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【1時間でわかる】BtoBセールスの教科書

このnoteでは、「BtoBセールス」に関する体系を教科書のようにまとめたいと思います。

弊社QuickWorkは10,000社以上のBtoB営業支援実績・顧客満足度No.1を誇るSaaS「SalesNow」を提供する会社です。SalesNowはリリースからわずか数年で、BtoBセールスやマーケティング関連のメディアなど、150を超えるメディア掲載をいただき、営業支援領域で「使いやすさNo.1」「顧客満足度No.1」を獲得しました。
大企業からスタートアップまで、多種多様な業界のBtoBセールス支援をする中で蓄積したノウハウをもとに、BtoBセールスに携わるすべてのビジネスパーソンに向けて、QuickWork社の総力を持って本noteを作成しました。

このnoteを読めば、BtoBセールスの全体像を体系立てて頭に入れることができる思います。テレアポ, トークスクリプト, 商談といった細かい各論よりも、まず初めに全体像を頭に入れることに大きな価値があります。特に、BtoBセールス全体感を掴むために、図解として図を入れることでわかりやすさを担保しています。

想定読者としては、下記になります。

・これからBtoBセールスに関わる方
・BtoBセールスのビジネスに関わっているエンジニアや関係者の方
・BtoBセールスを担当されているマネージャーや営業マン
・BtoBセールスに漠然とした課題を感じている方

読んだ方の日々のBtoBセールス業務に、少しでも良い変化が生まれることを願っています。

それでは始めましょう!


0. なぜいまセールスなのか

セールスは各企業大きな課題を感じている領域です。会社倒産の原因や経営課題としてセールスを上げる経営者が7割以上です。多くの企業がセールスに課題を感じています。そこで注目されているのが、セールスイネーブルメントです。

BtoBセールスで今注目のセールスイネーブルメントとは

セールスイネーブルメントとは、営業活動において継続的に成果を挙げていくことを目的とした営業組織の強化・改善のための総括的な取り組みです。様々な営業活動(営業担当者の教育・研修、営業ツールの開発、営業プロセスの設計・管理など)を、組織として強化・改善します。昨今ではセールスイメーブルメントのために、セールステックの活用が注目を集めています。後ほど具体的なツールも合わせてご紹介するので、ぜひご確認ください。

セールスイネーブルメントの市場規模

今注目のセールスイネーブルメントの市場規模は世界でも日本でも伸び続けている注目の領域となっています。

世界市場規模
2020年に17億米ドルと推定されるSales Enablement Platformの世界市場は、2020年から2027年の間に21.3%のCAGRで成長し、2027年には64億米ドルの規模に修正されると予測されています。
※Research and Markets社レポート (2022)

日本市場規模
2017年に14億円と推定されるSales Enablement Platformの日本市場は、CAGR(2017~2022年度)17.2%と高い伸びで、2022年には31億円になる予測です。

1. セールス全体像

まずは、上記の図から「セールス全体像」を掴んでいただければ幸いです。BtoBセールスの大きな流れとして、「リード獲得」「商談化」「契約獲得」「顧客フォロー」の4つのフェーズがあります。その上で各部署(マーケティング, IS(SDR), IS(BDR), フィールドセールス, カスタマーサクセス)がフェーズに合わせて対応を進めます。パートナーセールスは全体を通して関わっており、全体管理としてリソースとパフォーマンスのマネジメントが入ります。

各パート順に解説できればと思います。

2. マーケティング

マーケティングには広義のマーケティングと狭義のマーケティングが存在します。

広義のマーケティング
「リード・商談を作るまで」だけでなく、商談前のリードから、商談中の見込み客、購入後まで、あらゆる顧客ステージにおけるコミュニケーションを統括する

狭義のマーケティング
受注につながるリード・商談を獲得する

広義のマーケティングはセールスオペレーション全体を含むという背景から、この章では主に「狭義のマーケティング」について解説します。マーケティングの立ち位置の把握から、ステージ設計やKPI / 評価指標、実務、生産性改善のツールについてご確認いただけますと幸いです。


ステージ設計

まずはマーケティングの立ち位置についてです。マーケティングでは、ただリードを獲得するだけでなく、リサイクルまでステージに組み込むことも含めて、フローを設計する必要があります。

