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日本人労働者の仕事のパフォーマンス低下にどんな健康問題が関係するか

今回は、日本人労働者の仕事のパフォーマンス低下にどんな健康問題が関係するかについてまとめていきます。

下記文献をベースにまとめていきます。

文献の紹介

タイトル

Total Health-related costsdue to absenteeism,presenteeism, and medical and pharmaceutical expenses in Japanese Employers

著者

Tomohisa Nagata

はじめに

・経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で、医療費・薬剤費の増大が世界的に大きな課題の一つとなっている。
・医療費総額の80%以上が慢性疾患患者のケアに費やされている。
・このような慢性疾患の負担増を抑えるためには、若年層から中年層に対する予防介入が重要である。
・職場における健康状態の悪化が社会的にもたらす経済的負担は、医療費・薬剤費だけでなく、病気による休職(「アブセンティーイズム」)、病気や健康リスクの未管理による就業中のパフォーマンス低下(「プレゼンティーイズム」)による健康関連の生産性損失です。

したがって、健康関連コスト(医療費・薬剤費、アブセンティーイズム・プレゼンティーイズムによる金額)の実態を把握することは会社経営において有用です。

結果

研究対象者

性別
男性9,224人(75%)
女性3,126人(25%)の合計12,350人であった。
年齢
19-29歳が1,372人(11%)
30-39歳が2,779人(23%)
40-49歳が4,359人(35%)
50-59歳が3,462人(28%)
60歳以上が378人(3%)

職種

営業職3,935人(32%)
研究開発職2,473人(20%)
管理職2,258人(18%)
生産ライン2,215人(18%)
事務・管理補助1,449人(12%)
その他20(0.2%)

健康リスクの高さ上位3位

①喫煙(12,262人中2,644人、22%)
②アルコール(12,257人中2,392人、20%)
③空腹時血糖値(11,745人中2,155人、18%)

男性25%、女性34%が何らかの症状を持っており、50~59歳が最も多く、31%であった。

損失コスト

アブセンティーイズム
→一人当たり年間520ドル(11%)
プレゼンティーイズム
→3055ドル(64%)

医療費(外来)
→607ドル(13%)
薬剤費(外来)
→357ドル(8%)
医療・薬剤費(入院)
→201ドル(4%)

つまり、就業していてもパフォーマンスを発揮できていないプレゼンティーイズムによるコスト負担が最も大きいことがわかった。

プレゼンティーイズム

プレゼンティーイズム
→一人当たり年間3055ドル(64%)

【生産性損失が大きい症状】
・首や肩の痛み
・睡眠不足
・背中の痛み
・ドライアイ
・緑内障
・うつ病 など

まとめ

・プレゼンティーイズムが損失コストが高いことがわかった。
・プレゼンティーイズムの原因には、首や肩の痛み、睡眠不足、背中の痛みが存在することがわかった。
・従業員のパフォーマンスが下げないために、上記の対策が重要になります。

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