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違法の冷蔵庫【短編】

「はい、はい。ちょっとたてこんでいまして。納期は少し遅れる見込みです。、、、わかりましたよ。できるだけ、ご期待に添うように手配します。何分、人手不足で。」

男は、電話を切った。

そして、巨大な冷蔵庫を開けた。

「どれだったかな。これは違うな。これも違う。手前の方に置いたかな。いや、違うな。もっと右側だったかな。左だったかな。、、、これは凍らせたばかりのやつだ。」

ここは、悪の秘密結社のアジト。悪人を多数冷凍保存しているのだ。悪の秘密結社の大幹部は、冷蔵庫を覗きながら言った。

「詐欺、詐欺、窃盗、殺人、窃盗、殺人、不法侵入、万引き、脅迫、銀行強盗、、、、」

「ああ、あった、あった。注文の『放火魔』。最近ではなかなかレアだからな。解凍すれば、悪人が世に放たれるってわけだ。」

そう言って、解凍を始めた。

「これで、警察も消防も安泰だ。次の注文は、正義のヒーローからだったな」

そう言って、『大怪獣』を探し始めた。


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