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実践 スタンフォード式 デザイン思考 -世界一クリエイティブな問題解決-

 今回はこちらの本を読んだので、自身の考えを交えながらレビュー兼読書感想文を書きます。
実践 スタンフォード式 デザイン思考 -世界一クリエイティブな問題解決-

デザイン思考とは

 最近、「デザイン思考」ってワード自体はよく聞きます。また新しい考え方が出てきたなあと思いこちらの書籍を読んでみましたが、意外と理解しやすく部分的にも取り入れやすい考え方だと感じました。
 デザイン思考が理解できるようになると、「ユーザーの本当のニーズ」が見えてくるというような記載がありました。本書の中にも記述がありましたが、確かに開発するうえではどうしても「ユーザー数」や「売上高」、あとは「開発スピード」などの数字ばかりが気になってしまい、「ユーザーはこう考えるだろう」という思い込みがより「ユーザーの本当のニーズ」を見えなくさせているような気がします。最近、巷では似たようなAppがとても多いですよね。その中で品質が良かったり利便性が良い機能で差別化できていたりするサービスが多くの方に好んで利用され、その他のサービスはそれに近づくために開発してまた似たようなサービスになっていくというループがあるように思えます。

技術、ビジネス、人間が重なるところにイノベーションが起こる

 今こそ、このイノベーションを起こして、「ユーザーの本当のニーズ」を理解することが重要だと感じました。

デザイン思考のプロセス

 「このプロダクトを使う人々を正しく理解する」ためのデザイン思考のプロセスは、以下の5つのプロセスを行きつ戻りつしながら進んで課題を解消していくとのことでした。

0. 問題定義
 →トピックを決める
1. 共感(Empathize)
 →問題を見つけるための情報を集める
2. 定義(Define)
 →解くべき問題を決める
3. アイデア(Idea)
 →ブレインストーミングを通じ解決方法を探す
4. プロトタイプ(Prototype)
 →アイデアを検証できる試作品をつくる
5. テスト(Test)
 →ユーザーテストを通じて評価する

 このプロダクトを使うユーザーに共感するために、ユーザーを観察し、自分で体験してみて、直接聞いてみるとのことですが、これは先日読んだ「他者と働く-「分かり合えなさ」から始める組織論-」に記述があった「相手のナラティヴに橋を架ける」働きと通ずるところがありそうだなと感じました。

 どちらにも共通して記されていたことは、相手をよく観察し相手の立場なって共感するということでした。やはり相手を理解するためにコミュニケーションを図っていく上では、一度自分の事情は置いておいて相手の立場になって考えてみるというのは重要な取り組みのようですね。

ブレインストーミング

 著書で参考になったのはデザイン思考もそうなのですが、よいブレインストーミングのやり方がとても参考になりました。

1. ファシリテーターを見つける
2. スペース(場)を見つける
3. チームにエネルギーを与える
4. トピックを明確にする
5. 時間を設定する
6. 人数は6-8人

 デザイン思考のプロセスの3つ目「アイデア(Idea)」にてブレインストーミングを通じ解決方法を探します。多くの場合はチームでのブレインストーミングを通じて、たくさんのアイデアを出し、優先順位の高いものから次のプロセスに進めていきます。
 「ブレインストーミングは短距離走です。」と著書の中にも記述がありましたが、間違っていても突拍子もないことでも良いので、とにかくたくさんのアイデアを出して、その中から正しい選択をしていかなければいけない状況では、一点に力を集中する必要があります。そんな時に重要なポイントがいくつも詰まっていました。
 例えばシャイなグループ向けのブレインストーミングとして、アイデアを考えるのは各自で行い、その後みんなでアイデアを出し合ってまとめるという方法もありました。基本的にブレインストーミングでグループ分けを行う際はメンバーが頼らないように配慮はしますが、それでも中々話下手な方が集まってしまったり、もしくは一人が一方的に話し続けてしまうということはよくあることなので、そこでまずは個々でじっくり考えさせてからまとめるという方法は、成功しそうなイメージが持て、早速次のMTGで実践してみようと思いました。

最後に

 本書は第2章までが説明となっており、第3章以降は実際にテーマ例を用いてツールキットなどを使用しつつ理解を深めるという形となっています。著者が作成したツールキットを用いて実際に考えながら一緒に進めていくとよりイメージが沸き理解が深まると感じました。著書に記されているツールキットを公開することはしませんので、そこは是非ご自身で購入されて体験されるのが良いと思います。


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