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誰が「飲食店で働く人の幸せ」を本気で考えているか?

タイトルの疑問を持つようになったのは新卒入社したぐるなび営業時代でした。

きっかけは毎日4件ペースでオーナーや店長と打ち合わせする中で
「あ、この人は売上が上がっても幸せそうじゃない」
そう感じたことが数えきれないくらい多くありました。
「飲食店のためになりたい!」と息巻いている自分は飲食店の"誰を"幸せにしているんだろう?
そんな疑問です。

ぐるなび企画職に異動、飲食店プロデュース会社に転職、飲食店のサポーターとして独立する中でその疑問は次第に深くなっていきます。

「飲食店を助けたい!」
「飲食業界を盛り上げたい!」
「飲食業界をアップデートしたい!」

こんなにも飲食業界を想って活動する人やサービスが多いのに、なぜ飲食店の70%が人手不足で、飲食店の離職率は26%と倍近い数字(全産業の平均は26%)なんだろうか?

そもそもみんな言う「飲食店」「飲食業界」に働く人の幸せは考慮されているのか?

ある程度は考慮されているだろうけど、ビジネスで金儲けするための口実にされていないだろうか?


正直、こんな考えに至るほど、働く人に焦点が当たることは少ないと感じています。


飲食店で働く人の幸せを一番考えているのは誰?

一番考えているのはきっと飲食店の経営者や店長など、現場で一緒に働いている人です。

私も負けないくらい考えていると思いたいですが、現場にて毎日1対1で向かい合っている方以上に個別で深く考えることはできません。

・昇進して店長になって今の大好きなお店の責任者になりたい
・今の店舗で経験を積んで同ブランド同業態のエリアマネージャーになりたい
・自分で開業できるレベルに至ってから独立したい
そんな目標を持って働くスタッフのサポートなら全力投球できているのではないでしょうか。

ただし、飲食店で働く上での幸せを考えることはできても、業界外の仕事も含めて一歩引いたサポートをすることはできないはずです。

自店のスタッフを外に送るようなことは店舗のデメリットですし、そもそも飲食店内部で教育する側の人も飲食店以外の仕事をしていないケースが多いです。
何より、経営者や店長が転職などキャリア支援を行なっているわけでは当然ないので、そのサポートに全力を出せません。

私も自分で飲食店を経営してみて、フルコミット社員が長く激しく働いてくれて助かりました。
私自身は飲食店のキャリア支援を事業として行なっていたので、別の仕事に活きるよう幅広い業務をお願いしてキャリア相談にも乗ることは徹底しましたが、普通に経営したらスタッフが外に出たくなるような業務依頼やキャリア相談対応はしないと思います。
実際そんなことをしている店舗は圧倒的に少ないです。

ただし、ご存知の通り飲食店の労働環境は長時間労働や激務など課題だらけ。
誰でも耐えられるわけがなく、飲食店の仕事が長く続く人は超人ばかりです。

本当に超人しか続かないので、飲食店の仕事は誰でもできるわけでなく、むしろ再現性が低いとまで感じます。
長く働ける人は特別な限られた素質を持つ人です。


であれば、飲食店での働き方が合っていない人、他の仕事をしたい人はどうなるのか?

今の飲食店の労働環境であれば、飲食業界から離れる人が多いことは当然の流れですよね。

しかし…

飲食業は続けるだけでなく離れることにも高いハードルがあります…


キャリア支援において飲食店経験者は後回しの現実

飲食店スタッフが別業界の仕事に転職するサービスを2年間くらい運営していたのですが、人材業界において飲食店経験者が全く優遇されない現状を目の当たりにしました。

根本の原因は、多くの企業が飲食店経験者を積極採用していないことです。
これは当然の話で、営業の求人なら営業経験、エンジニアの求人ならエンジニア経験が優遇されます。
どの企業も人を1から育てるより即戦力が来た方が嬉しいはず。
飲食店の経験が他の業界で即戦力とみなされることは、実際ほとんどない厳しい現実がありました。

