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ジョバンニの食卓

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17歳の美希と36歳の父親・広治の、ゆるやかな変化の物語。 2004年に執筆しました。当時通っていた学校の学内コンクールで最優秀賞をいただいたものの、新人賞は一次選考で落選。二… もっと読む
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ジョバンニの食卓7 ぎこちない家族(になるかも)

前回までのあらすじ:17歳の美希は、36歳の父親・広治(こうじ)と二人暮らし。幼い頃に家を出…

吉玉サキ
3年前
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ジョバンニの食卓6 プレゼント

前回までのあらすじ:17歳の美希は、36歳の父親・広治(こうじ)と二人暮らし。幼い頃に家を出…

吉玉サキ
3年前
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ジョバンニの食卓5 「親はなくとも子は育つ」

前回までのあらすじ:17歳の美希は、36歳の父親・広治(こうじ)と二人暮らし。幼い頃に家を出…

吉玉サキ
3年前
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ジョバンニの食卓4 同情しないと決めた

前回までのあらすじ:17歳の美希は、36歳の父親・広治(こうじ)と二人暮らし。幼い頃に家を出…

吉玉サキ
3年前
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ジョバンニの食卓3 花火で書いた文字

前回までのあらすじ:17歳の美希は、36歳の父親・広治(こうじ)と二人暮らし。幼い頃に家を出…

吉玉サキ
3年前
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ジョバンニの食卓2 父の恋人

前回までのあらすじ 17歳の美希は、36歳の父親・広治(こうじ)と二人暮らし。幼い頃に家を出…

吉玉サキ
3年前
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ジョバンニの食卓1 しあわせ

幸せについて、考えてみる。 リビングのソファで眠りこけている陸生(りくお)の、そのおへその下に数本ちろりと生えた情けない毛を引っ張ってみたりしながら。 「いちばんの幸いは、ぼくがここにいることだ」 そう言ったのは、『銀河鉄道の夜』のジョバンニだ。 『銀河鉄道の夜』の絵本は小さい頃、何度も何度も広治(こうじ)が読み聞かせてくれた。ざらざらした画用紙に水彩絵の具で描かれた、手作りの絵本。 主人公のジョバンニは「いちばんの幸い」を探して親友のカムパネルラと銀河鉄道に乗る。