古市 レオナ / 大森本場海苔問屋 吉田商店

海苔の本場東京大森にて明治五年創業の海苔問屋「吉田商店」営業部の古市 レオナです。 弊…

古市 レオナ / 大森本場海苔問屋 吉田商店

海苔の本場東京大森にて明治五年創業の海苔問屋「吉田商店」営業部の古市 レオナです。 弊社は主に伊勢湾産の海苔をメインに扱い、高級老舗寿司店や、料亭、全国の有名百貨店等に納入しています。 こだわりや美味しい食べ方、海苔屋の思うこと等を私の視点でnoteにしていきたいと思います。

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海苔問屋の使命

海苔は日本人にとって非常に身近な食べ物です。 でも、本当に美味しい海苔に出会ったことはありますか? 見た目ではほとんど変わりがなく、黒いか黒くないか程度しか分かりません。しかも、スーパーなどで売っている場合、ビニールに入っていることが多いです。 この状況では一般の方では美味しい海苔を見極めることは非常に困難です。 そこで海苔問屋の出番です。 海苔は冬の間に生産地の漁協にて行われる「入札」で買い付けます。 ここではサンプルがあるので、海苔を見定める事が出来ます。 見定める

    • 今が海苔屋の勝負時

      ご無沙汰しております。フルイチです。 あけましておめでとうございます。前回の投稿が10月、、、 振り返ると年末忙しかったんだなぁと感じさせられる投稿頻度の空き具合。 オハズカシイ。。。 そんなことよりもですね、、、 海苔屋は今が勝負時なんです。 このnoteでは海苔屋がどんな勝負をしているかをお伝えしていこうと思います。 ① 海苔の入札(仕入れ)11月末から4月中旬までの入札で1年分の海苔を買う訳です。 『良い海苔を買いたい!』と 全国の海苔問屋が思っているので、そう簡単

      • 海苔屋の海苔の食べ方。

        ご無沙汰してます。フルイチレオナです。 すっかり会社の行き来が寒い季節になっちゃいました。。。 前にnote書いたときは暑かったような...?? とは言うものの、海苔屋に入ってまだ1年も経っておりません。 ただただ、毎日、海苔の奥深さ、この業界の秘めたる可能性、海苔の美味しさなどなどに度肝を抜かれて過ごしております。 こないだ秋の決算セールが終わり、多くのお客様に購入して頂きました。 美味しい海苔が全国の食卓で食べられている事をしっかりと実感し、改めて身の引き締まる思いを

        • 極吟味『銀座』

          こんにちは! 新入社員のフルイチです。 9/14(月)10:00~発売する数量限定商品。 極吟味「銀座」の宣伝と小話です。 こんなに美味しい海苔が食べてもらえないのは、海苔に失礼だから、何とかしよう!この企画がスタートしたのは数か月前。コロナ禍において飲食店や百貨店が休業するタイミングでした。 海苔問屋は1年分の海苔を買い付けて、1年かけて売っていくので、売れないと海苔が残ってしまいます。 言うなれば、毎年初めに在庫を抱えているわけです笑 その為、秋の決算と年末に大きな

          【№1】社長に訊く海苔の話「はこびぐさ」

          新入社員の「レオナ」が疑問に思ったことを社長に直接聞いていく企画の第1弾として、吉田商店の商品の中でもファンの多い「はこびぐさ」について聞いてみました。 味に関する質問はもちろんデザインの事や、名前の由来など社長にいくつか質問をしてきました! 社長よろしくお願いします! Q.「はこびぐさ」はいつから売っている商品ですか? A.2007年の9月に販売開始ですので約13年経つ商品です。創業150年の歴史から考えるとまだまだ育てている最中の商品です。 Q.「はこびぐさ」とは

          【№1】社長に訊く海苔の話「はこびぐさ」

          1930年代のデザイン

          これは、吉田商店が販売している「碧」(みどり)という商品です。 主にギフト用に販売しております。 新入社員として入社した時「ずいぶん攻めた色使いの商品だなぁ」と思いました。 かなり鮮やかな緑色の缶に、ピンクと金の花びら(?)が飛んでいる。。。 その後話を伺うと、1930年代にデザインされたものをほとんどそのままのデザインで今なお販売している事を知りました。 ピンクと金の花ビラのような部分は「海苔の胞子」を表現しているそうです。 1回だけデザインを変更したのですが、、

          「海苔の香り」は何種類もある!

          海苔問屋なので、商品になるまでの色々な段階の海苔が身近にあります。 ・買い付けてきたそのままの状態の海苔 それを等級、産地、生産者、収穫日で仕分けした後... ・乾燥させた海苔→乾海苔 ・それを焼いた海苔→焼海苔 これらの海苔は、それぞれ異なる香りを持つ事をご存じでしょうか? 海苔屋になるまで私も知りませんでした。 そんな、各段階の海苔の香りについて気付いたことを書いていきます。 買い付けてきたそのままの状態の海苔この状態の海苔は乾燥しきってない状態の海苔です。

          「海苔の香り」は何種類もある!

          シャカシャカ→ガザガザ

          湿ると熱くなる乾燥剤湿気を嫌う海苔にとって、とても大事な存在です。 乾燥剤は湿気を吸うと熱を持つものが多いです。 しかも60度以上の高温になるものも多いです。 となると、、、 もし万が一誤食をしてしまったら、、、 そう考えただけでもちょっと怖いです。 今、吉田商店で使っている乾燥剤は濡れても高温にならないタイプの乾燥剤です。もし万が一があっても大けがはしないはずです。 こんな地味なこだわり今まで誰にも言ってませんでした。。。 とまあこだわりはさておき、乾燥剤の寿命の見

          「味」と「香り」はスピード勝負

          海苔の天敵は「湿度」です。 当然ですが、もともと海で育ったものを乾燥させているので海苔は吸湿力が非常に高いです。 ・「ふわっと香る磯の香り」 ・「パリッとした歯触り」 やはりこの2つは湿気を抜ききった焼きたての状態が最高だと思います。 工場内で海苔を焼き始めると、とてもいい香りが工場中に充満します。その香りは産地やグレードによっても変わります。 出来立ての海苔は「香りごと」袋詰めされてると言ってもいいのかもしれません。歯触りも同様です。やはり、出来立ての海苔のパリッと感

          「味」と「香り」はスピード勝負