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リモートワークで部下のモチベーションをあげる6つのポイント|部下の1日をリセットする


1. 上司は現状を受け止め安心安全な場をつくる
2. 朝礼と夕礼を効果的に実施する。全員の意識を揃える
3. 仕事の締め切りを設け部下に緊張感を持たせる
4. 部下と言葉のキャッチボールをする
5. 不定期なコンタクトで部下に緊張感とブレイクタイムを与える
6. 部下の1日をリセットする

6.部下の一日をリセットする

今回は、最後の『部下の一日をリセットする』です。 

一日の仕事にけじめをつける

何か問題を抱え仕事が終わらず悶々としたまま、ゆっくり休むことができるでしょうか。
終業時間までに、部下の仕事が終わらなかったり問題が発生したりしたとき、そのままにしてくと部下は悩んだままプライベートの時間に入ります。

これでは、ゆっくり休むことができません。
これが続くと心の病になってしまいます。

普段なら職場で上司に気軽に相談できることもリモートワークでは遠慮がちになります。
部下は、なかなか上司に相談することができません。

だから、リモートワークでは、毎日の朝礼や夕礼で仕事の進捗が思わしくない部下に、「5分だけ、ミーティングをやろう!」とメールかチャットで事前に伝えて個別ミーティングを行います。

個別ミーティングでは、「何かあったの?」と質問して、進捗状況や問題点を確認します。
ここでもバッドニュースは大歓迎します。部下の弱音や愚痴を聴いてあげましょう。

その上で、「トラブルが発生したことはわかった。そういう事実があったんだね。
それに対して、あなたはどうしようと思っているの?」と次の行動を考えさせます。

過去の変えられないことはリソース(結果や情報)として捉え、これから変えられる未来に着目すれば、問題は解決方向に向かいます。

ただ、新人や気の弱い部下に「あなたは、どう考える?」と質問しても、知識や経験の不足で考えられない場合があります。

そのときは、「私たちは、どうしたらいいだろう?」と質問をして、『私たち視点』を持たせると、チームの一員として考えることができます。

なかなか答えの出せない部下には、「Aの進め方とBの進め方と、どっちが良いと思う?」と問い掛け、どちらかを選択できるようにしてあげます。自分で決めることで部下に自主性が生まれます。

最後に、上司は部下が明日やることのポイントを要約して、「これで大丈夫かな」と部下の同意をとります。

もし、部下同士のトラブルなど部下に手に負えない問題は、「それは私が預かる」と伝え、部下の問題から上司の問題へ変えてあげれば、部下は安心します。

5分のフィードバックタイムを設ける

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働き方改革が推進される中、多くの上司は、残業を気にするあまり「その仕事は明日にしよう!」と部下に伝えます。
しかし、仕事が中途半端な状態では、部下の悶々とした気持ちはなくなりません。

部下は、明日、何からはじめて良いかわからないため不安になり、一日をリセットすることができません。
だから、部下が、明日、何からはじめれば良いかわかることが重要です。

特に、若い部下は、まだ仕事の整理の仕方が分からない者が多くいます。
仕事の整理がつかないまま、翌日を迎えてもエンジンが掛からないので生産性も上げりません。

上司が気が付かずそのままにしておけば、週の終わりに、「何をやっているんだ」と部下を叱責することになり、部下の心は晴れないまま休日を迎えるようになります。

この悪循環を繰り返さないために、部下と5分間フィードバックタイムを設けて、
「今日、できたことは何?残ったことは何?」
「残ったことと明日からやらなくてはならないことは何?」
「優先順位はどうつけていくの?」と質問してあげてください。

部下が、優先順位を決められない場合は、アドバイスしてあげましょう。
その上で、「これから仕事を進めていく上で、大事なポイントは何?」と質問していけば、部下は自分で仕事の改善ができるようになります。

最終的には、終業時間前の残り5分で明日以降の仕事をどう進めていくか自分で考え、上司へ報告する仕組みを作れば、部下は頭を整理する習慣を身につけることができます。

減点主義から加点主義へ変える

一方、多くの上司は、部下のできていないことに着目して「なんでできないんだ!」と部下を責めてしまいます。
できないことに注目すると、部下はできない人間だと思い込み自己肯定感を下げてしまいます。

これでは、部下は心を閉ざして、残りの仕事をどう終わらせたらいいのか考えることができません。

だから、上司のあなたは「ここまでできたね。おつかれさま!」とできたことをねぎらい「残りはどうしようか?」と問い掛けます。

すると、自分ができたことに達成感を感じることができ残りの仕事をどう処理するか積極的に考えることができます。

例えば「明日、定時に終わらすために、どんな時間配分にすればいいのか」「どんな優先順位で仕事をすればいいのか」と質問してあげれば、部下は、明日の仕事をイメージしながら具体的に考え実践できるようになります。

あくまでも、部下の考えを尊重し、足りないところを上司のあなたのアドバイスでフォローしてあげれば、部下の悶々とした気持ちは、晴れていきます。

「今日できたこと、残ったこと、明日はどうすればいいのか」を自分で考える振り返りの習慣を付けていけば、自立した部下になっていきます。

報われる一瞬を作る 

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ある職場で、部下が、上司に頼まれた書類を一生懸命に作り続けました。ところが、目標までに完成することができなく、上司は「なんで終わらないんだ」と部下を責めました。
すると、「部下はすみません」と言って頭をさげました。

次の日から会社に来ませんでした。

一方、上司が次のような対応をしていたらどうなっていたでしょう。「終わらなかったけど、一日よく頑張ったな」と一言掛けてあげれば、部下は「この上司は私の頑張っているところをちゃんと見てくれているんだ」と自分の努力が認められ嬉しくなります。

部下が報われる瞬間です。
さらに、上司への信頼と仕事への意欲を持つことができます。

忘れてはいけないことは、「おつかれさま!今日も頑張ったね!」の一言で部下を労ってあげることです。

仕事が終わったという達成感と自分は必要な人間なんだという幸福感を感じることができれば、部下は、ゆっくり休むことができます。

今回のポイント
① 一日の仕事にけじめをつける
② 5分のフィードバックタイムを設ける
③ 減点主義から加点主義へ変える
④ 報われる一瞬を作る 

今回の質問です。

「部下が報われるために、どんな一言を掛けていますか?」

いかがだったでしょうか。リモートワークで部下のモチベーションを上げる6つのポイントを使って、部下が安心して働くことができるリモートワーク環境をつくれば、部下自身が自分をタイムマネジメント(時間管理)とタスクマネジメント(仕事の進捗管理)ができるようになります。

さらに部下の心のケアもできるようになります。上司のあなたは、上司としての器をさらに広げ慕われる上司となるでしょう。

拙著「部下が変わる本当の叱り方」明日香出版社を読んでいただけると、部下とのより良いコミュニケーション術を手にいれることができます。


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