新宿

長期入院してしまったフリーランス |#6 手術が終わって

こんばんは、スミです。
とりあえず心臓、ちゃんと動いてます。明日はジャンプの発売日なので手術から早いものでもう1週間が経過したようです。noteもちゃんと続きました。よかったよかった。
たくさんの方にご心配いただきました。ご報告が遅れて申し訳ありません。

この1週間、最初はベッドの上でもまともに動けなかったのに今ではある程度自由に歩き回っている自身の姿を見て、人間って強いなとひしひしと感じます。同時に、医師や看護師、病院スタッフの方々の働く姿を間近で見て、命を救うその格好よさに強く惹かれました。病棟にあった"医龍"を読んだ影響かもしれません。

今日は術後から一般病棟に戻れるまでを記そうと思います。


手術当日

朝5:00くらいには目を覚まし、とはいえ移動は9:00で朝食も抜きだったのですることもなくフロアをふらついたりジャンプ最新号を読んだりしました。"火ノ丸相撲"が完結して寂しくもあり嬉しくもあり…
などとあっけらかんとしていたつもりでしたが、ふと「あれ、もし今日何か万が一があったら、これ俺もう、あれ…?」みたいな考えが過ぎります。新宿の街並みが美しかった。

8:00に母が病棟にやってきてくれたのであっけらかんモードに戻って手術着撮影会など。

これ着るの最初で最後になりますよう。

8:55くらいに看護師さんが迎えにきてくれ、エレベータで手術室に向かいます。清潔さを保つために自動ドアを2つほどくぐり、待機場所へ。わりと人が多くてにぎやかでした。あぁ、自分にとっては一大事だけど、毎日あたりまえのように手術が行われてるんだな〜と。

手術室にメガネは持ち込めないのでここで回収。ぼやけた視界で今日担当する医師や看護師の方と挨拶しました。ここで本人確認も厳重に行います。5回くらい名乗りました。

しばし待つと移動を促され、ついに手術室へ。重厚な扉が開くと、なんかTVとかで見るような機器に囲まれたいかにもな手術室が…。手術台に横たわり、名前を名乗ると、手足を固定されました。冷房がかなり効いていて寒かったように思います。手早く身体に機器を取り付けていく先生たち。麻酔用の点滴の針が刺され、酸素マスクが被せられます。ゆっくり深呼吸をするように指示され、「よっしゃいつまで起きてられるか数えとこ」と思ったところまでは覚えています。

術後1日目

目覚めるとICUでした。あまり混乱もなく目覚めたように思います。口には人工呼吸器が差し込まれていて、言葉はまったく発せられませんでした。覚醒後すぐの混乱を防ぐため手足も固定されています。
大丈夫ですか〜と声を掛けられ、うっすらと頷き、きっと手術はうまく行ったんだろうと思ってまた寝落ちました。
それからまたふわ〜っと目が覚めると、新人っぽい看護師さんをベテラン看護師さんがめっちゃ叱っていました。新人はどこも大変だな〜と呑気に思ってたら「小腸が1/3しか残ってない...こういう場合は…でしょ云々」

え、誰の話?

呼吸器が外れるまでは首の動きか指文字で対応しますよ、と聞いていたので人差し指をめちゃくちゃ動かしてたんですが気付かれず…まあいいか…。

そうやってうとうとしたりしながら時間経過して、おそらく正午前くらいには人工呼吸器が外されました。とはいえまだかすれ声みたいなのしか出ず、呼吸器を外して6時間は水も飲めないので喉も渇きに渇き、耐える時間が続きました。痛み止めは投与されていましたが、胸を切った痛みも引き続き、途中吐き気にも襲われなかなかハードな1日目でした。

ちなみに夕方ごろに先生がやってきて、小腸が無くなった疑惑は無事晴れ、完璧に近い形で手術を終えれたことを聞きました。どうやらかなりスムーズに進み、予定より1,2時間は早く終えることができたようです。

術後2日目

実はあんまり1日目2日目の境を覚えていません。夜、寝ることはできたのですが、10時間近くは寝たんじゃないかと思うほどの疲労感を感じる鮮明な夢を見てハッと目覚めると30分も経っていないということを繰り返し、その合間では痛みと吐き気がやってきて、体勢も自分ではほとんど動かせず、ナースコールも壁にかかったままで手が届かないしで、本当に長い長い夜でした。

それでも朝はやってきて、HCU(高度治療室)に移ることになりました。ICUと一般病棟の間くらいの設備だそうです。

この日の昼から食事が出るようになりましたが、流石にまだほとんど口にすることができませんでした。
前日に比べればだいぶマシになったように感じましたが、ドレーンや点滴、尿道カテーテルなどに繋がれて心身ともに大きな負荷でした。ごちゃごちゃとたくさんのケーブルに繋がれたカメラの気持ちがよくわかった気がします。
特にドレーンの痛みが尋常でなく、呼吸すると痛い→呼吸を浅くして苦しくなる→深く息を吸ってしまい痛みが走る、の繰り返しでした。

2日目も相変わらずにしんどい…。

術後3日目

ついに!ドレーンが引き抜かれます。
4本くらいお腹に管が刺さっていたのですが、文字通り引き抜かれました。いや〜音がエグかった。
引き抜いた直後は若干痛みもありつつ、それでもここで一気に調子がよくなった気がします。
ドレーン抜去後、一般病棟に帰ることになりました。一般病棟は術前にいたところだったので顔なじみの看護師さんもおり、安堵感に溢れました。

気分も良くなってきて、ここでちょっと調子に乗ってしまいました。

トイレに行きたい、と。

車椅子でトイレまで運んでもらったものの、あとは1人で大丈夫と便器に腰掛けたところで、急激にめまいと吐き気に襲われました。一時的なもので大したことはなかったのですが、まだ安静第一だと心に刻んだ瞬間です。

この日、首の点滴も外れました。

術後4日目

ついに!尿道カテーテルが抜かれます。
いや〜エグかった。いや、そんな痛みがあるわけでも時間がかかるわけでもないですが、こう、ヒュンって感じでした、男性諸氏。

これで身体に残っているのは腕の点滴とペースメーカーのワイヤーだけとなりました。ペースメーカー自体は術後3日目くらいで使用を止め、細いワイヤーを残すだけだったのでとくに邪魔にも感じず。

食事も半分は食べれるようになり、この日からは着実に回復を感じています。

-看護師さんのことば-
「若いっていいね」

早くシャワーを浴びたいです。

続きます。

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