✳︎堕天使 ニース✳︎(1)

✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎1ページ✳︎

✳︎可愛い堕天使と少年の切なくて優しさ溢れるストーリー。読み聞かせとしては、少し長いお話ですが、どうなるのだろうと、一緒に探究心を持って物語の世界に入って頂きながら、お子様へ読み聞かせして頂けると嬉しいです✳︎
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ー天界からの追放ー

神様に見放されたいたずら天使、
　小さな町に降りてきて堕天使に…。

何度神様に注意されても、
いたずら癖がとれない堕天使くん
天界から追放され、
とうとう一人ぽっちになってしまったのです。

本当はさみしがりやで、一人はきらい…。

だから、いつも楽しい事をしていただけなのに
なぜか他の天使と仲良く遊べなかったのです。

そう…。遊び方が…、
天使なのに乱暴だったのです。

だけど、心は純粋な堕天使くん。
地上に追放されて…、さぁ…。
どうなっていくのでしょう。

ひとりぼっちの堕天使くん、
舞い降りた地上の街の中を、
 ふわふわ、ぶらぶらと飛んでいると、にぎやかな声が聞こえてきた。

(えっ、ここにも天使達がいるのか…)
声のする方に急いで飛んでいった堕天使が見たものは…

色とりどりの衣をまとった
羽のない天使達が
賑やかに走りまわって遊んでいる光景だった。

小さいのから、でっかいの…　
それは、まさしく地上に住む人間の子供だった。

話で聞いた事はあったが、
　人間の子供を見たのは初めて…。
堕天使は宙に浮いたまま、人間の子供を観察していた。

捕まえた虫に紐をつけて飛ばして遊んでいるやつ、
泥で何かを作っていた三人、どいつかのせいで、作っていた物が壊れてしまったのだろう。
泥だらけになってケンカをしているやつら…。

面白いぞ！　
　天界ではありえない遊びだな。　
　　　楽しそうだな…。
楽しそうに遊んでいる人間の子供の投げたボール、
そのボールの転がった先を目で追っていくと、公園のすみに目がいった。

　（なんだ？あいつ…。）
公園のすみで、一人で砂に絵を描いている男の子を見つけた。

堕天使は、何とも暗いオーラが漂って見えるその男の子が気になった。
気にはなったが、人間の子供は、ひどくいたずら者だと聞いていたので、見えないはずだが近寄るのはやっぱり怖かった。

だけど…。
みんな楽しそうにしている。
目を輝かせて笑って、 大きな声で話をして、 ぴょんぴょんはね回って…、

なのに…。
あの子はぜんぜん楽しそうじゃない。

その男の子の事が気になりながらも、 楽しそうに遊ぶ公園の子供たちを眺めていると、大きな人間がみんなに声をかけた。

「さぁ、手を洗って中に入りなさい。」

声をかけられた人間の子供たちは、競うように走って建物の中に入っていった。

なのに…。
気になるその子は一人ゆっくりと立ち上がると、物静かに歩いて建物の中に入っていった。

（何だか、こいつ、暗いな）
そう思いながら、その男の子のあとを追って中に入り、みんなの集まっている大部屋のすみから、また子供たちを眺めていた。
子供たちは向き合ってテーブルに着くと、用意されていたおやつを食べ始めた。

お喋りしながら食べている子。
となりに座っている子と、ふざけながら食べている子。
どの子も楽しそうにしていて笑顔がたえないのに…。

やっぱり、一人だけ淋しそうにしている青白い顔の男の子の姿が目に入って来る。

大きな人間もその様子に気が付いたのか、その男の子のところに行って声をかけた。
何を話しているのかは聞こえなかったが、その男の子は首を横に振りまた下を向いた。

(1ページ)
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✳︎ここまでお読み頂きありがとうございます✳︎
堕天使ニースは、2014年頃に執筆をしたものです＾＾。
noteで読みやすいように、少しづつ校正を加えながら、
アップしていこうと思っています。

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✳︎気に入って頂け、続きもお楽しみ頂けると励みになります＾＾✳︎
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