リードジェネレーションとリードナーチャリング

上記のステージ設計の通り、マーケティングの中には、大きくリードジェネレーション(リード獲得)とリードナーチャリング(リード育成)の2つがあります。

マーケティングにおけるKPI

経路別 / 期間別で目標と実績の差分を詳細に把握できる体制を整えましょう。追いかけるべきKPIは下記になります。

マーケティングの実務

注力すべき4つのポイントをまとめています。

①チャネルを広げる
デジタル化によりマーケティング手法の多様化が加速しています。限られたマーケティングチャネルに限定するのではなくより効率良くリード/商談/受注獲得が見込める経路がないか常に模索する姿勢を持ちましょう。

②リードナーチャリングを強化する
貴重な資源を活用して獲得したリードを受注に繋げるため、ナーチャリングを強化しましょう。「いつどの顧客にどんなコミュニケーションを取るか」を全体設計し、ナーチャリングを進めましょう。

③経路毎の費用対効果をモニタリング
競合の出稿状況や社会情勢によってチャネル毎の獲得効率が大きく変わります。経路毎の費用対効果を常にモニタリングすることで投資対効果の低いチャネルに投資して全体の獲得効率が下がることを阻止できます。

④オウンドメディアを立ち上げる
難易度は高いですが、やり切れたら強力なリード獲得ソースとなります。販売したい商材と親和性の高い自社のメディアを立ち上げ、自然に流入が獲得できる状態を作りましょう。立ち上げから成果が出るまで1 ~ 3年程度はかかるため早めに注力しておくことをおすすめします。

リードジェネレーション(リード獲得)チャネル

リード獲得チャネルは大きく5つに大別されます。自社にあったチャネルを見つけていきましょう。

BtoBセールスで活用できる広告媒体例

BtoBセールスにおける広告経路についてです。さまざまな経路があり、サービスやターゲットによって活用すべき媒体は変わってきます。どの経路を活用すべきか自社のサービスに合った経路を試行錯誤していきましょう。

生産性改善ツール

マーケティングにおける生産性改善ツールのご紹介です。導入していないものがあればぜひご検討ください。

タスク自動化ツール
異なるアプリやwebサービスを連携してタスクを自動化できます。

MAツール
MAを導入し、来訪から契約・継続までの全フェーズのモニタリング体制を整えましょう。

仕組み化の4事例

マーケティングにおける仕組み化の事例を記載します。まだ自社でできていないものなどあればぜひご参考にしてください。

①問い合わせ内容をチャットツール(slackなど)へ自動通知
LPへの問い合わせ発生と同時に、slackなどに問い合わせ内容を自動通知。ISにてslack通知を確認し、5分以内架電を実施。

②商談自動調整カレンダーをLPに表示
商談自動調整カレンダーをLPに表示し、商談希望のユーザーに自ら商談を設定。日程調整の工数を削減。

③SFA(salesforceなど)へ自動レコード作成
問い合わせと同時にSFA(salesforceなど)へ自動レコード作成。合わせてISの架電ログを記載。

④資料 / デモアカウント自動メール送付
問い合わせと同時にユーザーに資料やデモアカウントを記載したメールを自動送付。メール送付の工数を削減。


広義のマーケティング含めてより深く知りたい際は、下記のnoteが非常におすすめです。


3. インサイドセールス(SDR)

インサイドセールス(SDR)とは

リード(問い合わせ)から確度の高い商談をトスアップすることがミッションです。

ステージ設計

インサイドセールス(SDR)をさらに分解して理解しましょう。「リード」の中でステージを分割し、各ステージに適した施策を検討できる体制を作りましょう。

KPI・評価指標

担当者別 / 期間別で目標と実績の差分を詳細に把握できる体制を整えましょう。

インサイドセールスの実務

注力すべき4つのポイントです。

①5分以内架電
5分以内架電は、10分以内架電と比べて400%以上、商談化率が高まるという研究結果も出ています。自動通知ツールなどを活用し、体制を整えましょう。

②リードスコアリングでフォローの優先度をつける
「行動スコア」「属性スコア」の2軸で顧客にスコアを付与しフォローの優先順位をつけましょう。
属性スコア:
企業規模、業種、役職などの属性情報によるスコアリング
行動スコア:
ウェブサイトへのアクセス、メールリンクのクリック、コンテンツダウンロード

③リードフォローのタイミング設定を自動化
無料トライアルから1週間後や、eブックダウンロードから3日後などフォロータイミングを自動設定することで業務効率が格段に上がります。