確かにキャリア関連のセミナーをやっているけど、飲食業界の人が聞いても参考にならないものばかり。
PCで仕事を進める一般企業でのお仕事が対象。

それゆえに、求職者と企業のマッチング専門家である転職エージェントも飲食店スタッフはノーセンキュー
現役飲食店スタッフの求職者を企業やエージェントに何度もプレゼンしてきましたが、企業に書類で落とされたりエージェントには良い求人を紹介してもらえなかったり…
何度も悔しい思いをしてきました。


飲食店以外の仕事に対する解像度の低さ

一方で、企業やエージェントすらも飲食店経験が何につながるか見えていないわけで、求職者自身も自分が別のどんな仕事で活躍できるかわかりません
そもそもどんな仕事があるかも曖昧でわかっていない。
そのため転職の成功が難しいです。

やりたい仕事のイメージが湧かないまま転職して合わない仕事をやむを得ず続けている人も多く、しかし働き方や条件面から飲食業界に戻れない人もたくさんいます。

激務で身体を壊したから飲食店を辞める。
家庭ができて収入を上げるために飲食店を辞める。

そのような辞めざるを得ない状況での転職では、飲食店の仕事に対して未練を持ったまま、やりたくない仕事を頑張ることになります。


人材市場における飲食店経験に対する評価が低すぎる問題

もちろん業界・職種に関わらずキャリアチェンジは簡単ではないです。
飲食店の仕事のように一般企業の仕事と業務内容に大きな違いがあると尚更。
仕方ない反面もあると思います。

しかし私は、飲食店経験は非常に価値あるキャリアと信じています。
飲食店では販売、製産、採用教育、人材管理、経理、マーケティングなど幅広い業務を経験できます。
膨大なタスクを同時進行で進めながら、対人コミュニケーションも磨かれる。
しかも経営者や店長と近い距離で仕事ができてビジネスに必要な要素が凝縮されています。
単純作業では決してない。

こんなにも大変でやりがいのある仕事が他の仕事につながっていかないわけがない!


では誰がそれを証明するのか?

嘆くだけは誰でもできる。

自分がやるんだ、という使命感から長い間取り組んでおります。

社会人になってすぐ疑問を抱いて、独立と同時にドメイン取得して、今は実際に飲食店経験者にお仕事を依頼することで経験が活きることを証明しています。


飲食店で働いた経験は何につながる?

飲食店で働く人の幸せを実現するための手段は無数にあります
求人サービスもあればコーチングサービスもある。
それ以上に経営者や店長が各店舗で誰よりも働く人の幸せを考えている。

私だけが取り組んでいるミッションではないことは重々承知しています。


では自分がサービスに取り組む上で業界にないピースは何なのか?
考えて考えて考え続けた結果…

飲食店のネクストキャリアを見える化していくことに至りました。


逆算して考えていくと下記のようなステップです。

飲食店で働いた経験が別の仕事で充分に活きる
(ネクストキャリアが見える化されている)
 ↑
飲食店での経験を積みたいと迷いなく思う
(明確な目的を持って飲食店の仕事を続ける)
 ↑
飲食店で働く

まずどの仕事でも働く人には「今ここで働く意味」が必要です。

それは将来の理想に近付くためかもしれないし、お金稼ぎかもしれないし、今が楽しいからかもしれない。
多少キツくても後につながるのであれば耐えられるし、目指す先があればイキイキ働けます。
今の幸福度が高いだけでなく、将来の高い幸福度につなげていくことも重要です。

要は「飲食店で働くことで、次はこんな選択肢もできる!」と理解してもらうことが必要ではないかと。


具体的にどんな取り組みをしているのか…
という話はFacebookやnoteで投稿しています。

ちょっと長くなってしまいましたが、飲食店で働く人の幸せを徹底的に考えていきますので、同じミッションで動いている方はぜひ打ち合わせしましょう!
1人じゃできないことをチームで成し遂げていきたいです。

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