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繋がっていると感じること【Slow Post vol.003】

本や映像・Podcastなど日々触れるおもしろい物事に、デザイナーとしての目線で解釈を書いていきます。ゆっくりした、健全なアイデアや視点をお届けできたら嬉しいです。
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今週は
・Katie PatersonさんのTEDトーク
・世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 
・久石譲指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会
の話。「繋がっていると感じること」としました。

地球サイズのことを自分サイズで感じること

The mind-bending art of deep time / Katie Paterson / TED


芸術家のKatie PatersonさんのTEDトーク。溶ける氷河の音が流れる電話、さまざまな化石の玉が年代順につながれた「化石のネックレス」、100年かけて出来上がる図書館「future library」など映像内で紹介されている作品は地球規模のサイズ感で起きていることが、自分のリアルな感覚として感じられる面白い作品ばかりでした。活動の根幹になっている考え方を「deep time=
何億年にもわたる 地球の歴史」として紹介しています。このdeep timeを感じることで、「海や空や大地や空気と同じ物質からできていて共存している」ことを僕たちは感覚として理解できる。
気候危機に関するコンテンツに触れることが多い最近ですが、リアルな感覚としてそうした危機感を感じるのは、実際難しいなぁと思います。レジ袋が有料化されてプラスチックについて考える機会は増えたけど、買ったものはサステナブルに作られてるのかな?どこをどう運ばれてきたのだろ?とは普段なかなか考えられません。デザイン界隈で言うと、ヒューマンセンタード・デザインはもう時代遅れで、今後はプラネットセンタード・デザインだと聞いたこともあります。
地球規模で起きていることを実感を持って感じるのはなかなか難しいことですが、Katie Patersonさんの作品にはそういう難しさを軽々と飛び越える鮮やかさがあります。僕はそれができるのがアートやデザインのパワーだと信じているし、自分でもこういう活動ができたらいいなぁと思いました。

The mind-bending art of deep time / Katie Paterson / TED
https://www.ted.com/talks/katie_paterson_the_mind_bending_art_of_deep_time



心地いい贈与の流れに入る方法

世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学


なんでもない話ですが僕には親がいます。僕はあまりできの言い方ではないし、どちらかといえばボーッと生きていますが(昔ランドセルごと忘れて帰ったことがあって、よく笑い話にされました)、なんとか生きていけるように育ててもらいました。恥ずかしながら、最近になって徐々にこれは明らかに贈与だと言うことに気づいてきました。そして多分何かしらの形で社会にこの贈与を返していきます。
贈与の流れに入っていくというのはとても幸せなことですが、僕らはきっと思っている以上に無自覚な贈与を受けているんでしょう。被贈与にもっと気づいたら、もっと心地いい社会になっていく。だとすればその気づきを与える体験をデザインすることで、もっと幸せな社会にできるかなぁと思いました。
ちょっと別の話ですが、最近贈り物をしてとても幸せだなぁと感じた経験がありました。この本の中で「贈る側の方が喜びが大きい場合があるのはなぜか?」ということに触れられています。贈与は交換と違って継続的な関係性を前提としています。それは自覚・無自覚に関わらず何か渡されれば、返礼を返さなくては、となるからです。だからこそ、関係性をそんなに望んでないけど、形式上贈り物をしないといけないような場合、受け取ることも贈ることも億劫だったりします。贈る側の喜びには、関係性を受け入れてもらえる喜びが含まれているというのも、ものすごい発見でした。

世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学
近内 悠太
https://publishing.newspicks.com/books/9784910063058



音楽でつながる感覚

久石譲指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会


友人に誘われて、久しぶりにホールで音楽を聴くという体験をしてきました。同じレベルで語れませんが、学生時代吹奏楽をやっていてチューバを吹いていました。振り返るとそんなに真面目にやっていないですし(最近吹奏楽のこと実はよく知らないと自覚しています)何がそんなに面白かったのかなぁ?と疑問になってきました。たぶん1人で練習するのはそんなに好きじゃなかったし、合奏が良かったんだろうと思います。バンドでの演奏は当然自分の演奏に意識がいっていますが、同時に周りの演奏にも意識が入っています。パーツと全体両方にピントがあったような不思議な感覚。自分の体を動かしながら、それを超えた流れの中にいる感覚。これはすごく気持ちよかったような気がします。久しぶりにホールでオーケストラの演奏を聴いて、そんなことを思い出しました。

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