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ライブを撮る 音と光、響きと影


はじまり

コロナ禍以前は良く音楽ライブへ行き、写真を撮らせて頂いてました。
スタッフとして撮る分けではなく、観客として、出演者の知人・友人として撮影させてもらっていました。
もともと、音楽は好きでよく聞いていましたが、ライブに行くようになったのは30歳前後の頃からでした。当時、西アフリカの太鼓「ジャンベ」を習うワークショップに参加していた縁で、初めてライブに行くことになったのが、ライブに行くようになったきっかけです。
もともと写真が趣味だったので、楽しそうにステージで躍動する演者の皆さんを見ている内に自然と写真を撮るようになっていました。
当たり前ですが、演奏中演者の方々は写真を撮れないので、撮影すると喜ばれることも多くうれしかったです。

写らないけど「空気」を撮りたい

ライブ。その空間にあふれる「空気」、音から感じる色や温度か、歌声や楽器の音色の質感、硬さや柔らかさ、演者のパフォーマンスから感じられる世界。そして演者の魅力を最大限に表現したい。
会場の雰囲気や特徴、集まった観客が放つテンションや喝采や歓喜、グルーヴ、熱気、暖かな喜び、笑い声、、、。
それらすべての空気感を、光と影、色と濃度に写らない空気を写したい。そう願ってシャッターを切ってきました。それは、今も続いています。

人の顔を常に動いている

人は、人の顔(特に表情)を動きの中で捉えています。普段意識しないですが、人の顔いつも動いていて、表情は常に変化しています。その動きを平均化して見るひとの印象を記憶しいています。
なので、一瞬を止めて記録するのでその人の印象とは違って見える場合があります。なるべくその人の印象を表現するために、歌い手さんなら、歌の内容や母音の口の形、曲の雰囲気、音の質感に注意を払います。
初見のアーティストの場合は、1曲目はなるべく撮らず曲を聴くことに集中します。1曲目はライブで演奏し慣れた曲を演奏する場合が多いようです。なので、そのアーティストの特徴やキャラクターをつかみやすい気がします。聞きながら撮影のイメージを膨らますことも出来ます。

シャッターでリズムを撮る

良いライブ好きなアーティスト、好きな曲に包まれてシャッターを切るのはとても幸せな行為です。
音楽の世界観を感じ、音を通じて見える景色・サウンドスケープにできる限り近い世界観を写真で表現したい。片眼でファインダーをもう一方の目で実像を見つめ、全体と被写体を同時に観察する。リズムに合わせてシャッターを切る。音楽に昂揚し、テンションが上がるほどにシャッターの刻むリズムの速くなっていきます。

色と濃度で音を描きたい

「『空気』を撮りたい」「色と濃度に写らない空気を写したい」と、書きましたが、確かに空気は写らないけど、音やその場の空気感には、特に音楽には、温かさや冷たさ、硬さや柔らかさ、乾きや湿り気、滑らかさやザラつきなど、様々な質感があるように感じます。それは、演者である人にも感じます。
そんな、わたしが受け取った感覚、質感を写真で表現したいと思っています。

サスティーンは我慢

曲が終わって、最後の余韻が会場に響く「サスティーン」がなっている間は、とても素敵な瞬間で、演者もスゴく良い表情をすることが多いと感じています。とっても撮りたい瞬間。
でも、そこでシャッター音やミラー音が盛大に響き、「サスティーン」をかき消してしまったら台無しです。
我慢です。特にアコースティック、アンプラグドの生音のライブでは一番素敵な瞬間だからこそ我慢です。


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