柏木吉基

データ分析を武器にした課題解決家(プロの実務家)/スキル育成トレーナー データ&ストー…

柏木吉基

データ分析を武器にした課題解決家(プロの実務家)/スキル育成トレーナー データ&ストーリーLLC 代表、多摩大大学院客員教授、横浜国立大学非常勤講師 https://www.data-story.net

最近の記事

説得力はどう生まれるのか(新刊『結局、仮説で決まる。』の意図)

プレゼンや企画提案など、誰かに提案したものを承認してもらう場面はたくさんあります。 ビジネスに限らず日常生活の中でも、自分の主張に対して共感や理解を得られるときとそうでないときがありますよね。 では、その「説得力」の有無はどこで分かれるのでしょうか。 自分が誰かの提案を聞いた時をイメージすると、どういうときに「なるほどね」と思い、どういうときに「大丈夫かな?」と思うのか思い出してみました。 このポイントはたくさんあるのですが、その中でも大きな一つが、「自分が”こうだろ

    • 1ヶ月間SNSを完全に遮断した感想

      「自分(の意識など)がどの位日々目にしている情報、それも主にSNSに影響を受けているのか。」 以前から気にはなっていたのですが、確かめることもなくズルズルと過ごしていました。 『限りある時間の使い方(オリバー・バークマン著:かんき出版)』という本を読んだことがきっかけで、一度1ヶ月間完SNSと自分の生活とを完全に切り離してみようと思いました。 あくまで対象はSNSであって、いわゆる「スマホ断ち」や「デジタルデトックス」とは目的も対象も全く違います。今回も毎日のようにスマホ

      • オンライン研修についてまとめてみた

         2020~21年度において、99%の企業研修、自治体研修、オープンセミナーなどのプログラムは、(私の場合)オンラインでリモートにて実施しました。  ここでいうリモートとは私が自宅(自室)から遠隔でリアルタイムに講義やサポートをするケースを指します。事前に収録するオンデマンドやe-Learningは想定していません。 2022年度に入り、1割程度のクライアントから、会場での集合研修をリクエストされるケースが発生しています。 そんなこともあり、そもそもどういうケースがあり

        • 秦野市2拠点生活兼ワーケーション体験記録

          ・県内で2拠点生活  新潟県湯沢市町、徳島県勝浦町に続き2拠点生活実践3ヶ所目となったのは、自宅のある横浜市と同じ神奈川県内にある秦野市です。  秦野市は横浜の自宅から車で約2時間(高速使えば1時間くらい)の丹沢山系に囲まれた盆地にあります。周囲の環境が県内でもガラッと変わり、別世界になります。 これまでもちょっとした休日のお出かけ先として、家族共々馴染みが深かった場所なので、チャンスがあれば、将来住んでみたいねと話すこともありました。 山や自然に囲まれているものの、小田

        説得力はどう生まれるのか(新刊『結局、仮説で決まる。』の意図)

          徳島県勝浦町でワーケーションしてみました

          2022年3月末、4泊5日のスケジュールで、徳島県勝浦町でワーケーション(ワーク:働く と バケーション:休暇の造語)をした記録です。 【徳島県勝浦町というところ】 勝浦町は徳島市から車で1時間弱の山間地にある人口約5000人の町です。 私自身は、過去5年以上にわたって徳島県とは様々な仕事上のつながりがあります。例えば、かつては徳島県西阿波にある美馬市の古民家で執筆活動や横国のリモート授業をしたりしました。また、この3年間はずっと阿南市にある徳島県立富岡西高校の1~2年

          徳島県勝浦町でワーケーションしてみました

          ピアノソロをコード演奏でやってみた

          ピアノを音符ではなく、”コード"で演奏する方法を学んでいます。 1年ほど前まで、この「コード演奏」というもの自体知りませんでした。 コードとは、AとかCとかDm(Dマイナー)とか、よくギターの演奏に用いられるあの記号のことです。 かつて(小学生の頃)習い事としてやっていた(やらされていた?)ピアノとは、 楽譜通り正確にクラシックを弾くこと + そこに感情を込めて抑揚が入れば満点! という至上命題がいつもありました。 なので、先生にはいつも「楽譜にはこう書いてあるの

          ピアノソロをコード演奏でやってみた

          湯沢プチ移住によるワーケーションと短期小学校転校(3)

          【地方で暮らす・移住の観点】 「仕事があるか否か」がこれまで地方移住の大きなポイントの一つと考えられてきました。 もちろんその観点もケースによって未だ重要な場合もあるのですが、仮にその地での仕事が存在しなくても、「仕事がポータブル(持ち運び可能)」であれば全く問題とならないという事を今回改めて強く確認しました。職種にもよりますが、「働き口があるか否か」よりも「ポータブルな仕事を遂行できる環境があるか否か」の方が重要となるケースがあるのだと思いますし、新たに仕事を作るより

          湯沢プチ移住によるワーケーションと短期小学校転校(3)

          湯沢プチ移住によるワーケーションと短期小学校転校(2)

          【ワーケーションの観点】 細かいことではありますが、例えば椅子の高さやいつも使っている必要な設備・機材の有無、もっというと日常生活に関わる、布団の硬さや枕の高さに至るまで、やはりいつも使っていて、極限まで自分に最適化されたものを違う場所で完全に再現することはほぼ不可能です(やろうとすればするほどコストが積み上がっていきます)。  他にも細かいことを言えば、いつもの使い勝手で、すぐに目の前にプリンターがあってサッとプリントアウトできる、といったことができないことがことのほ