④リサイクルリードの定期的な掘り起こし
「将来検討可能性あるが、購入は今ではない」というリードは全体の65%と言われています。理由に合わせて適切なコンテンツを配信し時期に合わせて掘り起こす仕組みを作りましょう。


生産性改善ツール

インサイドセールス(SDR)における生産性改善ツールのご紹介です。

①自動日程調整ツール
メールなどでの日程調整は「無駄な作業」です。自動化しましょう。
日程調整後のリマインドメール自動送信や文面カスタマイズも可能です。
QuickWorkではyoucanbookmeを使っています。

②モニタリングツール
リード以降の数値も正確にモニタリングしましょう。
QuickWorkではスプレッドシートとSalesforceのレポート機能を連携し、3時間おきに自動更新される体制を整えています。

仕組み化の4事例

①チャットツール(slackなど)通知後、5分以内架電目標
LPへの問い合わせ発生と同時に、slackなどに問い合わせ内容を自動通知。ISにて通知を確認し、5分以内架電を実施。

②商談日程調整ツールでFSを自動割当
商談自動調整ツールで商談調整し、FSを自動割り当て。

③自動更新モニタリング
Google SheetsやBIツールで営業進捗数値を自動更新モニタリング。モニタリング体制は手動での更新ではなく自動化。

④SFA(Salesforceなど)でISからFSへ情報連携
Salesforceなどに記録を残し、ISからFSへユーザー情報を自動連携。


4. インサイドセールス(BDR)

インサイドセールス(BDR)とは

アウトバウンド手法で有効な商談を獲得することです。

SDRとBDRの違い

SDR
「反響型」で、マーケティング部門から引き継いだリードを商談化してフィールドセールスへ引き継ぐ
注意点としては、購買意欲が高いうちにスピード感重視で進める必要がある。営業プロセルの標準化や営業アクション管理が重要です。

BDR
「新規開拓型」で、自社がターゲットとする企業を洗い出し直接アプローチする
注意点としては、コールドコールが必要なため戦略的に進める必要がある自社のターゲット明確化(ABM)が重要です。

BDRで鍵となる「ABM」

ABM(Account Based Marketing)とは、優良な企業(=アカウント)を絞り込み、その企業に最適化されたマーケティング施策をする手法のことです。
日本企業520万社にアプローチするのでは非効率であり『自社にとっての優良企業』を見極める必要があります。

ABMに対しての企業の現状

ABMを必須と考えたり、投資を考えている企業が半数以上を占めています。

出典:The Rise of Account Based Marketing in B2B

KPI・評価指標

経路別 / 期間別で目標と実績の差分を詳細に把握できる体制を整えましょう。

インサイドセールス(BDR)の実務

注力すべき4つのポイントです。

①精度の高いリストを作る
鮮度の高い情報を元に自社のターゲットリストを作成することがBDRチームの生産性を高めます。情報鮮度が高い企業データベースサービスを活用して、自社の商材と親和性の高い企業にアプローチしましょう。

②架電実績を定量的に把握する
ICTを活用して顧客との架電実績を定量的に把握しましょう。KPIとして「顧客とセールスの会話比率」「架電時間」「声のトーン」等を把握して成果との相関を見つけ出し、成果の高いセールスのやり方を横展開することが重要です。

③キーマンに対してアプローチする
「企業」に対してアプローチするだけでは不十分です。「誰に」アプローチするのかまで決めた上でアタックしましょう。「どの企業に」ではなく「どの企業の誰に」アプローチすることで受付突破率の向上が見込めます。

④アプローチログを蓄積する
1回のアプローチで商談獲得ができることは稀です。決裁社名や契約検討可能時期などの情報をアプローチする度に蓄積して各企業について「ネクストアクション」「ネクストアクション期日」を設定することで、架電効率を高めることが可能です。

生産性改善ツール

営業リスト作成ツール
手動でのリスト作成よりも、効率的に、かつ商談獲得率の高まるリスト作成ができます。「自社に適した企業を絞り込めるか」が重要です。

CRM / SFAツール
アウトバウンドセールス(BDR)での営業管理はエクセルやスプレッドシートを用いて行われることが多く、データ蓄積/最新化により営業を効率化していく余地がまだまだあります。

