コミュニティ・組織の「楽しもう」「頑張ろう」といったキラキラ文化に、実は疲れているあなたへ
こんにちは、吉田柾長です。
キャリア相談・人生相談を受ける中で「実は今いる環境が合っていないんじゃない?」と回答することが非常に多く、このテーマで考えを書くことにしました。
SNSでは「このコミュニティ・組織が大好きです!」と主体的に発信していても、直接聞いて深掘りすると実は悩んでいるケースも多々。
そんなあなたが、無理して所属しているコミュニティ・組織と改めて向き合うきっかけになると嬉しいです。
向き合い方と、無理しない対策についても記載します。
(僕自身が会社経営とコミュニティ運営している身として自戒を込めて。)
※ちなみにコミュニティと組織を意図的に使い分けており、下記の整理をしています。
コミュニティ論的な捉え方
・社会学に基づく捉え方
・集団を脱中心化して捉え、固定的な構造や明示的なルールに縛られない
・所属メンバーそれぞれが異なる目的を持つという前提に立つ
組織論的な捉え方
・経営学に基づく捉え方
・集団に中心を起点として、構造やルールを持った視点で捉える
・所属するメンバーが共通の大きな目標を有しているという前提に立つ
どちらにも当てはまる考えを綴っていきます。
「楽しむ」「頑張る」文化に疲れている人は多い
これまで様々なコミュニティや組織に所属する中で、「みんなで楽しもう!」や「人生変えるために頑張ろう!」といったキラキラした文化のコミュニティや組織が多くありました。
大半の方はその文化が心地よく所属しているのですが、その文化に疲れていることを自分で薄々感じながらも無理して文化に合わせている方も数多くお話ししてきました。
普段はイキイキしているけど、ふとした拍子に疲れていたり、気付けば楽しめなくなっていたり…
蓋を開けてみたらメンバーの大半が無理していたと発覚したこともありました。
自分が好きで始めたことなのに、残念な気持ちになりますよね。
でも楽しめているタイミングもあるからよくわからないですよね。
その文化に合わせて発信してきただけに、ネガティブな本音は発信しにくいですよね。
僕も同じように無理をして「楽しもう」「頑張ろう」的な文化に合わせていた経験があります。
あなたの近くにいるキラキラしている人も実は無理してキラキラしているかもしれないですね。
無理して「楽しむ」「頑張る」文化に合わせている方に多い特徴
特徴は大きく2つ。
①そのコミュニティ・組織が良い変化のきっかけだった
これまでお話しした無理しているほとんどの方に「コミュニティ・組織に所属する前に辛い生活をしていた」という特徴がありました。
・勢いのあるベンチャー企業に転職して仕事が楽しくなった
・シェアハウスに暮らし始めて生活が楽しくなった
・多様な方と繋がれるコミュニティを見つけて考え方が変わった
それ自体はすごく良いことで、今までより幸福感が上がっていれば決して間違いではないと思います。
ただ気をつけたいのが、そのコミュニティ・組織が自分の最適解なのか?ということ。
後述しますが、コミュニティ・組織と距離を保ちながら良いところだけ享受する工夫をする必要があります。
②責任感が強く、自分からタスクを引き受けてしまう
これは企業などの組織というより、自由に参加できるコミュニティに多いケース。
コミュニティが好きになるほど運営側に回りたい意欲が出てくる方が一定数いますが、そういった方は引き受ける運営コストのバランスを調整しないと無理しやすいです。
人のために頑張れる素敵な方は、気付けば自己犠牲の選択をしてしまうことが多い印象。
誰かがやらないといけないタスクが発生した際に巻き取ってしまい、いつの間にか楽しめなくなっていて「私なんで頑張ってるんだっけ?」っとふと考えることもあるのではないでしょうか。
無理することは必ずしも悪ではない
“無理する”というと悪い印象があるかもしれないですが、個人的にはケースバイケースで無理して良いと思っています。
無理した先に良いことがある「計画的な努力」なら問題ないです。
