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ピグマリオン効果で引き出す組織の潜在力:期待が生む奇跡

こんにちは!
セルフ&チームリーダーシップコーチのりょうです。

皆さん、ピグマリオン効果という言葉をご存じですか?

コーチングの界隈ではよく使われる言葉です。
コーチングに限らず、組織でリーダーシップを発揮する際やマネジメントにも活用できる概念かと思い、テーマとして取り上げてみました。

具体的な事例を交えてお話します。
この文章を読み終わったときには、ピグマリオン効果の定義と具体的に組織運営において活用できるまで理解が深まっているかと思います。
ぜひ最後まで目を通してください!


ピグマリオン効果の定義

私が説明するより、正確かつ公平かと思うので、言葉の定義についてChatGPTに聞いてみましょう!!

ピグマリオン効果とは、他者に対して抱く期待が、その人の行動や成果に影響を与える心理的現象です。例えば、教師が生徒に高い期待を抱くと、その生徒はその期待に応えようと努力し、実際に成績が向上することがあります。この現象は、教師の期待が生徒の自尊心や自信を高め、努力やパフォーマンスの向上につながることを示しています。ピグマリオン効果は、人間の行動や学習における期待の重要性を示すものです。ChatGTP 4o4o

つまり、「期待をされると人はパフォーマンスが上がる」ということです。
もう少し付け加えると、「他者からの高い期待を受けることで、その期待に応えようと努力し、実際に成果が向上することです。

ピグマリオン効果のメカニズム

ピグマリオン効果が働くメカニズムは以下の通りです。

  1. 期待の伝達:教師や上司が高い期待を言葉や態度で伝える。

  2. 自己概念の変化:期待された人がその期待を受け入れ、自分の可能性を信じ始める。

  3. 行動の変化:期待に応えようと努力し始める。

  4. 成果の向上:努力が実を結び、成績やパフォーマンスが向上する。

教師が生徒に高い期待を持つと、生徒は自信を持ち、学習意欲が高まります。例えば、特定の生徒に「あなたは数学が得意になる」と伝えることで、その生徒は数学の成績が向上する可能性が高まります。

ビジネスでの活用方法

勘の鋭い”あなた”は既に理解されていると思いますが、ビジネス領域でも使える概念ですよね!

上記の例で、先生から上司・生徒をメンバー(部下)に置き換えればイメージができるかと思います。

上司が、メンバーに「期待しているよ!」という気持ちを心から伝えれば、その言葉を受けたメンバーは自信を持って取り組むようになります。

私はリーダーの役割は、以下のように考えています。

(1)(現状の外にある)組織が向かうべき方向を定める。

(2)メンバーから共感を得つつ期待値を調整する。

(3)メンバーの強み/特性を深く理解し、状況に即して最適なリソースを配置する。

(4)共に戦うメンバーを動機(時には勇気)づける。

(5)アクションを継続して、大きな成果を刈り取る

(実際のビジネスでは、戦略の時間軸・競争環境・市場の成長性・ユーザーニーズの高低など、他にも考えるべきテーマはあります。)

りょうのオリジナルです。笑

リーダーとして、ピグマリオン効果が活用できるのは、どのポイントでしょうか?
率直に申し上げると、高いレベルのリーダーは、常にピグマリオン効果を意識して行動することが求められます。

敢えてポイントを絞るとするなら、
(1)期待値の調整や(4)動機(勇気づけ)において、ピグマリオン効果を意識したコミュニケーションは極めて有効だと思います。

新しいことにチャレンジしたり重責を担うメンバーに対して、組織のリーダーである”あなた”からの「心のこもった期待の言葉」は、大きく勇気づけることでしょう!