仕組み化の4事例

①アプローチ情報の一元管理
アプローチ情報を一元管理することで「アプローチ効率」を高める。

②商談日程調整ツールでFSを自動割当
SDRチーム同様に、商談自動調整ツールで商談調整し、フィールドセールス担当者を自動割り当て。

③架電録音データの相互フィードバック
ICTで架電データを録音し、マネージャーだけでなくメンバー同士のフィードバック機会を作る。

④SFA(Salesforceなど)でISからFSへ情報連携
SFA(Salesforceなど)に記録を残し、ISからFSへユーザー情報を自動連携。架電音声データから自動でやり取りをテキスト化。


インサイドセールスについてより詳細に知りたい際は下記の本がおすすめです。


5. フィールドセールス

フィールドセールスとは

インサイドセールスからトスアップを受けた見込み顧客と商談を実施し受注に繋げることがミッションです。

ステージ設計

「商談」の中で、より細分化してフェーズ管理を実施し、パイプラインや売上予測の管理を行いましょう。

KPI・評価指標

担当者別 / 期間別で目標と実績の差分を詳細に把握できる体制を整えましょう。

フィールドセールスの実務

注力すべき4つのポイントです。

①受注予測の精度を高める
フィールドセールスチームの成果は会社の業績にダイレクトに響きます。結果がでるまで成果がわからない、と待つのではなく、ヨミ管理を実施して売上予測を立てられるようオペレーションを設計しましょう。

②顧客属性との相性で分業を進める
フィールドセールスは企業属性/担当者毎に得意不得意がはっきり分かれる分野です。会社規模/業界などの会社の属性情報に加えて、先方担当者の性別/年齢/役職、などの項目でフィールドセールスの担当者を決めましょう。

③期日とネクストアクションの決定
商談受注率を高めるために顧客と合意した上で「期日」「ネクストアクション」を定めましょう。誰がいつまでに何をするか、決まっている状態にすることで契約締結までスムーズに進めることが可能です。

④雑務を徹底的に排除
優れたセールスパーソンほど「単調な業務」「誰でもできる業務」を敬遠します。セールスとして自己成長につながる仕事、受注獲得の可能性が高まる仕事に注力できるようにするため、単調な業務はテックタッチ(自動化)で解決できるようにしましょう。

生産性改善ツール

フィールドセールスにおける生産性改善ツールのご紹介します。

①Web商談ツール
生産性の高いFS組織のために、訪問ではなくWeb商談をお勧めします。

②電子契約ツール
オンラインで完結する電子契約ツールです。


仕組み化の4事例

①カレンダー自動追加された商談対応
自動商談調整ツールでカレンダーに自動追加された商談に対応。無駄な作業が排除されていて、商談準備に注力。

②メールテンプレ化
ユーザーに合わせてメールテンプレを用意。属人性を排除し、メール作成工数を削減。

③商談録画しお互いフィードバック
商談は100%webで完結させ商談録画し、毎月メンバー同士のフィードバック機会を作る。

④オンラインでの契約完結
紙でのやりとりではなく、オンラインで契約完結できる体制を作り効率化に繋げる。

フィールドセールスについてより詳しく知りたい際には下記の本がおすすめです。


6. カスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは

顧客を成功へと導くことがミッションです。

ステージ設計

契約後をより細分化してフェーズ管理を実施し、顧客を成功に導きましょう。

ヘルスチェック

カスタマーサクセスでは「顧客状態」を把握することが重要です。利用状況のデータだけでなく、CSの「主観」も加味してヘルスチェックしましょう。

KPI・評価指標

担当者別 / 期間別で目標と実績の差分を詳細に把握できる体制を整えましょう

カスタマーサクセスの実務

注力すべき4つのポイントです。

①オンボーディングを徹底する
オンボーディングは「継続率」「アップセル/クロスセル」に大きく影響を及ぼします。商材に適した「オンボーディングの完了定義」を作り、チームでKPIを定めて追っていきましょう。

②コンテンツを充実させる
全てに対して人的工数を割くのではなく「テックタッチ」(自動)「ヒューマンタッチ」(人力)のどちらで対応するのか事前に定めましょう。Q&Aやサポートコンテンツを充実させることで顧客自信で自走してサービス利用できる状態を作りましょう。

③ヘルススコアを設計する
顧客の行動データを元に「ヘルススコア」を設計しましょう。ヘルススコアの実績から「継続可能性」「アップセル/クロスセル」可能性を定量的に把握できるようにし、どのスコアの顧客にどんなコミュニケーションを取るのかチームで設計しましょう。

