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【祝】自転車がつぶれそう!

なんと!自転車がつぶれることに!

人世初のことに、感動を覚えておる!そしてこのフクザツな思い。

※「つぶれる」とは関西では「壊れる」という意味。でもここでは、「天寿を全うする」と訳した方が正しいかもしれない。

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五年前にドイツから”一時帰国”した際、友人から譲り受けたチャリ。「俺のはあるから、またどっか海外移住するまでしばらく”貸して”あげるよ」と。その後、私の実効支配が続き、その友人も京都を離れてしまった。海外熱より京の根っこが伸びた。一応友人にどうするか相談したら「あーもう忘れてた(笑)そもそもその色欲しがる人なんかなかなかおらんやろ。あげる!」とみごと借りパクに成功。

京都盆地を駆け回るにはちょうどいいロードバイク。地下鉄にもバスにも乗らなくていいから、終電も始発も気にせず遊べる自由の翼。

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左右のブレーキと変速がまた調子悪くなり修理に行った。4000円ほどかかった。

サドルもボロボロ。タイヤもなんだか擦り減ってきた。今度まとまったお金が入ったら一気に”リフォーム”してやろうかと「全部やったらどれくらいかかりますかね」と自転車屋のお父さんに聞いてみた。

——もちろんできますけど、新車と変わらない値段になるかもしれません。ほ、ホイールも実はちょっと歪んでるんです。そろそろ寿命かもしれません。あとは愛着の問題ですよね...


!?


人生を振り返る。

自転車をつぶしたことなんて、なかったかもしれない・・・


【自転車との別れTOP3】※個人調べ

🔳1位:盗まれる
🔳2位:引っ越しで処分する
🔳3位:身長が伸びたのでちっちゃい子にあげる ※子供期限定


百均で買った菜箸が燃えても「あーあ」で終わる。家電を長年使ってもそう簡単にはつぶれない。炊飯器も、冷蔵庫も。


よく使ってたリュックに、この感覚近いか?

買い替えが楽しみな反面、「このなんでもない色、サイズ感、このポッケの位置が気に入ってたんだけどな…」とクタクタになり穴の開いてしまったリュックをみつめてしまう。


結局、同じようなものを探すが、すべては似て非なるもの。思い切って全く同じものを探すが、ノーブランドだったりするとどう探したらいいかもわからない。ちなみにリュックは七年以上使った。僕の世界一周にも同行した。寂しかった。

それでもいろんな気持ちと一緒にほかした。


「つぶれるまで乗りまくれたなんてすごい!嬉しい!そのうち買い替えよう!」と浮かれながらルンルンで帰ったが、一晩経って、朝。急に寂しくなった。うち(町屋)の土間に佇むその子を見て。

ネットで同じ型を探したが『販売終了』の文字。2010年デビューだったらしい。別にピンクが大好きなわけではないのに「クロスバイク ピンク」で探したが、この世に同じ色なんてない。


まだ結論は出ていない。いつかポックリ逝ってしまうかもしれない。


それでもブレーキは完全復活。六段変速も抜群に気持ちいい。

もう少しつぶれず付き合ってほしい。


あーあ。情が深くなっちゃった。

クスっと笑えたら100円!(笑)そんなおみくじみたいな言霊を発信していけたらと思っています。サポートいつでもお待ちしております。