自粛中に付き合い始めたらしい

自粛期間中に、付き合い始めたらしい。

それを聞いて、もやっとしなかったわけではない。付き合っているカップルでさえ距離をとっているのに、どうして付き合い始められたのか。

まさか、こんな時期にわざわざ会ったりしたのか。それとも、こんな時期だからこそ、寂しくなって連絡を取り合っているうちに、付き合うことになったのか。

気持ちが、わからなくもない。ただでさえ人と人との関わりが希薄になって、人恋しく思うのはわかる。シングルであれば、強いつながりを持って安心したいという気持ちもわかる。

自然災害の中で、付き合っていた人達が結婚を決めたり、逆に別れたりしているのも知っているから、この時期に付き合い始めた人達が少なくはないことは、想像できる。

じゃあ、何にもやっとしているのか。自粛しろよっていう怒りなのか。自分がシングルであることの不安なのか。それとも、非常時の恋愛に嘘くささを感じるからか。

恋愛は、続ければいいわけではないし、結婚がゴールでなくてもいいと思う。辛い時期を過ごすための刹那的な恋愛があってもいいし、それが生きていく上で必要な時期だったのかもしれない。

でも、どうも古臭い考えで、恋愛のゴールとして穏やかな日常を想定してしまっているのかもしれない。非日常から始まった恋愛が、日常に親和性が高いとはいえないと思うから。敵と戦っている中では頼りになったヒーローも、日常生活では全く違った顔になるかもしれない。

完全に余計なお世話だと思うけれど、非日常の中で結んだ契約を、まるで詐欺にあっているかのように見えてしまっているのかも。今じゃなきゃだめだったのかな。なんなら二人で会ってもいいし、イチャイチャしてもいいけれど、合意形成は、日常が落ち着いてからの方がいいんじゃないかな。

詐欺とまではいかないけれど、互いにだましあっているようにも見えてしまう。そう思ってしまうのは、ひがみなのだろうか。

でも、なんか元気そうだったから、とりあえずいいかな、と思うことにする。もやっとはするけれど。