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不眠の原因であるストレスの対処方法

はじめに

ストレスが原因で不眠に悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
ストレスと不眠の関係性はすでに多くの研究で報告されています。

ストレスとは?

ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。

厚生労働省

ストレスの対処

ストレスを抱えた時に、上手く対処できることは人間にとって重要な能力です。この対処しようとすることをコーピングと呼んでいます。

コーピングには、大きく2種類あります。

①問題焦点コーピング
ストレッサー(ストレスの基)そのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとすること
(例:対人関係がストレッサーである場合、相手の人に直接働きかけて問題を解決する)

②情動焦点コーピング
ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとすること
(例:対人関係がストレッサーである場合、それに対する自分の考え方や感じ方を変える)

ストレッサーそのものが対処によって変化可能な場合は問題焦点コーピングが適当で、ストレッサーが対処によっても変化可能でない場合は情動焦点コーピングが適当であると考えられます。

eヘルスネット

情動焦点コーピングにおいて、同じ状況でもストレスを感じる人と感じない人が存在します。
どこに差があるのでしょうか?
それは、認知です。
この認知が歪んでしまうと、ストレスを感じやすくなるのです。

認知の歪みとは?

そもそも認知とは、ヒトやものの捉え方です。

「認知のゆがみ」とは、その認知が極端に誇張され、不合理な方向に偏ってしまっている状態のこと。

認知の歪みのパターン

①全か無か思考

物事を白か黒かの二極でしか考えられない、極端な完璧主義の思考パターンです。
(例)
一度中途覚醒をして、「自分は不眠症だ」と感じてしまう など

②一般化のし過ぎ

1度や2度起きただけの悪いことを、「いつもこうだ」「成功した試しがない」など、当然のことに捉えてしまうパターンです。
(例)
一度の眠れなかった経験を、自分は眠りにくい人だと思い込んでしまう など

③心のフィルター

物事のいい部分を認識できなくなり、ひとつの悪いことにこだわり過ぎてしまうパターンです。
(例)
眠れる日が多いのに眠れない1日を考えてしまう など

④マイナス化思考

普通のことや良いできごとを、悪い方向にすり替えてしまうパターンです。(例)
しっかり眠れるようになっても、「誰かのおかげで自分は何もしていない」などと落ち込んでしまう など

⑤結論の飛躍

相手の気持ちや将来を根拠なく決めつけ、悲観的な結論を出してしまうパターンです。
(例)
相手の対応が冷たいのは「自分は嫌われているんだ」と考えてしまう
など

⑥誇大視・過小評価

自分の悪いところを大げさに考え、良いところをあまり評価しないパターンです。
(例)
できる人と比べてしまい自分の悪いところに注目してしまう、できるようになったことには注目しない など

⑦感情的決めつけ

自分の感情を根拠に物事を決めつけてしまうパターンです。
(例)
不安なのは、自分が失敗するからに違いない……と考えてしまう など

⑧すべき思考

理由もなく「絶対に〇〇すべきだ」「絶対に〇〇すべきでない」と考えてしまうパターンです。
(例)
仕事はこうすべきなど、完璧にこなすべきだと考えてしまう など

⑨レッテル貼り

ミスなどをした際に「自分はバカだ」「無価値だ」などとネガティブなレッテルを貼ってしまうパターンです。
(例)
仕事でちょっとしたミスをしてしまい、自分はできない人間だと思ってしまう など

⑩自己関連付け

良くないことはすべて自分の責任であると思い込んでしまうパターンです。(例)
仕事は上手くいかないのはすべて自分のせいだ など

このようなマイナス思考から、認知の歪みは生じます。
認知の歪みが生じると、どんどんネガティブ思考になり、さらにストレスを増やすことになります。
悪循環になってしまうのです。

認知の歪みの修正方法

認知の歪みを修正する方法には、「認知療法」があります。

認知療法の方法とは?

【状況】
問題が生じた状況について、「いつ、どこで、誰が、何を」という4つの点に着目し、紙に書き出します。
【自動思考】
問題が生じた時に、無意識にどう感じたかをそのまま書きだします。
【認知のゆがみ】
認知のゆがみのパターンに当てはまるかを書きだします。
複数のゆがみが隠れていることもあります。
【合理的反応】
認知のゆがみで偏ってしまった考えを、客観的に合理的に見つめ直し、正しい認知に修正します。

合理的反応を考えることが大切です。
ここで考え方を見つめ直すことで、認知が修正されていきます。
合理的に考えるポイント
・他の人が自分と同じような思考をしていたら、どうアドバイスするか
・ポジティブに考えられる要素はないか
などと考えていくことが大切です。

自分の認知療法

【状況】
昨日、キャリア相談の席で、エージェントの方に、自分の軸となる分野の知識を徹底的に調べないとダメといわれた。
【自動思考】
①自分はいつまでも成長しない
②軸を決めて努力しているが方向性があっているかわからない
③頭の回転が遅く、質問に対して回答ができない
④今後のキャリアに不安
【認知のゆがみ】
認知のゆがみのパターンに当てはまるかを書きだします。
複数のゆがみが隠れていることもあります。
①全か無か思考、一般化のし過ぎ、心のフィルター、結論の飛躍
②感情的決めつけ、すべき思考、レッテル貼り、自己関連付け
③全か無か思考、一般化のし過ぎ、心のフィルター、過小評価、すべき思
 考、レッテル貼り
④過小評価、すべき思考、レッテル貼り
【合理的反応】
認知のゆがみで偏ってしまった考えを、客観的に合理的に見つめ直し、正しい認知に修正します。
①数か月で大きく成長できるはずがない
 成長して成功している人は数年単位で努力を積み重ねている
 まだ始まったばかりでこれから少しずつ成長できればよい
②努力の方向が正解かは現在はわからない
 今は努力して引き出しを増やすことが大切だ
 学んだ先に違う景色があるかもしれない
③物事に自分の意見を考えて、伝えるトレーニングをしていない
 トレーニングしてないことはできるわけない
 これから物事の捉え方を学べばよい
 物事に対して、自分なり、なぜ?どうして?を考えていけばいつかこたえ
 られる日がくる
④キャリアは努力の先にあるものだから、今はやれる努力をするだけ
 不安に思っている時間があれば、勉強したり考えて脳に汗をかくと将来が
 明るくなるかも
 年を取ってから、自分の人生を振り返ってキャリアが正解だったか判断す
 ればよい

まとめ

・ストレスは不眠の原因になります。
・ストレスに対処することをコーピングといい、問題焦点コーピングと情動焦点コーピングの2つに分類されます。
・ストレスは、認知の歪みにより生じます。
・認知の歪みはネガティブ思考により生じていることが多くあります。
・認知の歪みを修正するには、認知療法が推奨されています。

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