見出し画像

「カジノロワイヤル」007シリーズの本道からはずれたカルト映画

いやあ、イアン・フレミングの原作を、まったく無視した、異色の「ジェームズボンド映画」、それが「カジノロワイヤル」(1967年版)です。

画像2

監督だけで6人もいます。狂っています、もちろんいい意味で。笑

監督名を列挙すると、ジョン・ヒューストン、ケン・ヒューズ、ロバート・パリッシュ、ジョセフ・マクグラス、ヴァル・ゲスト、リチャード・タルマッジ(クレジット無し)。

画像1

画像3

う~ん、すごいなあ。マイナーな監督も多くて、ググッても写真がみつからないですぅ。

・・・

脚本陣が、これまた、スゴイ!

ウォルフ・マンキウィッツ、ジョン・ロウ、マイケル・セイヤーズ。

脚色および追加台詞(クレジット無し)に、、ヴァル・ゲスト、ベン・ヘクト、ジョゼフ・ヘラー、テリー・サザーン、ビリー・ワイルダー、ピーター・セラーズ。

う~ん、この面子で、よく一本の映画にまとまったなぁ、と感心していまします。

画像6

ウディ・アレン

画像8

ビリー・ワイルダー

画像7

テリー・サザーン

テリー・サザーンというと「カルト映画」の脚本を多く書いていますね。「博士の異常な愛情」「マジック・クリスチャン」「イージーライダー」「 ラブド・ワン」「バーバレラ」「コレクター」等々。いやぁ、変な映画ばっかりですね。サイコパスなんじゃないかな?などと邪推してしまいます。

・・・

画像4

昔観た時はあまりにスラップスティックで意味不明な展開に面白さをそこまで感じなかったけど、あら面白いじゃないですかwww ああもうバート・バカラック最高。バート・バカラックのテーマ曲が最高にカッコイイ。ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスが演奏しているのですが、いやぁ、よろしいなぁ。一度、聴いてみてください。こころ、ウキウキですよ。

画像9

音楽についていえば、ダスティー・スプリングフィールドの「恋の面影」も、グッとくる名曲です。


デヴィッド・ニーブンの引退した007が紳士でシュッとしててイギリス人ぽいディスりがヤダもうステキがすぎます!

バート・バカラックの音楽、マンホール開けたら「何かいいことないか子猫ちゃん」の曲が流れてきて、オオオっとなりましたよ!新発見でした!

・・・

ピーター・ セラーズとオーソン・ウェルズの撮影上の困ったエピソードもあってシーンが全く繋がらないところもあったり場外乱闘も甚だしく本当にしっちゃかめっちゃか。

画像5

・・・

イアン・フレミングの原作を巡り吸った揉んだの後、コメディ大作として公開が決まったのはいいけれど、主演の007役のピーターセラーズのオーソン・ウェルズや制作陣に対する自身の映画の役回りへの病的な猜疑心のせいで、ほぼ自主的な途中降板となり、主役がよーわからん後半のストーリー展開はなかなか今観てもシュールで飛んだ内容になっている😝

主演はピーターセラーズの筈なのに、デビット・ニーブンが007としてほぼ主役級として演技。そして共演者も豪華絢爛、オーソン・ウェルズ、ウッディ・アレン、デボラ・カー、ジャクリーン・ビセット、先日亡くなったジャンポール・ベルモンド😢その他書くのも面倒くさい俳優陣達、そして、ゴージャスで見事なセット!そこに60年代のおしゃれ番長の女優さんが多数配置、トドメはバート・バカラックのアカデミー歌曲賞にノミネートされた名主題歌「look of love」(apple music 他で聴けます🥰)他、ポップでjazzyな音楽が耳を癒す🎶
途中、秘密組織スメルスの秘密兵器や秘密基地が出てくるが、殆どサンダーバード!そのチープさがまた堪らない😃

「カジノロワイヤル」と言えば、ダニエル・クレイグとエヴァ・グリーン主演の名作だけど、こちらのロワイヤルも同じ役名で全然違う当時の名優が演技してます😆クレイグ版007のルシッフル役は北欧の名優マッツ・ミケルセンだけど、こちとらオーソンウェルズ!あくの強さは凄まじく胃がもたれます。変な魔術も使います😨 
そしてウッディ・アレン😆!意外な役回りでこれまた驚愕! 論より証拠、という事でもう一つの幻だった007、是非機会を見つけて観て欲しい一作と思う次第でございます。

・・・

途中で「UFO」が登場したり、真犯人のウディ・アレンが私怨だったり、もう、ハチャメチャなんですが、とにかくオモシロイ! おすすめのカルトムービーです。



この記事が参加している募集

映画感想文

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。私の記事はすべてが「無料」です。売り物になるような文章はまだまだ書けません。できれば「スキ」をポチッとしていただければ、うれしゅうございます。あなたの明日に幸せあれ。