④カスタマーサクセスを定義する
「カスタマーサクセス」= 顧客が成功している状態、を定義しましょう。何のためにCSチームがあるのか、を明確にすることでチームが1つの方角へ向いて迷わず進むことができます。

生産性改善ツール

カスタマーサクセスにおける生産性改善ツールのご紹介です。

①社内チャットツール
社内でのコミュニケーションは他サービスと連携豊富なチャットツールを使いましょう。

②社内ドキュメントツール
社内での情報共有のためのドキュメントツールです。言語化 / 可視化に役立ちます。

仕組み化の4事例

①Salesforceなど管理ツールでFSからCSへ情報連携
SalesforceなどでFSからCSへユーザー情報を連携し、スムーズな顧客対応ができる体制を作る。

②対応マニュアルの作成
社内ドキュメントツールを活用して顧客対応マニュアルを作成する

③顧客活用状況を自動モニタリング
ツール活用状況のデータをスプレッドシートなどに自動抽出し、顧客活用状況を自動でモニタリングする。

④CS面談を自動日程調整
商談日程調整ツールでCS面談の内容に合わせて調整し、担当を自動割り当て。

カスタマーサクセスについてより詳細を知りたい場合は下記の本がおすすめです。


7. パートナーセールス

パートナーセールスとは

外部にセールスの協力者を見つけ、事業拡大に繋げることがミッションです。

直販と代理店の違い

直販
メリット:セールスが直接顧客とコミュニケーションを取ることで顧客課題に対して直接価値を訴求できる
デメリット:人員や拠点などの多くの固定費が発生するため、コスト負担が大きい

代理店
メリット:代理店の営業リソースを活用するため、自社負担が少なくなり拠点がない地域でも販路開拓が可能
デメリット:競合/他社製品を取り扱っている場合も多く、コントロールするのが困難

代理店事業が失敗する4つの理由

大きく4つの理由があります。

①代理店ビジネスを始めればすぐ(1年以内に)売上が増えると考えている
②特にサポートしなくても売上が上がると考えている
③代理店の統率が取れず、成果に繋がる動きを作れていない
④代理店側のビジネスモデルに関する理解が浅い

代理店の参画動機を理解する

代理店事業を成功させるために、参画動機を理解しましょう。

①トレンドになっている商材を扱うことで既存ビジネスへ付加価値を生み出したい
②既存ビジネスが低迷しており、新規の代理販売ビジネスを強化したい
③より⾼い利益が⾒込める商材を販売したい

代理店のKPIの考え方

代理店KPIは「量」「質」「実績」の3つに分解できます。

KPI・評価指標

代理店制度におけるKPIの具体的な例を記載しています。

パートナーセールスの実務

注力すべき4つのポイントです。

①パートナープログラムについて理解する
パートナープログラムとは、「代理店のモチベーションを⾼めて、継続的に販売してもらうための制度」です。特に報酬設計が重要となり、競合製品と比較した時に魅力的な設計を心がけましょう。

②パートナーカテゴリを決める
3つのパートナーカテゴリから自社にあった方針を決めましょう。
1. 紹介代理店(IS)
2. 販売代理店(IS ~ FS)
3. 伴走代理店(IS ~ FS ~ CS)

③開始時に必要な情報を整理する
ライセンス価格/条件, 年間目標, サポート体制, 報酬体系, ペナルティなど、細かく定める必要があります。

④パートナーを集客する
パートナーとなる候補を集客する必要があります。開始時にハウスリストに案内を送付するなど、直販のリード経由でパートな窓口を設けて募る場合が一般的です。

パートナープログラムの事例

パートナープログラムの事例ご紹介です。他社事例も確認の上、プログラム作成・改善を進めていきましょう。

サイボウズ

SATORI

ラクス

カオナビ


パートナーセールスについてより深く知りたい際は下記がおすすめです。

8. リソースマネジメント

リソースマネジメントとは

計画を達成するために人・もの・金の3リソースをどのように振り分けるのか最適化することがミッションです。

事業を因数分解する

まずは事業の因数分解により課題を特定し、どこにリソースを配分するか決定しましょう。

セールスキャパシティを考慮して売上目標を立てる

リソース・マネジメントの1歩目はキャパシティを考慮した目標設計です。セールスキャパシティは「営業人数×1人あたり売上目標」で決まります。組織全体の目標達成率が平均70 ~ 80%くらいの水準が適切です。