若手社員なら企業の文化に合わせて無理してでも努力して良いと思うし、コミュニティが大好きで存続させるために頑張っても良いし、金銭的な見返りがなくても成長の機会になるなら先行投資と捉えて頑張れば良い。
ただ僕が気になっているのは「その頑張りが良いことだと無理して自分に言い聞かせていないか?」ということ。
無理して頑張ることと、無理して自分に言い聞かせることは有益性が全然違います。
無理して自分に言い聞かせている努力が後で何にも繋がらないと悲惨です。
時間は有限で何を頑張るか選ぶ必要がある中で、頑張ることの選択自体に無理はしてほしくないと願います。
そもそもコミュニティ・組織は無理させようとしていない
自分が無理していることに不満を覚えた時、コミュニティや組織に怒りの矛先を向ける方もいらっしゃいます。
確かにブラック企業の社員やスタートアップのインターンでは搾取されることなんてあるあるですが、それでもそれは自分の選んだ選択です。
コミュニティ・組織側は基本的にメンバーの動きが活発な方が嬉しいですが、「無理して頑張る人」ではなく「文化に合う人」を求めているはずです。
その文化が合わなければやめれば良いと思います。
コミュニティ・企業は代わりを探します。
対症療法:距離感の調整
とはいえ「確かにちょっと無理しているけど、抜けたいわけじゃない」という方は多いと思います。
そのコミュニティ・組織に所属したいと思っているからこそ無理して葛藤が生まれているはずです。
無理している理由があると思います。
すでに無理してしまっている方に向けた対症療法から。
現状を少しずつ変えて最適解を発見したい場合、「距離感調整」が必要になります。
興味のあるコミュニティ・組織をリスト化し、月あたりの力配分を数値化してみると考えやすいです。
コミュニティ・組織A:80%→40%
コミュニティ・組織B:10%→30%
コミュニティ・組織C:10%→30%
ただ、タスクを増やすのは簡単で、削るのは難しい。
その場合はタスクを細分化して自分のミッションを限定すると良いと思います。
コミュニティ・企業もあなたを必要としているはずで、あなたも所属メリットはを上手く享受する形で調整していけると良いですね!
原因療法:期待値の調整
次に、将来無理しないための原因療法。
下記は僕自身が様々なコミュニティ・組織に所属する中で、期待値を調整しながらコミット量をあげていくとトラブルが少なくなる発見がありました。
そのためのステップを整理します。
①最初は様子を見る
「この環境は自分にピッタリだ!!」と熱量が上がっても少し慎重になりましょう。
運営側もその熱量に応じてタスクを振り分けるかもしれないですが、熱量の上昇が短期的でもタスクは長期的だった場合に後で無理することになります。
②確信が持てるまでは責任者にならない
責任者になると自分の都合で逃げられなくなるため、しばらくは退路を作っておくことも重要です。
責任者になった方がチャンスは巡ってくると思いますが、力配分が大きくなるほど他の機会は減っていきます。
限られた時間をどこに配分するか後で見直せる事前調整をしておきましょう。
③コミュニティ・組織への共感ではなく、“自分が”やりたいと思ったらコミットする
何らかの役割を担う場合、コミュニティ・組織への共感と自分がやりたいことを錯覚してしまう場合があります。
コミュニティ・組織に全てを捧げられると思っても、自分がやりたいことはタイミングによって変わるかもしれません。
貢献と自己犠牲には限界があります。
それでも最適解がわからないあなたへ
めちゃくちゃ気持ちわかります。
僕もそうで、何かしたいけど何すれば良いか全くわかりませんでした。
そんな時はひたすら動き続けても良いと思っております。
そのうち、やりたいこと・できること・自分に合った環境が見つかるはずです。
世界を広げる上でオススメのコミュニティとサービスを紹介します。
U-29は29歳以下の若手が集うコミュニティ、CREEDOは社会人のためのOB訪問サービスです。
CREEDOで私も経験談をお話ししてますので、興味があればぜひご連絡ください!
SNSでもぜひ絡んでください☺️