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私たちは粒々でできている?

身の周りの物質は何からできているのか?という問いは、人類が太古から向き合い続けてきた根源的なものだ。この問いに向き合い続け、答えを出し続ける営みは物理学が持つ要素の一つだ。「物質観の探究」とも言える。

その探究は古代ギリシアで原型が生まれた。レウキッポスやデモクリトスは、以下のような疑問を持った。

「物質を細かく、さらに細かく刻んでいったら、どうなるのか?」

最終的には、何もなくなってしまうのか?「いや違う」と彼らは考えた。物質を細かくし続けた、その先には「非常に小さいけれど、有限の大きさを持った、それ以上分割できない粒」があると、彼らは結論づけた。

そして、彼らはその粒々を原子(アトム)と名付けた。

つまるところ、全ての物質は「原子」と「真空」から成ると考えたのだ。物質は、極微の視点では連続体ではないと言うだ。

これは日常的な感覚とは異なる考えだろう。例えば、コップに水を注いだとき、私たちはそれが粒々からできているなんて、思いもしない。

しかし実は、水も粒々からできていることが既に現代科学で明らかにされている。

ここで、水が粒々からできていることを体感できる簡単な実験を紹介しよう。それは、水とエタノールを混ぜる、という実験だ。エタノールがあれば簡単に行える。例えば、水500 mlとエタノール500 mlを混ぜる。混ぜた後の量はどうなるか?

500 ml+500 mlで1,000 mlとなりそうだが、実は、1,000 mlよりも少なくなる。これは、水をつくっている粒々と、エタノールをつくっている粒々の大きさが違うことが原因だ。砂と小石を混ぜているような感じだとイメージしてもらえばいい。水をつくる粒(砂)がエタノールをつくる粒(小石)の隙間に入り込むので、「かさ」が少し減るのだ。

私たちも、水も、エタノールも、オケラもミミズもアメンボも、みんな「粒々」からできているだ。


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