ランプタイムの考慮

キャパシティ計算ではランプタイムに注意しましょう。ランプタイムとは、
「新しく入った営業が最終的に100%のパフォーマンスを発揮できるまでの期間」のことです。ランプタイムの影響で、人が倍増しているのに売上は120%増になることもあります。ランプタイムの短縮のためにセールス・イネイブルメントに注力しましょう。

目標設計とコンペンセーション(報酬の仕組み)

目標/報酬の仕組みは1人あたりの生産性を大きく左右します。自組織にあった目標設計をしていきましょう。

①マネジメントの仕事は、個人にまで目標を設定し、目標と連動させて報酬を仕組み化すること
②目標は高ければ良いのではなく、7~8割のメンバーが達成できるラインが最もパフォーマンスが向上する
③目標は「社員に実施して欲しい行動」を促す効果もある

テリトリーマネジメント

業務範囲を明確にし、公平性担保によって生産性向上につなげましょう。

業務範囲の明確化
テリトリーマネジメントとは業種や企業規模、地域などの条件をもとに各営業の担当範囲を決めること。
分業×業務範囲の明確化によって組織の生産性を高める狙いがあります。

個々のスキルに合った割振を重視
全体のパフォーマンスを最大化するには同一性ではなく、公平性が重要です。数多く経験を積ませたい営業には広くアサインしたり、人によっては数社を担当など総合的に判断。


リソース・マネジメントの実務

注力すべき4つのポイントです。

オンボーディングによるランプタイムの減少
オンボーディングプログラムを充実させることによって、「ラップタイム」(新しく入った営業が最終的に100%のパフォーマンスを発揮できるまでの期間)を可能な限り短縮するようにしましょう。コンテンツだけでなく1on1によるピープルマネジメントも有効です。

②組織の生産性を定量化する
「1人あたり売上,」「1人あたり粗利」などの指標を経営層/マネジメント層が日常的に数字を見る習慣を作りましょう。部門関係なく全社的に共通したリソースの意思決定基準を作り、誤った意思決定が起きないように気をつけましょう。

③報酬設計を最適化する
報酬設計があった場合となかった場合で事業貢献にどれほど差異が生じるのか試算した上で設計を適用するか決定しましょう。組織のカルチャーによって報酬設計がどれくらい有効なのか変わるため注意が必要です。

④業務領域を限定する
業務領域を限定することで職務の難易度を下げましょう。組織の中での「何でも屋」は可能な限り減らし、それぞれのメンバーが強みを発揮できる領域に業務を限定し、事業に貢献できる状態を作りましょう。

KPIの例

リソースマネジメントにおけるインセンティブ・KPI設計の例です。セールスへの売上に紐づくインセンティブを設計するだけでなく、生産性KPIを設定することで、リソースのROIも計測して改善できる体制を作りましょう。


9. パフォーマンス・マネジメント

パフォーマンスマネジメントとは

目標達成するためにパフォーマンスの現状を正確に把握し、パフォーマンスを最大化させることがミッションです。

パフォーマンスを見る3つのコツ

①定量的に把握するが数字で判断しない
あくまでも参考として数値を扱い、数値ですべてを判断してはいけません。

②絶対値だけでなくトレンドを意識する
瞬間を切り取ったスナップショットではなく、トレンドを見ましょう。

③単一ではなく複数の指標を見る
「件数」「金額」「率」など並べて分析しましょう。

KPIの立て方

①最終KGIに繋がるKPIを立てる
各担当が何を追いかけるかKPI次第で成果は大きく変わります。誤ったKPIでは、「無駄な作業」ばかりが増えて、目標達成しても利益貢献0になることも。

②アクションに繋がるKPIまで要素分解する
各担当がアクションに落とし込めるまでKPIを分解しましょう。

③可能な限りシンプルに
KPIの数が増えすぎると注力すべきことがわからず中途半端になってしまいます。可能な限りシンプルにすることを心がけましょう。

④実績を正確にモニタリングできるKPIに
実績を正確にモニタリングできるKPIでなければ達成率を確認できません。正確な集計ができるKPIを設定しましょう。

KPIのモニタリング

①正確にモニタリングできる体制を作る
正確にモニタリングできる体制は必須です。SFA(salesforceやhubspot)の導入は躊躇せず、長期的なセールス体制構築を目指しましょう。

②分母を揃える
分母がずれた集計は陥りがちな落とし穴です。目的に合わせて、リード作成日、商談作成日、契約日など、日付ベースでの分母を揃えて実績を正確に把握しましょう。

KPI設計のチェック項目

6つのチェック項目です。現在のKPIが問題ないか、確認いただければ幸いです。

  1. 実績を正確にモニタリングできていますか?

