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元地方女子が語る! 茨城の女子高生が東大生になって思うこと

#YourChoiceProjectライターのおりがみです。この記事では、元地方女子である私が、それまで全く頭になかった進路である東京大学を目指し、実際に受験し、なんとか合格し、大学生活を送っている中でどのように気持ちが変化していったのかについてご紹介します。
最初は自分にとって遠い存在だった東大も、通い始めて1年もすれば慣れてきましたが、改めて東大を外から見たとき、内から見たときの違いに着目してお届けします!



目次
受験前の東大のイメージ
「自分のレベルが全国で通用するわけないよな…」
影響を受けた先生の話
閑話:「東大のブランドが強すぎる」
受験時のエピソード
お弁当持参の受験生が多い
圧倒的に高い文三の女子比率
入学後に感じた違和感
駒場東大前駅の日常
カルチャーショック!
まとめ



受験前の東大のイメージ

「自分のレベルが全国で通用するわけないよな…」

 高校1年生のとき、私の大学受験に対する解像度は本当に低かったです。当時、高校受験を終えたばかりで、また新たに受験について考えるのが嫌だったのかもしれません。模試の志望校欄は、左から順になんとなく①筑波大、②東北大、③北海道大。学部は文理ごちゃまぜでした。私立はー、早稲田とか慶応は有名だし難しそうだけど、その1ランク下ってどの辺だろう。わからないから今は書かなくていいか…そんな感じでした。

 そのまま1年生が終わろうとしていたころ、模試の結果を見た学年主任の先生に声をかけられ、「もう少し上の大学を目指せるんじゃないか」というようなことを言われました。どうやら「もう少し上の大学」とは東大や京大を指しているようです。話が終わった後、いろいろと考えました。自分は県内ではトップレベルとされる高校に通っている。とはいえ、全国でもトップレベルと言われるような大学を目指せる自信はない。高校受験のときは県内、しかも主に県北~県央の人と戦えばよかった。一方で大学受験では全国の人と戦わなければいけない。当然、その中に自分より勉強ができる人なんてたくさんいるだろう…そのようなことを考えていた気がします。


影響を受けた先生の話

 私の学校では、文系は2年次のクラス分けのために世界史・日本史・地理の中から2教科を選択する必要がありました。また、その後希望する場合は、3年生からどちらかの教科を辞めて、新たに倫理・政経を選択することができました。1年生の私は先ほどの学年主任の先生の言葉を受けて、なんとなく頭の中に生まれた東大という選択肢をつぶさないよう、世界史と地理を選択。2年生の夏に東大オープン模試、秋には京大オープン模試を学校で受験しました。

 しかし、全く考えていなかった東大という選択肢が生まれてからも、私の進路に対する意識は残念ながら変わらず。3年生の4月の進路希望調査では「第1志望:筑波大 人文・文化学群 人文学類;第2志望:東京大学 科類未定」という結構謎なことを書き、5月の面談では担任の先生に「もっと主体的に進路選択をしなさい」と言われる始末でした。

 ですが、その後、部活の友達と話している中で、ある先生が東大卒であることを知りました。私はその先生をとても尊敬しており、その頃から「後輩になりたい!」と思うようになりました。(…この文章、何ならその先生が読む可能性がありますね。恥ずかしすぎる)

 これが私が選択肢の1つでしかなかった東京大学を目指すようになった最後のきっかけでした。


閑話:「東大のブランドが強すぎる」

 尊敬する先生が東大卒だと知ったとき、私は一瞬先生がとても遠い存在になったような気がしました。ですが、それは自分が先生を大学名で見てしまっていることにほかならないと気づき、即反省しました。それでも、「東大出身の人って東大のことや自分のことをどう思っているんだろう?」 (外から見たら自分には届かない凄い存在だと思うのだけど) といった疑問は残りました。

 少し現在の話をします。
 東京大学に入学し、#YourChoiceProject に入り、東大生として扱われることにも慣れてきたころのことです。私は浪人時代の友達と、東大のイメージについて話していました。彼女曰く「東大のブランドが強すぎる」「一番上を目指すということは、そこに至る人間だという自覚があると思われる」と。このとき、忘れかけていた「地方から見た東大に対する距離感」を思い出しました。

