「他人をコントロールする」という快感

親として子供を育てていると、どうしても「こんな子になってほしいなぁ」という願いにも望みにも似たような思いを抱いてしまう。それは親として当然のこと。

しかし、親が自分の望んだように子どもを育てたいと思いながら子供を育てると…。その思いが強ければ強いほど…子供は自分の人生を親に乗っ取られるのではないかという危機感を抱く。「乗っ取られる」と思った相手に、果たして心を開くことが出来るだろうか。

親も、「しつけ」のつもりが「おしつけ」に変わっていることに気づかず、「子供のことを思って」という大義名分で「子供のことをコントロール」してしまう。
子どもをコントロールしようとすればするほど、無条件だったはずの愛情は条件付きになり、「親の望んだ子」になれないと気が付いた子は、反発するか自分を追い込んでしまう。

子が小さい頃は、親は絶対的な存在である。だから、親としては子どもが言うことを聞かなければ脅したり強くいったり、はたまたご機嫌を取ってみたりご褒美でちらつかせて「コントロール」することによって、子に言うことを聞かせる、という手法が通っていた。

子が思春期になるころには、脅しやご褒美で「子どもをコントロール」しようとしても子だって知力も腕力も大人に近づいてきていて、幼少期に通じていた手段が使えなくなる。
しかし、親はそれに気が付かず「もっと強く言えば伝わるだろう」「もっといいご褒美をちらつかせば伝わるだろう」「もっと将来に不安を感じてもらえれば(例えば、今勉強しないと高校行けないよ、とかね)伝わるだろう」って何とかしてコントロールをしながら「伝えよう」とする。

思い出してほしい。営業電話がかかってきたり街角でキャッチセールスに声をかけられたら、自分だったらどう対応するだろうか。
話も聞かずに「いりません」「結構です」とガチャ切りしたり、街角で声をかけられても露骨に無視する人が多いと思う。
年齢を重ねた親が、コントロール要素をもって子どもに接してきたら…。この営業電話やキャッチセールスと同じように扱われても仕方がない。

では、なぜ多くの親は大きくなった子供との関係性が悪化していたとしても、今までのやり方を変えられない(もしくは変えようとしない)のか。それは…

他人を変化させる「快感」

他人をコントロールして、自分の「正義」「価値観」「正しさ」に導きコントロールするというのは、この上ない快感なのである。

子育てに限らず、カップルや部活、会社内など、人間関係ならどこでも起きる問題だが、親子は唯一「自分たちでは選べない人間関係」なのに「一番強固な関係」ともいえる。

他人からコントロールされるのはこの上なくいやなのに、つい相手を(無意識にでも)コントロールしてしまおうとする。
特に、親子関係は、子供が幼いころは「親が絶対的な存在」であって、親に逆らうと生きていけないと思ってしまうので、親はつい子どもを「コントロール」してしまいやすい。そして、一度手にした「快感」を手放すのは強固な決心をもってしてもなかなか難しい(不可能ではない)。

では、この「快感」を手放すにはどうしたらいいのか。

優先順位を「伝える < 聞く」にしてみる

良好な人間関係は、他人の話を聞くことから始まります。とはいえ決して言いなりになることではないです。相手の下僕にならなくていいです(それは相手にコントロールされることですからね)。
相手の話を聞くだけ聞いて、その後に自身の意見を伝えるのはありかと思います。「伝える=相手を納得させる」ではありませんけどね。
相手の話を聞くだけ聞いてから、相手の意見も踏まえてこちらの意見を伝えると伝わりやすくはなると思います。(伝わる=相手が自分の伝えたとおりに行動する、ではないことは要注意)

最終決定は「子にある」という認識を持つ

例えば、習い事の選択からそうだが、親の状況に応じて選択肢を提示することは出来ても、始めるのも辞めるのも最終決定権は子どもにあるという認識を親は持った方がいい。そして、その最終決定権を子供に持たせた、という責任を取るのは親である。

よって、親が出来ることは、人生の幅を広げるため、たくさんある選択肢の中から子が最適解を選べるようにするための情報提供だけである。

しかし、親の思いや望みが強ければ強いほど、未来への提案にしても未来を決めるための選択肢の提示だったり情報提供だったりが「親の望んだかなり限定的なもの」になってしまう(仕方ないですけどね)。

自分の頑張りを自分で認める

このご時世、まともに子育てしてるだけで充分頑張ってるんですよ。
温かいご飯を食べさせて清潔な洋服を着せて寝かせて…子が元気に生きているだけでも親として機能はしていると思う。
まず、そこの頑張りを自分で認めて自分で労うことが最初に出来ることだと思う。

自分の頑張りを認められない人が、心の底から他人の頑張りを労うことは出来ないし、自分の頑張りを誰かに認めてほしいという思いが他人をコントロールして快感を得ることにつながると思うんですが、いかがでしょうかね。




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