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おすすめの詩

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noteで見かけたおすすめの詩を取り上げて、勝手に感想を書かせて頂いてます。
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#おすすめnote

おすすめnote詩『陶と椿』19

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

交わりの後を描写している詩なのかな、と思いました。どことなく二人の関係性が仄めかされているような気がします。それはひと言で表現されるようなものではなくて、今回の詩のように、幾つもの連を並べることによってでしか浮かびあがらない、行間のような淡い感情なのだと思いました。

前半部。「部屋の中が白く霞んで/ここには現実しかない」

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おすすめnote詩「暗い水中、暗い空中」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

ツイッターを見ながら、ある人のツイートが気になる。そこからどんどんと惹き込まれていく様子が描かれているのだと読みました。でも「しゅぽッツ」というツイート音でしょうか、そこでその世界から戻ってくる。今回の詩は、その現実と空想、(もっと上手い言い方ないだろうか)の境い目、その2つの世界の違い、不思議さ、そこを描くことから発想を

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おすすめnote詩「鱗の眼」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

「世界が違って見える」って言う時の「世界」って言葉が好きです。きっとそれはニュースで観る「世界」じゃないし、もっと個人的な「世界」。私だけの「世界」で誰にも影響を及ばさない。ひとつの新しい気づきで容易に変わる「世界」。毎秒、目に見えてる「世界」は変わっているとも言える。そういう「世界」。

さて、以下、私がこの詩を通して気

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おすすめnote詩「耳の裏」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

恋愛詩、もしかしたら失恋詩。そんな風に読みました。繊細な感覚をお持ちだと思われます。まだ失恋という段階ではないのであれば、後悔がない行動をした方がいい、なんてことを言ってしまうのは、もう私が老いている証拠なのでしょう。

さて、ここからは私がこの詩で解析したことをつらつらと書いていきたいと思います。

①細部を書くことの大

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おすすめnote詩「血と飴玉と男と女」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

おそらくジェンダーに関わる詩なのだと思い読みました。

①比喩と言葉とジェンダー

①比喩と言葉とジェンダー
正直に言いましてそれほど考えてこなかったテーマだったので目から鱗の詩でした。ジェンダー。「社会的・文化的につくられる性別のことを指す」とネットにあります。

読みながら改めて本来の私って「人間」なのだなと思いました

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おすすめnote詩「癖」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

詩のタイトルは「癖」です。「癖」というと、どこか軽いイメージ。日々の癖。ちょっとした些細なもの。でもこの詩での「癖」は重みが違います。

①構成とか
②自分と自分

①構成とか
三連で構成されています。この詩の核は二連目だと読みました。この二連目。どうしてこの位置に置かれているのでしょう。そこに考えを巡らしてみました。例え

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おすすめnote詩「余剰」

散文詩、と言われる形式だと思います。「世界」と「私」との関係が書かれている詩だと思い読みました。

全体の構成。まず「世界と今の私」が書かれています。そこから「世界と言葉」「世界と実在」「世界と時間」「世界と未来の私」というように書かれているのだと思います。

「世界」との関係性が書かれているのと同時に「言葉は彫り出し組み立てねばならない」にあるように「詩人としての在り方」も書かれているように思い

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おすすめnote詩「好きなバンド」

今回はこちらの詩の感想を勝手に書かせて頂きました。ありがとうございます。

今回の詩は著名な詩人である谷郁雄さんの詩です。私などが感想なぞ畏れ多いのですが、記事にある「大歓迎」を真に受け書いていきます←

さて、今回は以下の3点について書いていきたいと思います。

①全体の構成
②平易な言葉と自由さ
③好きなバンド

①全体の構成
5連構成でしょうか。導入があり、具体例、結果、疑問、答え、というよ

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おすすめnote詩「かわいい奴ら」

今回の詩はこちらになります。今回の詩から私が書いていきたいことは以下の3点です。

①全体の構成
②最後の一行の工夫
③「魚」という言葉

以下、詳細です。

①全体の構成
いわゆる自由詩という範疇になるのでしょうか。「特売日のチラシに魚がギラリと写っている」から話が展開されていきます。「魚を食べることができない時期があった」という導入部があり、その後、理由、反論、一般論、事実、結末と言うように話

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おすすめnote詩「夕明かり」

人生訓の詩だと思い読みました。全体は二連構成で短い詩。

まず思ったのは、どうして「夕陽」なのだろう、です。若者にある夢とか希望、そういうものなら多分、朝日を使うと思う。とすると、おそらく、それなりの年齢を重ねた人だという推測になります。だからこそ、自分に刺さりました。

「大河のような高速道路」は、日常や日々を表しているのだと読みました。巨大なうねりと鈍重な動き、抗い難い何かが日々流れていく。何

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おすすめnote詩「未知の方角へ」

詩に取組む姿勢、詩に対する考え方、と同時に「きみ」に対する賛美が語られているのだと思いました。

全体は五連構成だと思われます。一連目から五連目まで理路整然とそれぞれの連が意味を持って配置されています。言い換えると、導入があり具体例がいくつか並べられ、小まとめ。最終連で、一連目をひっくり返えします。それゆえに最終連が強調され、ここがこの詩の核かな、と思いました。

一連目が導入であり、またある意味

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おすすめnote詩「東京36.0」

まずは形式的な点からこの詩の感想を書いていきたい。自分は専門家ではないので、まずはネットで拾い読み。

定型詩「音数に一定の形式やリズムをもつ詩」
自由詩「音数に一定の形式がない詩」
散文詩「散文形式で書かれた詩」

ということなので、この詩は「散文詩」ということになるのではないかと思います。

一連目。ここは導入にあたる部分であり、この詩の背景が書かれている。おそらく時期は「夏」で、また主人公は

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おすすめnote詩「よるは、いっしょに」

不安感、或いは消えない記憶、消せない記憶、消したくない記憶、そういうものが夜になると現れる。「いつの日か乗りこなそう」そういう決意が語られている詩、そう読みました。

一連目。ここに全てが集約されているように感じました。「夜の淵が/手を取り合って/襲ってくる」襲ってくるのですから怖いもの、嫌なものだということを感じます。「夜の淵」が「手を取り合って」とはどういうことなのでしょう。と言うか「夜の淵」

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おすすめnote詩「青の呼吸」

全体は三連構成になっているのではないでしょうか。朝方、思いかけず目が覚めて、そのまま海を見に行った時の出来事を詩にしているのかなと思いました。

一連目。「起きかけの目覚まし時計」の文章に惹かれました。面白いです。もし目覚まし時計と言うものが、音を鳴らしている時が目を覚ましている状態なのであれば、それ以外の時はほぼ寝ている、という事であり、言い換えると「起きかけ」になるのかもしれません。

二連目

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