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【読書感想文】小説『非色』(有吉佐和子)と戦争花嫁/war bride.

ライター学校で「差別」をテーマにした授業があって、そこで先生が勧めてくれました。良書。


昨年2020年はBlack Lives Matterが大きな話題に。ちょうどいいタイミングでなんとか読破できました。

この本は「黒人アメリカ人男性と結婚した日本人女性の物語」で、舞台は太平洋戦争後の世界。今読んでも決して”色褪せない”(=今でも十分にある)「差別」の現場にハラハラさせられながらも、戦争花嫁(war bride)であり戦後の滅茶苦茶だった世界を逞しく生きる日本人女性達のはつらつとした姿に時に笑わせてもらえ、決して暗い気持ちにさせない良著。


約400ページ。久々にしっかりと小説を読めて幸せ。


作者の有吉佐和子さん。調べたら昭和59年に亡くなってはりました。僕の生まれ年でした。

亡くなった人の本を今でも読めるなんて本当に本って素晴らしい!!


===余談

僕も「黒人アメリカ人(元米兵)」と付き合っていたのでそんなことも又、思い出しました。


厳密には彼はafrican(アフリカ系)ではなくcaribian(カリブ系)だったのでblackというよりbrown。まぁでも日本人にとってはそんなことはどうでもいいこと。彼が数年前東京に住んでいた時の話をしてくれ、「僕が地下鉄に乗っても誰も左右には座らなかった。どんなに混んでいて立っている人がいたとしてもだ」と。

そんなもんだろうと思う。僕は彼に「そんなf*ckin Jap.ども、ほっとけ」と言い放ち彼も度肝を抜かれてた。どこからが差別でどこからが雑談なのかわからない。笑


出生地も肌の色も言語も血統も、僕にとってはなんでもいいけど、その人がどんな人生を歩んできたのかは気になってがしょうがない。どう足掻いたって僕は『日本で差別を受けるカリブ系アメリカ人男性(元アフガニスタン兵士)』にはなれない。だからこそ彼からそれを想像したかった。


結局その彼とは短命に終わってしまったけどそれでも楽しかった。


ウジウジとする彼に

「過去は過去。変人はどこにでもいる。忘れろ。あんたが黒でも茶色でもなんでもいい。わたしゃ分類するなら黄色だ。そんなことより酒飲み行くぞ。(英訳:Let's go for Super Dry)

と言っていたあの頃が懐かしい。


そうか――戦後70年以上経っても戦争花嫁(war bride)ってまだいるのね。

I was just like that.

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