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甘えを自律に変える上司の対話術「愚痴や不満の中にある望みは何か?」

部下の愚痴や不満を一旦受け止めることが大事だと言われても、多くの上司は感情的になってしまうだろう。
「勝手なことを言うな!」と。
 
しかし、愚痴や不満の中に部下の望みがあり、その望みを叶えていくことが自律へつながるとわかればどうだろうか。
 
今回は愚痴や不満を言う部下の甘えを自律に変えていく上司の心構えと対話術(1on1)を情熱所長と一緒にお伝えしていこう。
 
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◆愚痴や不満は望みがあるから


 
情熱所長
吉田部長、部下の愚痴や不満を一旦受け止めることが大事だと教えてもらいましたが、「勝手なことばかり言うな!」と感情的なってしまいます(汗)。
そんな状態では1on1(上司と部下の一対一の対話)続けられません。
 
吉田部長
そうだね。部下の愚痴や不満は誰かの悪口だったり会社の否定だったりするから怒りたくなるね。
 
情熱所長
そんなときは、どうすればよいでしょうか?
 
吉田部長
愚痴や不満を言ってくるのは、『こうなって欲しい』という部下の望みがあるからではないかな?
 
情熱所長
えっ、そうなんですか!
愚痴や不満があるのは、望みがあるからなんですか?
 

◆望みを叶える支援をする

 


吉田部長
情熱所長だって、愚痴や不満を言うときがあるだろう。
そのとき、こうなって欲しいという望みがあるのではないかな。
 
情熱所長
そう言われてみると、そうですね。
その望みが叶わないから愚痴や不満を言っている気がします。
 
吉田部長
もし、その望みを叶える支援を上司がしてくれると思えば部下も嬉しくならないだろうか。
 

◆具体的にどんなことに不満なのか?


 
情熱所長
そうれはそうですね。
自分の望みが叶うなら嬉しくなってきます。
そのとき、上司はどうすればよいのでしょうか?
 
吉田部長
そのときは、まず愚痴や不満を具体的してあげることだ。
 
例えば、部下のAさんが「Bさん、ぜんぜん仕事をしないんです」と愚痴を言ってきたとき
「そうなんだ。Bさんは全然仕事をしないんだね」と伝え返しをして一旦受け止める。
 
そして「全然と言っているけど、どんな風なのか具体的に教えてくれるかな?」と具体的な事実を聞いていく。
すると「期限を守らないんです」とか「もっと先を読んで仕事をして欲しいです」と具体的な内容を答えてくれる。
 
それと「そうか期限を守らないのか」「もっと先を読んで欲しいのか」と受け止めてあげる。
場合によっては、さらに具体化していくことが必要だが、今日はこの辺にしておく。
 
具体的な内容を受け止めた上で「期限や先を読むことを大事にしているAさんなら怒るのはもっともだね!」とAさんを承認してあげるといいね。
 
Aさんは自分の大切にしていていることを認めて貰えたと思えて安心できる。
 
情熱所長
なるほど、愚痴や不満を一旦受け止め、それを具体化していく。
そして、部下の大切にしているもの(価値観)を承認してあげるわけですね。

 

◆どうなれば嬉しいかな?


 
吉田部長
部下も具体的な不満の内容がわかれば冷静になれる。
さらに自分の大切にしていることを認めて貰えば嬉しくなる。
その上で、「これからどうなっていけば嬉しいかな?」とAさんに聞いてあげよう!
 
情熱所長
そんな風に上司から聞いて貰ったり承認してもらったりすれば部下も相談しやすいですね。
 
吉田部長
すると「Bさんに書類の期限を守って貰える嬉しいです」とか
「事前に困っていることを相談してくれると嬉しいです」とAさんの望みを話してくれる。
 
情熱所長
そうか、そんな風に対話すれば、愚痴が部下の望みに変わっていくんですね。
 

◆部下のできること&上司に協力して欲しいこと


 
吉田部長
ただ、「わかった。私に任せて」と部下の望みをそのまま受け入れてしまうと、上司がすべてやってくれると勘違いしてしまう。
そこで、部下の望みを部下のできること上司に協力して欲しいことにわけるんだ。
 
情熱所長
そこ大事ですね!
全部上司がやってしまっては、部下を甘やかすことになり成長を止めてしまいますね。
 
吉田部長
だから、ここでしっかり線引きする必要がある!
例えば、「Bさんが期限を守るためにAさんのできることは何かな?」
「上司の私に協力して欲しいことは何かな?」と具合に聞いて欲しい。
 
情熱所長
なるほど、部下のできることと協力して欲しいことに分けるのか。
そんな風に聞いてあげると部下も自分のできることを安心して考えられますね。
 
吉田部長
例えば「Bさんに仕事を依頼するときどんなことに困っているのか聞いてみます」と自分のできることを答えてくれるだろう。
 
一方「時々、Bさんの進捗を確認してもらえると嬉しいです」と上司に協力して欲しいことも話してくれる。
 

◆上司の協力(甘え)から自分のできること(自律)を増やしていく


 
情熱所長
なるほど、そうすれば部下も安心して自分ごととして行動できますね。
 
吉田部長
最初は部下も失敗したくないので自分のできることを少なくして上司に協力して欲しいことが多いかもしれない。
 
でも、できていることを「いいね!できているね」と承認してあげると部下は嬉しくなって、上司に協力して欲しいことも挑戦したくなるんだ。
そんなとき、「いいね!大丈夫」と背中を押してあげて欲しい。
 
情熱所長
部下のできることと上司の協力を線引きして甘えを自律に変えていくことが重要ですね!
少し我慢が必要かもしれませんが、上司の大事なスキルだと思います。
 
吉田部長
それがわかれば、部下の愚痴や不満に感情的にならずに済むはずだ。
 
情熱所長
確かに、むしろ部下が自律するチャンスになるかもしれません!
 
吉田部長
最初は甘えに思えるかもしれないけれど、できることを増やしていけば自信が生まれてくる。
自信が生まれれば協力して欲しいことも自分でできるようになってくる。
 
情熱所長
そこ重要ですね。
甘えから自律に導く秘訣のように思います。
部下も応援されていると思えば頑張ることもできますね。
 
◆今回の質問
 
【部下の愚痴や不満の中にある望みは何でしょうか?】
 
次回に続けます!お楽しみ!
  

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