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丁寧な暮らし


自由に過ごすことができる時間ができた。

正確にはできたというより
つくった。
意図的に”人生の春休み”を。

朝と昼の間に起きて
お湯を沸かす。
顔を洗って
しっかり保湿。
パンにジャムを塗って
紅茶を淹れる。
ラジオを聴きながら
洗濯と掃除を済ませて
一息つくと
おやつの時間。

本を読んだり
映画を観たり
少し散歩をしてみたりする。

長い間なんとなく観ていなかった
シリーズものの映画を見始められたときは
自分の心に余裕が戻ったことに
気づけた。

のんびりした時間はあっという間で
ふと窓の外をみると真っ暗になっている。

お米を炊いて
お肉を焼く。
卵をしっかりといて
たまご焼きに。
味噌汁ももちろん忘れない。

食後に紅茶を飲みながら
また本を読む。
映画を観てもいい。

お腹が落ち着いてきたら
お風呂をためて
ゆっくり浸かる。
ピアノクラシックを聴きながら
うとうとする。

隙なく、丁寧な暮らし。

こんな暮らしを
共有できる誰かがいればなんて
思う。

1日の終わりに
この暮らしをちょっとだけ
お裾分けできるような。

ただ、慌ただしくまわっている歯車から
はみ出た私の話を
誰が快く受け止めてくれるのだろうか。

地に足がつかない。
一生懸命膨らました風船が
空へ飛んでいかないことを知った時の気持ちと
似ている。
浮いているのに
飛べないし、落ち着かない。

春が来て夏が来る。
秋になる頃には
また飛べるだろうか。

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少し悲しくて
少し春っぽい、そんな話です。

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