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私の愛する「日本映画」「日本のアニメ」「テレビドラマ」。

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私のスキな日本映画、日本のアニメ、日本のテレビドラマをご紹介いたします。かなりマニアックです。
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#映画感想文

和歌山カレー事件・ドキュメンタリー映画『マミー』続報 特報予告編公開

 和歌山カレー事件をテーマにした初のドキュメンタリー映画『マミー』の特報映像が14日、公開された。2人の男性が話す声、カチカチと刻まれる時計の音・・・。刻一刻と緊張感が増す中、「保険金詐欺」「大量のお金」「ヒ素」「楽勝」と気になるワードが登場。事件発生当時の林眞須美さんの懐かしい姿も短いながら映っており、見る人の心を引き込ませる要素が詰まった約40秒となっている。  情報解禁時の第一報についてはこちらをご参照願いたい。  ※確定死刑囚として大阪拘置所に収監中だが、一貫して

【映画】🕶高倉健主演版「ゴルゴ13」を鑑賞する。千葉真一版では出せない重厚感。

高倉といえば、無口で、ストイックで、実直というイメージが強く、 私生活でもそのイメージを壊さぬよう"真の映画スター"としての生き方を貫いた映画人で、 そんな高倉の存在感を堪能できる作品が映画「ゴルゴ13」(1973年)だろう。 「高倉といえば任侠もの」というご意見もあるだろうが、今回はあえてこの作品を推したい。 なぜなら、彼の輝かしい経歴の中でも貴重な芝居が観られる作品だからだ。 同作品は、言わずと知れたさいとうたかをによる同名漫画を初めて実写化したもので、「ゴルゴ13

【感想】映画『ミッシング』

先日『ミッシング』という映画を見に行き、本作を鑑賞した時、私の中の石原さとみさんという一人の役者さんにおけるイメージ像の全てが一変されるほどの演技力に圧倒されたことを記憶しました。 『ミッシング』という作品の物語は、愛する娘の美羽ちゃんという小さな女の子の失踪によって、母の沙織里はネットでの誹謗中傷や世間の憶測による言動によって、極限まで精神が追い詰められていきながら、夫との温度差やテレビ局側の視聴率獲得を目的とした意識、弟に向けられた疑いの眼差しなど、暗闇から光が照らし出さ

【映画感想文】観了『余命10年』(ネタバレあり)

ありきたりな設定だと感じていました。 難病モノの恋愛作品は、どれもどこか似ていて、お涙頂戴を目的とした美談化された印象が強いものが多いと感じていました。 美談化された話はどこか創り手の意図が透けて見えるようで、時には嫌な感情を抱くこともあります。 しかし、この作品にはそのいやらしさがありませんでした。 ✄- – – – – – ネタバレあり – – – – – ✄ 難病を演じる時、その人物を主人公にする時、通常はその人をまっさらで純真な人物に描きがちです。しかし、生

アナログ派の愉しみ/映画◎山中貞雄 監督『丹下左膳余話 百万両の壺』

ずぼらな剣豪が演じる 稀有なホームコメディが照らしだすのは 春風駘蕩の趣と言ったらいいのか。柔らかなぬくもりが全身を通りすぎていくような、こんな映画をわたしはほかに知らない。きっと、どんなにこわばった心も和ませてしまうだろう。 日本映画史において天才・秀才・鬼才を愛されてきた監督は数多いが、いまだにその死が惜しまれている監督となれば山中貞雄に止めを刺すに違いない。1909年(明治42年)京都生まれ、17歳でサイレント時代の映画界に飛び込み、トーキー時代へと移りゆく転換期に

アナログ派の愉しみ/映画◎小林正樹 監督『東京裁判』

大川周明が東條英機の 禿げ頭をひっぱたいたワケ 息つく間もない、とはこうした映画を指して言うのだろう。小林正樹監督のドキュメンタリー『東京裁判』(1983年)だ。わたしが今度鑑賞したのは3回目となるが、40年前に初めて観たときと変わらず、しばしば呼吸するのも忘れて咳き込んでしまった。満州事変から支那事変、太平洋戦争まで17年8カ月におよぶ日本の戦争行為が裁かれた東京裁判(極東国際軍事裁判)の全容を、当時の記録映像にもとづき再現したこの作品は、後世のわれわれにとってまさに国宝

映画『怪物』ー普通ってなんだよー

「普通ってなんだよ」と言う歌を思い出した。最近のロックは大人しい。優しい言葉で、柔らかい音で、世界の片隅に追いやられた人たちの気持ちを包もうとしている。 私のいつも出会う人たちは、自分の殻に閉じこもるか、わからないように隠れるか、逃げるかしている人が多い。多くの人の目に触れることを好まない人も多い。 そんな彼、彼女らは昔のロックのように、今ある世界に対してNOを突きつけ、戦いの狼煙を上げる音楽は余計に居心地が悪くなるかもしれない。 そうそう、「普通ってなんだよ」って話だ