          湯沢プチ移住によるワーケーションと短期小学校転校(2)

          湯沢プチ移住によるワーケーションと短期小学校転校(1)

          【区域外就学制度によるプチ転校】  2021年12月の1カ月、新潟県湯沢町の制度を利用し、雪国でのワーケーション(=「ワーク」仕事と「バケーション」休暇を掛け合わせた造語)を実施してみました。  地方自治体による地域創生や移住政策などをサポートさせて頂いている身でもあり、実際にワーケーションという形で場所にとらわれず働くことの体感を得たいと考えていました。 それに併せて、湯沢町と「きら星」という現地の民間企業によるワーケーションサポートと区域外就学制度(=住民票を移さず

          湯沢プチ移住によるワーケーションと短期小学校転校(1)

          ハーバード大学院でデータサイエンスを学んだ私から見た2021年の日本の「データ分析」総覧

          コロナの影響とは恐らく関係なく、日本国内において「データ分析(データサイエンスなども含む)」の位置づけがシフトされてきた感触を持っています。 下図の左側が今(2021年)から5~6年前(更にその前も含まれるかも)です。 当時のバズワードとして「統計学」「データサイエンス」「ビッグデータ」などが流行り言葉として踊っていました。 いつの時代も「流行り」があるので、良し悪しとは関係なく、多くの人や企業がこれらのキーワードに関心を示し、「少しかじってみよう」となったと思われます

          ハーバード大学院でデータサイエンスを学んだ私から見た2021年の日本の「データ分析」総覧

          データ活用のための『ストーリー変換』コンセプトとは

          プロフェッショナルとして、データやデータ分析の”活用”のスキルをお伝えするには何が本質か、を常に考えています。 グラフや表を作っては睨めっこ。。。を卒業するためのコンセプトの一つがこの『ストーリー変換』です。 「ストーリー変換」というのは、ストーリー”を”変換するのではなく、単なるデータやデータを整理したグラフや表を、ストーリー”へ”変換することを意味します。(ここ、とても大事です) 具体的な例で見てみましょう。 このグラフは、新潟県内の自治体で転入者(移住者)を増や

          データ活用のための『ストーリー変換』コンセプトとは

          【行政でのデータ活用プロジェクト】@新潟県燕市

          新潟県燕市役所でのデータ活用研修および実際の行政課題をテーマにした「データ分析活用プロジェクト」も今年で7年目です。 今年度のテーマは『地方移住』。データ(分析)を活用して論理的な成果を出すには、分析する手法や知識よりも正しい”考え方”(考える内容、順番など)が重要です。 第一のステップは、”何を最終的に言いたいか(すなわち結論)”を具体的に決めること。 続く第二のステップは、取り組む問題や現状を適切なデータで確認・評価することです。まずこのステップをやってみました。

          【行政でのデータ活用プロジェクト】@新潟県燕市

          DXは業務のデジタル化ではない

          DXとは『かたちが跡形もなくすっかり変わること』であり、『企業、組織のあり方そのものをデジタル化のロジックで問うこと』。 これは先日の朝日新聞に掲載された書評の抜粋です。 ここで言わんとすることは、日産で「ビジネス・トランスフォーメーション(BX)」の部署にいた私にはよくわかります。 そこでは(既存業務の)”改善”と”ブレイクスルー(改革)”とが明確に区別され、後者の実現がタスクでした。前者の改善をやろうとすると、「我々がやるのは”トランスフォーメーション(改革)”であ

          DXは業務のデジタル化ではない

          ハーバード大学院生になってデータサイエンスを検証する

          現在、Harvard Business School(ハーバード大学院)のData science for Business Programを学生として履修しています。 日ごろ「データ分析活用」のプロとして、スキル育成や企業・自治体サポートをしている身として、オンラインでも受講できる環境をフルに生かしつつ、自身へのインプットを強制する機会を敢えて作りました。 通常の業務を日々こなしながらの大学院生生活なので、かなりハードなことは間違いないのですが、私の目的はかなり具体的で

          ハーバード大学院生になってデータサイエンスを検証する

          「悩み」や「ストレス」の大元~禅的思考から学んだこと

          「こうあるべき」 「こうしたい」 「こうした方が良い」 多くの(全ての?)悩みやストレスは、こういった”思い”と(その思いと違う)”現実”とのギャップがあるところから生まれると思っています。 禅的思考でも、その認識の上に「あるがままを受け入れる」ことを解いていますね。 これを100%達成するのは現実的には難しいものの、このギャップを意識することで多くの悩みが軽減されたり解決したりすることは何度も体験済みです。 例えば、私はデータ分析活用スキルを多くの方にお伝えして

          「悩み」や「ストレス」の大元~禅的思考から学んだこと

          【これでいいの?ファシリテーション】

          このところ海外のファシリテーター含め、ファシリテーションについて議論する機会がすごく増えました。 そこでどうしても気になっていること。 多くのファシリテーターが、「ファシリテーションって、みんなの意見を多く引き出して、皆が納得するようにまとめ上げればいいんだよね」という認識でいるように思えます。 でも、 「その議論に挙がっている意見って皆、メンバー個人の主観だよね。そのまま結論出すと、何の検証もない“感想”や“意見”に基づいたものしか生まれないのでは?」 という疑問

          【これでいいの?ファシリテーション】