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おすすめ本:「光と窓」カシワイさん

私は読書が好きで、毎日何かの本を読んでいます。

多いのは、文化芸術に関するもの、解説本もあれば図録なども。他には、思想や哲学、宇宙論、精神世界も読みます。文学は今はあまり読みませんが、絵本を出版することもあって、最近は童話やおとぎ話も読んでいます。それから、絵本と詩も最近よく買います。

図録や絵本など、ヴィジュアルがメインの本は、デザインやイラスト、絵を目的として、それから、文字(情報)がメインの本は内容を目的にしているので、買うときは結構吟味します。なので、ジャケ買いはあまりしないのですが、今日は一目惚れしてジャケ買いしてしまった(後悔ではないですよ!)本のご紹介です。

カシワイさんの「光と窓

何に惹かれたかと言うと、表紙と裏表紙を構成する全てです 笑。


《構成するもの》

タイトル:光と窓

表紙のイラスト

帯の言葉(オモテ):眩しい言葉 涼しい描線
漫画で新たに描き出す 清冽な文学作品7篇。
「夕日の国」「小さいやさしい右手」安房直子
「金の輪」小川未明
「こうちゃん」須賀敦子
「ごびらっぷの独白」草野新平
「ひとつの火」新美南吉
「注文の多い料理店 序文」宮沢賢治

帯の言葉(ウラ):
「わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、
おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、
どんなにねがうかわかりません。」(宮沢賢治「注文の多い料理店 序文」より)
心を照らし続ける大切な物語。
新しい窓が切り取った遥かなる光。

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この情報だけで「買おう!」と思いました。

名だたる文学者の作品を取り上げていること、そのセレクションも素敵。そして、色や線が少なく、余白が多めのイラストに惹かれました。

後は、帯の言葉たち。
眩しい言葉
涼しい描線
心を照らし続ける大切な物語。
新しい窓が切り取った遥かなる光。

そして、そのタイトルが
「光と窓」

完璧です!


また、文学作品は7篇登場しますが、どれも静かな情景や心象を描いた素敵なものばかりなので、自ずとセリフや言葉よりもイラストのみのシーンとなります。

代わりに、柔らかくて細い美しい描線での表現、なんと言ってもそのコマ割りが本当に素晴らしく、セリフや言葉がなくても十分にその風景を伝えてくれます。

また、余白多めのシンプルなイラストが、私好みということもあります。


私が特に好きなのは、この3作品。
「ごびらっぷの独白」草野新平
カエル目線の世の中の捉え方。カエル語での表現が面白い

「ひとつの火」新美南吉
どこまでも優しく静かな日本の情景

「注文の多い料理店 序文」宮沢賢治
理解したいけれどできない、でも理解したい。天才の表現が堪能できる


文学作品とイラストのバランスが絶妙で、文学でも漫画でもない新しいジャンルの表現のようにも思えます。

読後は余韻に浸って、何度も読み返したくなる素敵な本。
興味のある方は是非!


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