追加追試験会場の検討をする旨をお伝えしましたが、9 日、追試験会場が金沢大学の角間キャンパスになったことが発表になりました。
この追試験は、能登半島地震の影響により1/13 (土)、14 (日)実施の本試験を受けられない受験生のためのもので、日程は1/27 (土)、28 (日)。
大学入試センターは決定の経緯について、未だ頻発する余震への配慮をし、被災地の高校、県、金沢大とも協議・相談して決定したとのこと。
本来は東京と京都の 2 か所しか設置しない会場が石川県にも追加設置されるもので、異例の対応です。
おそらく、今回の震災が入試直前という時期に発生したという過去あまり例を見ない事態であったこと、そしてなによりも被災地の受験生たちが受けたであろう衝撃の大きさが、追試験会場の特別設置につながったものと思われます。
被災地の受験生には貴重な受験機会
被災地に貴重な追試験会場が設けられることになりましたので、共通テストに出願している被災地の受験生の皆さんは、折角の機会をぜひ生かしていただきたいと思います。
辛いとは思いますが、皆さんが震災によりできるだけ受験を諦めないよう祈ります。
なお、追試験会場の詳細や追試験受験の申請方法等の最新情報は、HPやX(旧 Twitter)で告知するとのことですので、該当する受験生はしっかりチェックしましょう。
大学入試センター@DNC_japan X(旧Twitter)
<大学入試センター>
能登半島地震の影響に伴う令和6年度大学入学共通テスト追試験場の追加について(2024年1月9日掲載)
全国の大学から支援のメッセージが続々
前回、文部科学省から全国の国公私立大学長宛に通知された「令和6年能登半島地震の発生に伴う令和6年度入学者選抜における対応について(通知)」をご紹介しましたが、早くも全国の大学から特別措置や経済支援を行うとのメッセージが次々と公開されています。
まず、被災地の大学を見てみましょう。
多くが、出願や受験に際し、困難が生じている場合や配慮が必要な場合は遠慮なく相談してほしい、とのメッセージを発信しています。
金城大学
金沢星稜大学
北陸大学
北陸学院大学
新潟県立大学
受験機会の確保を打ち出している大学
被害に遭った受験生の受験機会が失われないように特別措置を打ち出している大学があります。
まず、玉川大学(東京都)は、2月に実施する全学統一入学試験等の前期日程の試験を震災が理由で受験できない場合に限り、追加の入学検定料を納入せずに3月4日(月)実施の後期日程への振替受験を認めることを発表しました。
※申請は申請期間申し出る必要あり
玉川大学
また、金沢学院大や国立看護大学校(東京都)などのように、出願期間の延長を打ち出したところもあります。
金沢学院大学
国立看護大学校
検定料、入学金、授業料の特別措置を
打ち出した大学
経済的援助について手を差し伸べてくれる大学も続々名乗りを上げています。
多くは災害救助法の適用地区居住や罹災証明書発行を条件に、入学検定料や入学金の免除や授業料の免除及び減免(一部免除)を行うとしています。
また、慶應義塾大や中京大のように、被災により主たる保証人(家計支持者)が死亡または行方不明になった場合も特別措置を行うとしているところもあります。
上智大学(東京都)のように生活支援金を支給するところもあります。
主なところをご紹介しましょう(1月10日15時現在)。
東北大学
東京農工大学
愛知教育大学
早稲田大学
慶應義塾大学
上智大学
東京理科大学
明治大学
明治学院大学
専修大学
工学院大学
東京工芸大学
東京家政学院大学
千葉工業大学
江戸川大学
酪農学園大学
日本工業大学
中部大学
同志社大学
同志社女子大学
関西大学
関西学院大学
等々
現在、対応を検討中の大学もまだ多数あります。文科省からの通知が出たばかりですので、このあと、次々発表されることになるでしょう。
ご自身の志望校がどのような対応をしているのかは要チェックです!
なお、前回、共通テスト受験者に対する宿泊費等の補助について、石川県の取り組みをご紹介しましたが、お隣の富山県も支援の方針を明らかにしました。
志望校、各種支援団体、国やお住いの行政など
情報が日々更新されているのでご確認ください。
<文部科学省>
<独立行政法人日本学生支援機構>
また、石川県民で被災地支援実用情報をまとめ、紹介されている方もいらっしゃいます。
「被災された方々が大学進学を断念することのないよう…」
そうした、数々のメッセージのなかで、印象に残ったものがありました。
被災地にある金沢星稜大学(石川県)が発信した次のものです。
お見舞いの言葉のあと、
「被災された方々が大学進学を断念することのないよう」
という文言が付け加わっているのです。
単なる支援にとどまらないメッセージですね。
震災により過酷な状況に追い込まれ、進学への意欲そのものが揺らいでいるかもしれない受験生たちに対し、入試という人生の大事な岐路に差し掛かっている今だからこそ、大学へ進学することの大切さを改めて訴えているメッセージであると感じました。
避難所の手伝いをしている高3生も
ニュース報道では、共通テスト直前でありながら、避難所での手伝いに精を出している高校3年生がいるとのこと!
受験勉強よりも、避難所に身を寄せている人たちのことを優先させている・・・
その高校生の行動には、本当に心打たれるものがありますね。
樋上校長がおっしゃられるとおり、そのような受験生たちにこそ頑張ってもらいたい、のです。
被災地の受験生たちに、ご紹介した
様々な支援の存在もぜひ知っていただき、
活用してもらいたい。
そして、大学進学、志望校突破の夢を
叶えてほしいと、心から願うのです。
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