尼崎が舞台の映画あまろっく観てきました。

今回は毛色を変えて尼崎を舞台にした映画の話題について 先日見てきたのは高岡食品工業がある尼崎が舞台の映画あまろっく 映画『あまろっく』公式サイト (happinet-phantom.com) ネタバレなしで映画の感想をまとめます。広報の中の人は大阪堺出身の大阪育ち。 尼崎には縁遠いので尼崎入門ということでの鑑賞。 代表的なロケ地が尼崎城、中央公園、三和本通商店街、都ホテル 尼崎初心者の私でも知ってる場所が出てくるので、尼崎市民はかなり楽しめる映画。 高岡食品工業

アナログ派の愉しみ/映画◎上西雄大 監督・主演『ひとくず』

子どもの虐待への 新たな視角がそこに 鉛を呑んだよう、と形容すればいいのだろうか。子どもの虐待を伝えるニュースに接するたび、胃袋のあたりが痺れたような感覚に襲われる。圧倒的に非力な存在に向かって暴力をふるうとは最も卑劣な犯罪ではないか。しかも、そこにある種の快感を味わっているらしいと想像するにつけ吐き気さえ催すのだ。したがって、これまで児童虐待をテーマにした映画も遠ざけてきたところ、レンタルショップで『ひとくず』(2020年)を借り出したのは、監督・主演の上西雄大には実際に

みんな違って、みんないい

売れっ子作家原作ほど、映画から観てしまうやろ 東野圭吾先生、まだしっかりと作品を読み込んだことがない。僕は読書モグリです。ミステリーモグリです。というのも、東野圭吾が売れすぎだからだと思うのだ。この作品、読もう読もうと思っていたけれど、映画の方で先に観てしまった。 基本的に、映画→小説(原作)の流れの方が、改編にも許容度おおきく穏やかに見守れる。そんなことない?小説(原作)→映画の流れだと、アレが違う、この設定踏襲して欲しい、主人公顔違う、若い、歳いってる、この人嫌い、み

『本当にやる気になれば物事は進む』

【生きる LIVING】 黒澤明監督の「生きる」のリメイク映画です。日本版と比べると随分とオシャレな感じに仕上がってます(^^) 時代は1950年代のロンドンです。役所勤めで堅物なウィリアムズ(演:ビル・ナイ)は末期がんを宣告されます。余命は半年ばかりと言われ、お金をおろして、仕事を休んで遠出します。 残りの人生をどう過ごすかを考え、彼はロンドンに戻ります。今までは流れ作業のように取り組んでいた仕事でしたが、一つ一つに真摯に向き合い、人との接し方も変わっていきます。やがて

和歌山カレー事件・ドキュメンタリー映画『マミー 』情報解禁

 和歌山カレー事件をテーマにした初のドキュメンタリー映画が公開されることになった。配給会社から10日、発表・情報解禁された。タイトルは『マミー』。8月3日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラム、大阪の第七藝術劇場など全国で順次公開される予定。  「和歌山毒物カレー事件から26年目の挑戦」と銘打っているように、事件が公式的に映画化されるのは初めて。林眞須美さんの長男氏は「カレー事件の現在がしっかり描かれているこの作品を通じ、実状を広く知っていただきたいというのが本心だ。

【映画感想文】目覚めたまま見る夢のように「失われた30年」が可視化されていく - 『悪は存在しない』監督:濱口竜介

 濱口竜介監督の新作が公開されると聞き、先日、ル・シネマのHPでチケットを買った。舞台挨拶の回がギリギリ残っていた。これはラッキー。でも、上映開始は10:20〜。朝、早く起きるのは苦手なので、寝ぼけ眼で渋谷に行ってきた。  東映プラザにポスターが貼られていた。可愛いタッチ。ただ、どことなく不穏。キャッチコピーもなんだか意味深。観る前と観た後で同じようには生きていけない映画になっているんだろうなぁ。そんなことを思いながら、エレベーターの列に並んだ。  で、実際、その通りの映

Netflix おすすめ作品 4つ

Netflix会員以外置いてけぼりにはなる内容だけど。(一部他のサブスクでも観れるものもあり) 最近観た作品で特に良かったものを紹介。 すずめの戸締まり 前から気になっていた作品。 Netflixで配信開始されたので観てみた。 公開当時、賛否があった作品というイメージがついていた。なのであまり期待しないようにしていた。 視聴してみて、とても良かった。話の展開も面白かったし、ロードムービーちっくな感じも良かった。さすが新海誠作品、色んな風景がリアルで凄くきれいな映像だった