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ユーラシア大陸横断⑤ 【ロシア上陸】

2018年1月7日14時ごろ、僕の乗った船は韓国の東海市からロシアのウラジオストックへと出港した。1月の西日本より少し寒いくらいなので、まだ耐えられる。これほどで寒いと言っていたら、-25℃のシベリアで耐えられる自信がない。

船が出港してから、しばらくカモメが船の周りを飛んでいた。韓国人のおじさんがスナック菓子を放り投げていたので、相当な数のカモメが群がっていた。封を開けたらそれまで、結局このおじさん、スナック菓子全てをカモメの餌にしていた。笑 

日が暮れても、数匹のカモメが船の周りを飛んでいた。結局どこまでついて来たのだろうか?翌朝には、一匹もいなかったのだが。

夜ご飯もカップ麺を食べようとしていたところ、韓国人のおじさん(おにいさん?)が話しかけて来た。食券が数枚余っており、くれるらしい。どうやら、毎日カップ麺を食べていた僕を見て、不憫に思ったらしい。ありがたく頂くことにした。

言い忘れていたが、船にはレストランがある。別途、食券が必要で、これが中々お高い。たしか、一食1500円くらいだったと思う。だから、存在は知っていたが渋っていた。

久しぶりの美味い飯に期待を寄せながら、早速レストランに行ってみた。種類は多くないが、ビュッフェなので、がっつり食べられる。だが、正直なところ、味はイマイチだった。特にブラウンシチューがレトルトのように感じる。キムチも酸味が強くて、自分の口に合わない。スープは塩辛い。

とは言え、ここ2日間、ろくなものを食べてない僕にとっては、ヘルシーな食事だった。なにより、心優しい韓国人に出会えたことで心が温まった。

船は北朝鮮の沖合を丸1日かけて北上する。波は穏やかで、酔い止めは不要なくらいだった。やることもないので、夜11時くらいにはベッドに横になった。昨日とは打って変わって波のリズムが心地よく、すぐに眠りに落ちた。

翌朝、日の出の時間に目が覚めたので、今日も朝日を浴びようとデッキに上がってみた。外に出た瞬間、一瞬で目が覚めた。とにかく寒い!(写真はその時のデッキ) 

空は雪雲。粉雪混じりの風がデッキに吹き付けていて、もうすっかりシベリアの気候になっている。海を見てみると、流氷が流れている。人生初の流氷にテンションが上がっていたら、後からやって来た韓国人も歓声をあげている。彼らも初めてみるのだろう。

午後2時過ぎ、船はウラジオストックに入港した。いよいよロシアだ。シベリア鉄道9,297kmの旅が今日の夜から始まる。そして、この大陸の先にあるロンドンまで行くのだ。ワクワク、少しソワソワしながら、船のラッタルを降りた。


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