  2. 各担当がアクションにまで落とし込めていますか?

  3. モニタリングの分母は揃っていますか?

  4. 分業によるフェーズ分けしたKPIを設計できていますか?

  5. メンバーが追いやすいシンプルな指標になっていますか?

  6. 生産性指標は設定できていますか?

パフォーマンス・マネジメントの実務

注力すべき4つのポイントです。

①データが溜まる仕組みを作る
各部門/各メンバーのパフォーマンスを定量化する第一歩としてデータがたまる仕組みを作りましょう。どのデータを蓄積するべきかをチームで議論して決定しましょう。なお蓄積する際は可能な限り人的リソースが不要な形(自動)で実装するよう意識しましょう。

②KPI/KGIを定める
各部門の担当者の行動が事業貢献へと繋がるようにKPI/KGIを設定しましょう。複雑化を避けるためKGIは1つ, KPIは5つ以下に設定するよう意識しましょう。

③データを可視化する
蓄積されたデータを元に各自のパフォーマンス(生産性)がどうか測ることができる状態を作りましょう。浸透施策の観点から、数字に強い方だけでなく全メンバーが容易に理解することができるように作成することをおすすめします。

④1on1を実施する
定量データだけで各自のパフォーマンスを100%キャッチアップすることは不可能です。1on1を直属の上司, 経営層にて実施することで定性的な情報を集めて適切にパフォーマンスを評価するようにしましょう。


生産性指標

フェーズ管理に加えて、”生産性指標”を設定することが重要です。各部署ごとに生産性指標を設定することで、パフォーマンス管理を徹底していきましょう。


セールス全体像のより詳細な把握をするための参考文献です。特にBtoB SaaSをされている方におすすめです。


最後に

BtoBセールスはまだまだ負が残っている領域です。セールスのイメージといえば泥臭い、気合い、根性、マンパワーのイメージが根強く残っています。
でももっとセールスはクールでプロフェッショナルな仕事であるはずです。

このnoteが、またまだ非効率性や課題の多く残るBtoBセールス水準向上の一助になれば幸いです。


Appendix:SalesNowのご紹介

少しだけ、弊社サービスのご紹介をさせてください。
弊社では、SalesNow「企業の"いま"を把握することで、新規開拓セールスの成功率を上げる企業データベース」を提供しております。

新規開拓セールスにおいて、下記のような課題感を持たれている方はいませんでしょうか。

・アプローチ先のリスト作成に膨大な時間がかかる
・担当者と接点すら持てずに時間だけが消費される
・担当者と繋がっても商談を引き受けてくれない
・商談をしてもニーズがなく、なかなか受注に至らない

SalesNowでは、520万社以上の企業データベースから、企業の「いま」を把握し、新規開拓セールスの効率UPに繋げさせていただきます。


SalesNowが収集する企業の「いま」とは?

企業が今どのような状態か、今何に力を入れているのか、今の担当者情報などを網羅的に把握。適切な企業の、適切な担当者に、適切なタイミングで連絡できます。

4つの特徴

①データベース検索

日本全国520万社の企業データから、156項目を超える検索条件をもとに、
アプローチすべきターゲット企業を特定できます。

②シナリオ検索

企業の「採用・ニュース情報」をもとに、シナリオを設定。企業の「いま」の動きを把握し、アプローチできます。

③連絡先情報

100万件を超える連絡先データベースから、「代表」「部署」「担当者」の連絡先を確認。もっとも確度の高まる連絡先へアプローチできます。

④CSの徹底伴走

SalesNowがセールス組織に定着するまで、最短週次の定例MTGで、専属担当者が徹底的に伴走します。

SalesNowを利用いただいたユーザー様からは、
「セールスプロセスにSalesNowがない状態は考えられない」
「作業から解放された」
「導入した初月からアポ獲得できた」
など嬉しい声をいただいています。


BtoBの新規開拓セールスに少しでも課題を感じられていましたら、全力支援させていただきますので、下記よりぜひお問い合わせいただければ幸いです!



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