受験時のエピソード

お弁当持参の受験生が多い

 2月。私大受験や二次試験のため東京に来た私は、あるショックを受けました。「他の受験生、実家から試験会場まで来ている人多くない?」そう判断したのは、昼休みに家から持ってきたであろうお弁当を食べている受験生が多かったからです。都内のホテルに前泊した私の昼ごはんは、朝コンビニで買ったおにぎりです。夜朝昼とコンビニなどで買った食事が続き、そろそろ家のごはんが食べたいなーと思っていたころでした。前泊していないなら、首都圏の人かな…?東大の試験会場には全国から受験生が集まるイメージだったので、驚きました。

圧倒的に高い文三の女子比率

 東大の二次試験初日、国数の試験が終わると、駒場東大前駅周辺にいた母と合流しました。そこで言われたのが「人の流れで女子が増えてきたからそろそろ文三かなと思った」。確かに、私がキャンパスを出たのは、混雑防止のための分散解散のため長いこと待たされた後でした。文一文二が先の解散だったのでしょう。そんな露骨にわかるのか、と思いました。駒場キャンパスで受験するのは文系のみなので、圧倒的に女子率が低い理科一類の受験者はいません。それでも男女比が違うのがわかったようです。文科三類の女子率が文科一二類と比べて高いことは知っていましたが、かなり衝撃的でした。

入学後に感じた違和感

 私の所属するクラス(文科三類・フランス語選択)の女子率は約45%。半分には満たないですが、差が気になるほどではありません。また、#YourChoiceProject は現時点では女性の方が多い団体です。そして、どちらもおそらく東大の平均よりも地方出身者が多いコミュニティです。したがって、学生の属性の偏りを意識せずに日常生活を送ることも不可能ではありません。そんななかで普段ふと感じる違和感を紹介します。

駒場東大前駅の日常

 日々大学に通う中で、東大全体の女子の少なさを意識せざるを得ないことがあります。例えば、授業開始直前の時間帯に多くの人が駒場東大前駅で電車を降り、キャンパスに向かう様子を見たときです。人を見た目で判断するのは良くないですが、圧倒的に男性と思われる方が多い。この人たちがこの状況に対して何も思わないまま社会に出ていいのか…?良くないでしょう。しかもそこにいるのは社会でそれなりの地位を得る可能性も高い人たちです。そんなことを考えるたび、この違和感を忘れてはいけないという気持ちになります。

カルチャーショック!

 大学入学後の体験をもう1つ紹介します。11月、私は幼馴染の文化祭に遊びに行きました。驚いたのは、その数日後、首都圏出身の友達にそのことを話すと「あ~早稲田?」「それか立教?」という反応が返ってきたことです。首都圏の人にとっては、首都圏の難関大、難関私立に進学することがそんなに珍しくないのかと思いました。私の知り合いにも難関大学に進学した同級生はいますが、把握しているのは高校の元クラスメートくらいです。幼馴染の文化祭に行ったことと、同時期に早稲田大学や立教大学の文化祭が行われていたことは、私の中で直結する情報ではありませんでした。首都圏と地方の環境の差を実感する出来事でした。

まとめ

 長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございます。

 この文章を書きながら、自分は高校時代何を考えていたか?ということは意外と忘れてしまうものだなと感じました。

 私にとって一番変わったのは、東京大学という存在がものすごく遠いものから近すぎて気にならない存在にまでなったことかもしれません。最初は遠すぎて見えなかったはずなのに、いつのまにかあって当たり前すぎて逆に見えないほどになってしまいました。「東大生はとても頭が良くて、自分は全くそこに及ばない」と過度に恐れることがなくなったのは良いかもしれませんが、慣れてしまったことによって見えなくなった悪い点もあるでしょう。

 合格していなかったら、この環境は当たり前になることはなく、東大の存在はどこか遠いままだったかもしれない、と思うと不思議な話です。

 だからこそ、東大での生活を続ける中でも、自分が特殊な場所にいることは忘れないようにしようと思います。

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