見出し画像

入試情報が総合型選抜対策になる⁈/渋沢栄一と日本女子大学【新紙幣と大学④】

こんにちは!代ゼミ教育総研note、編集チームです。

4回目を迎えた【新紙幣と大学】シリーズ。

新紙幣に描かれている偉人たちと関連の深い「大学」にスポットライトを当て、「視点力の高め方」についてもお話しています。

今回は新10,000円札がテーマ。

ちなみに、新1,000円札と新10,000円札の「 1 」のフォントが異なることが話題になっていますが、きちんと理由があるそうですよ。

「財務省によると、『識別性向上』、つまり一目で分かるようにするためだという。さらに目が不自由な人が触って分かるように印刷が少し盛り上がっている。識別マークもより大きくし金額によって位置を変えるなど、ユニバーサルデザインとなっている」

(下記記事からの引用)


・  ・  ・

さて、10,000円札の肖像は渋沢栄一に変更されます。

これまで1984年からの約40年間、福沢諭吉が採用されていたことを考えると、大きな変更と言えるでしょう。

渋沢栄一は多くの企業の設立・経営に関わり、「日本資本主義の父」と称され実業家としての側面が強い人物です。一方で、慈善・社会事業にも大きく貢献し、大学とも関係の深い人物です。栄一が関わった大学は複数ありますが、今回は「日本女子大学」に焦点をあてていきます。

今回も高校支援チームに 「志望校選びのために一から大学を調べる」高校生に向けてアドバイスをするという場面を想定して、記事を書いてもらいました。



👨渋沢栄一の略歴と日本女子大学


まずはいつものように、渋沢栄一の生涯を簡単に年表で見ていきましょう。

 1840年:渋沢栄一、誕生
 1867年:将軍名代・徳川昭武に従ってフランスへ
 1868年:明治維新によりフランスより帰国
 1871年:大蔵省紙幣頭となる
 1875年:第一国立銀行頭取
 1896年:成瀬仁蔵(日本女子大学の創立者)と出会う
     大学創立に向けて2,500 円(現在の貨幣価値で約1,000 万円)寄付
 1901年:日本女子大学、開校
 1931年4月:日本女子大学の第三代校長に就任
 1931年11月:渋沢栄一、逝去

海外で、資本主義を始めとした経済制度や近代的産業設備について学び、それを日本流にアレンジしてよりよい日本社会にしていこうと尽力した生涯でした。


📝入試情報を読み解く


さて、日本女子大学のことをもう少し詳しく見てみましょう。今回は入試情報に着目します。

大学受験生であれば、入試情報は単なる事実・対策すべきものとして読み取りがちです。
変更点があっても、「ここが変更になった!対策せねば!」と変更になった事実と、その(受験対策としての)対応について思いを巡らせがちではないでしょうか。

ここではもう一歩、より踏み込んだ入試情報の読み取り方を考えてみましょう。(手前味噌ですが)代ゼミWebサイトの入試情報では各大学の変更点が分かりやすくまとまっています。


日本女子大学の入試情報で目立つのが、既存学科の改組です。

例えば、2024年度には家政学部住居学科を建築デザイン学部建築デザイン学科へと改組しています。2025年度に向けても家政学部食物学科の改組が予定されています。

ここからは、社会の実態や時代の流れによりフィットする学科・大学にしていこうという大学の姿勢が見てとれます。
「よりよい社会をつくる」という渋沢栄一の理念にも通じるところがありますね。

さらに、既存の学部学科についても、それぞれの学部学科が求める内容に応じて、受験科目や配点などに変更が加えられています。新たな時代に合わせてフレキシブルに対応する姿勢を、入試の方式等からも読み取ることができます。入試方式や受験機会の多様化も日本女子大学の姿勢を体現しているといえるでしょう。


🌈まとめ(入試情報が総合型選抜対策になる⁈)


入試情報一つとっても、大学の求める人材や大学の目指すものが読み取れる、ということをお伝えしてきました。

大学受験生の皆さんが、総合型選抜で課される課題の対策を考えたり、志望動機を深めていくにあたって、大学の求める人物像や大学の特徴をしっかりと捉え、自分の持つ強みや将来の目標とすり合わせをすることは非常に重要です。

大学からのメッセージを元にその大学の特徴を考えるのももちろん欠かせないポイントですが、実際の入試情報から具体的な「大学の目指す姿」を読み取ることで、「受験」という側面から大学の特徴を捉え直すこともできます。

「大学からのメッセージ」と「実際の入試情報から学んだ知識」を組み合わせて自分なりの考えを広げていくことで、具体的で説得力のある意見を形成しやすくなるはずです。

日本女子大学でいえば、
「大学からのメッセージ」
 =未来を見据え、よりよい社会をつくること
「入試情報」
 =(一例)建築デザイン学科、改組翌年に英語以外の外国語が選択可
 ⇒様々なバックグラウンドを持つ人材の育成を目指しているのでは?
 ⇒自分の持つバックグラウンドとは何だろう…、様々なバックグラウンドを持つ仲間とのコミュニケーションとは…、大学に入学して英語以外に学んでみたい言葉はなんだろう…、建築を学ぶにあたって役に立つ外国語は…、などと考えていくことができます。

・  ・  ・

ここまで視点力の一例を提案してきました。

★第2回★

★第3回★


もうすぐ夏休み。オープンキャンパスもたくさん開催されます。ぜひ、あなた自身の視点と言葉で、大学のことを語れるようにしてみてくださいね。


★関連記事★


\おまけの大学豆知識/

Q.1901年に行われた日本女子大学校の運動会は渋沢邸で行われました。その際、日本で初めて行われた種目とは?












A.女子バスケ
日本最初の女子バスケが渋沢邸で行われていたとは、面白いですね!パリ五輪ももうすぐ!楽しみですね😊
(詳しくは☟)


次回は番外編。
「渋沢栄一史料館と学芸員のお仕事」についてです。
お楽しみに!


#代ゼミ教育総研 #教育総研note #新紙幣 #総合型選抜 #大学入試 #大学受験
#渋沢栄一 #日本女子大学