恐らく、あなたの言葉を受けたメンバーは、「よし!やってやるぞ!!」・「私がこのチーム(プロジェクト)をリードするんだ!!」というような前向きなセルフトーク(無意識の言葉)を発して、前に進んでいくはずです。

また、周りのメンバーにも、その前向きなエネルギーは伝播していき、チームが活性化されていきます。

ピグマリオン効果の注意点

一方で、ピグマリオン効果を活用する際の注意点にも触れておきます。

  • 過剰なプレッシャー
    過剰に期待をかけすぎることは、メンバーにとってプレッシャーになることがあります。期待をかけるメンバーの実力を客観的に評価して、少し背伸びをすればできるという範囲の業務に留めましょう。

  • 不適切な期待の設定
    真心を込めることが重要です。上長が「どうせできないでしょ・・・」と内心思っていたら、そのニュアンスが言葉を通じて期待をかけられるメンバーに伝わります。
    (仮に伝わらなくても、そのような人は、私はリーダーとして相応しい素養を有していないと思います。)

  • 特定個人に対する優遇
    一握りのメンバーにのみに期待を伝えると、他のメンバーとの不公平感を生じる可能性があります。組織にはそのようなことに敏感なメンバーが必ず存在するものです。勿論リーダーは、全てのメンバーを平等に扱うわけではありません。
    また、チームを強くする観点でも有能な人材に優先的に成長を促すような機会を与えることは間違っていないとわたしは、私は考えています。
    一方で、不必要な課題の発生を避けるために、過度に不平等が発生するような偏りを避けたり、声をかける場所をクローズドにするなどの工夫が必要になってきます。

私の経験

私は、上司・メンバーのそれぞれの立場で、ピグマリオン効果を実感したことがあります。

戦略コンサルタントだった時の話です。私は30歳を過ぎていましたがコンサル業界への転職が遅かった背景もあり未だ若手の扱いでした。

一部上場の化粧品メーカーに南米向けの新規市場開拓のプロジェクトにアサインされたケースでした。そのプロジェクトは、期間も短く・費用も限られており、かつベテランの優秀なメンバーを揃えることができず、難易度の高いプロジェクトでした。

プロジェクト開始する前日に、私はパートナー(コンサル会社の最上位職)にランチに誘われ、そこで「あなたにプロジェクトマネージャーをやってほしい。お前ならできると思う!!」という言葉を受けました。

そのパートナーは以前より誠実な人柄の方と理解しておりましたが、いつにもまして真剣な表情で真摯な口調で話をいただき、暖かい期待を感じたのを覚えています。そのプロジェクトは、私がリーダーとして初めて成功を収めたものになりました。

一方で、失敗もあります。
私が、38歳で会社の役員になった時の話です。
その会社は、パートさんを含めて300名の製造業で赤字が続いておりました。私は買収した親会社から事業再生の役員(実質の社長)として赴任しました。

私はすぐにいくつかの会社の重要なポジションにおいて、担当しているメンバーの力量が不足していることが分かりました。会社の業績を早く上げたいという気持ちが強かった私は、それらのメンバーに終始厳しめの態度をとってしまいました。更に悪いことに、その時に私は「この人たちは、その重要なポジションに対して、そもそもの力が足りていない・・・」という誤った思い込みを持っていたのです。

言うまでもなく、このメンバーの皆さんのモチベーションは上がることはなく、私に対する不信感さえも持たせる結果となってしまいました。

ピグマリオン効果を知っており、せめて一度でも期待を込めて話をして奮起を促すようなコミュニケーションができていればと・・・後悔しています。

この件は、私の痛恨の失敗の一つですが、この失敗を教訓にリーダーとして少し成長の階段を上ることができたのも事実です。
(美談にするつもりはありませんが。笑)

まとめ

ピグマリオン効果は、皆さんはどのように感じましたか?

この効果を意識して活用することで、教育現場や職場、日常生活において他者の成長やパフォーマンス向上を促すことができます。期待を持ち、適切なサポートを提供することで、相手のポテンシャルを最大限に引きだすことができます。

繰り返しになりますが、リーダーの重要な責務は、人と組織を動機づけることです。まずは、リーダーであるあなたが歩み寄って期待を示さないと、周囲やメンバーからのポジティブな変化を生みません。期待を示すことは、人の潜在能力を引き出すための強力な武器となります。

既にリーダー職にある人やこれからリーダーになろうと思っている方に、周囲との人間関係をよりよくして、組織のパフォーマンスを最大化するための武器としてピグマリオン効果について、私の経験を踏まえてお話させていただきました。

皆さんの参考になれば嬉しい限りです。

長文を読んでいただきありがとうございました!


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