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今日は会社休みます、とかこわくて言えなかった


当時勤めていた会社のルール、「休みの場合は、電話で連絡すること」。

わたし、電話がすっごく苦手なんだよね。かけるのも受けるのも苦手。やたら緊張するし、気にしすぎしちゃう。

だからね、このルールはすごくイヤだった。



急な体調不良って、どうしたってあるじゃん。いざ電話したら「あ〜・・・わかりました・・・」みたいな、「困るけどしょうがないか」的な雰囲気が声のニュアンスで伝わるんだよね。

それを感じること自体がストレスで、家で休んでいてもそのことばかり思い出しちゃって。


だれかになにか言われてるんだろうな。わたしの代わりに〇〇さんがあの業務を担当してるのかも。明日出勤したらみんなに謝らなきゃ。今日の代わりに次の連休をなくしたほうがよさそう。

そんなことを考えてると、脳が全然休まらないわけで。この感覚がイヤすぎて、感染しない系の体調不良は、少しムリをしてでも出勤するようになった。


そしてそれは、わたしだけじゃなく他の社員もそうで。あきらかにしんどそうなのに、みんな毎日会社に来る。

もちろん、だれもが私用で休みまくったら会社がまわらないのはわかるけど。でも体調より優先するべきことなんて、本当はないはずなのにね。

気負うことなく「今日は会社休みます」って言える人、どれくらい居るんだろう。




ときは流れて数年後、いまはフリーランスとして生きている。

通う会社がないので、だれかに連絡をする必要がなくなった。朝起きて「あ〜今日ムリかも」って日は、自分で仕事を調整する。

もちろんクライアントさんには迷惑をかけないよう、最低限のことはやっておく。ベッドの上にパソコンを持ち込んだりしてね。


あの憂鬱な電話をしなくてよくなったこと、わたしにとってはすごく嬉しい出来事だ。

そのぶん、遅れた仕事は自分で取り戻さなきゃいけないんだけど。ある程度の自由が許されるからこそ、できるときにできることをやっておく必要がある。


それでもやっぱり、いまの生活が好き。ゴキゲンに働いていたいから、体調をなによりも優先したい。

そしてできることなら、なるべく電話に関わらない人生を送りたいです。正直、苦手は克服するより、避けて生きていきたい。


またね。


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