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ハーバード大学院でデータサイエンスを学んだ私から見た2021年の日本の「データ分析」総覧

コロナの影響とは恐らく関係なく、日本国内において「データ分析(データサイエンスなども含む)」の位置づけがシフトされてきた感触を持っています。

下図の左側が今(2021年)から5~6年前(更にその前も含まれるかも)です。

当時のバズワードとして「統計学」「データサイエンス」「ビッグデータ」などが流行り言葉として踊っていました。


いつの時代も「流行り」があるので、良し悪しとは関係なく、多くの人や企業がこれらのキーワードに関心を示し、「少しかじってみよう」となったと思われます。そのボリューム(人数)はそれなりに大きく、下図の「A層」がその部分です。

データ分析総覧

「データ分析やデータサイエンスで何か良いことがある」

という期待のもと、ツールや方法論などをトライしたと思いますが、恐らくはそのほとんどは期待に届かず仕舞いだったのではないでしょうか(もちろんプロのデータサイエンティストとして専門家になった方などは別です)。

それは、統計やデータサイエンスが悪いというよりも、

「データを使えば、ボタン一つで私が欲しいものを自動で提示してくれる」

に近いものをデータサイエンスやデータ分析に求めていたからだと思います。そしてその魔法は起こらないことを多くの人が時間をかけて悟りました。

同時に、既に「そんな魔法は起こらないことは知っている」人達も存在しました(図中、B層としています)。この人達は、地に足の付いたスキルや思考法が必要であることを知っており(気付いており)、そのノウハウを時間を掛けて修得したいと模索していました(しています)。

B層の人たちは、この修得は、正しい方法の下、それなりの時間と忍耐(場数?)が必要であろうことも気づいているので、単発の知識習得だけで何とかなるものでもないだろうことを知っていました。


いずれにせよ、A層、B層という明確な区別なく、この時期から今に至るまで、私自身は「魔法が起こらないこと」や「その代わりに何が必要か」をずっとお伝えすることに注力してきました。


時は経ち、A層の中で、単発で飛び付いたものの魔法が起こらなかったこともあり、離脱される人も出てきた状態が図中の右側、すなわちこの1年近くの現状です。

本当のデータ分析活用の価値と、その修得に必要なスキルを認識されているB層の人の人数は実はほとんど変わっていないと感じています(図中のB層の円は左右同じ大きさです)。

現在では、引き続きA層の方々に、データ分析の本質とそこから先への進み方をお伝えすると同時に、分析活用のコアなスキルを深く、広く修得するサポートを時間を掛けてB層の方々にお届けすることが増えてきた気がします。

その分、「魔法は起こらない」という事実は、数年前ほど繰り返し述べなくても良くなったのかなとも思うようになりました(今、がっつりやっている方には「当たり前じゃん!」と言われてしまう内容ですので)。


A層、B層どちらが良い悪いではなく(どんな流行りものも同じようなシフトがあるのだと思います)、私としてはプロとしてどちらの層の方も価値あるスキルを修得して望む成果を出せるようになってほしいと考えています。


ただ、客観的に今の状況や流れを見ると、ある意味「データ分析スキル」の格差が拡大しているなと思います。

データが絡む時代そのものは更に進むと思うので、多くの人にB層に乗っかってきてほしいな、そしてやる気がある方への力強いサポートができればと思います。

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