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書籍「あなたの不安を解消する方法がここに書いてあります。」 #全文公開チャレンジ 第14回

こんばんは。ニッポン放送・アナウンサーの吉田尚記です。

#ふあかい 全文公開の第14回。本日は「メソッド2」のつづきからお送りいたします。

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メソッド2  知らない人に話しかけてみよう

人に好かれる方法はない

 ただし、コミュニケーションにはできることとできないことがあると思っています。別の言い方をすると、設定して達成できる目標と設定しても達成できない目標がある。
 前述のとおり、「とにかくいい感じにその場の会話を続ける」という目標は設定できます。それに対する戦略も立てられます。
 一方、今回の相談者のように、「モテたい」「好きにならせたい」という目標は立てられません。残念ながら。なぜならコミュニケーションによって相手の感情をコントロールすることはできないからです。
 あなたに好きな人がいるとします。相手にも好きになってもらいたいとコミュニケーションを試みる。お互い打ち解けていい感じの会話を続けることができたとしても、それはただその場のコミュニケーション・ゲームが上手くいっただけに過ぎないのであって、相手にも好きになってもらうことはゲームの範囲外の話です。
 相手が自分を好きになるかどうかというのは、自分の問題ではなく、相手側の問題。逆に、嫌われるのも同じです。もちろん好きになってもらえる未来が来ないとも限りませんが、それはもう運次第。コミュニケーションの場に自己顕示欲を持ち込んでも、無駄なんです。
 それでも実際その場に直面してみると、無意識のうちに、みんな相手に一目置かれたいとか好かれたいと思って接してしまう。もちろん私もそうです。すぐ忘れちゃう!

 すごく仲の良い友だちとしゃべっていると、何も考えなくていいことってありますよね。自然と言葉が出てくる感覚。特に気も遣わないし、会話が続かなくても気にしない。相手に認められたいとか、今さら好かれようとか、プライドのような邪魔なものは存在しません。
 どうすればそういう関係になれるかというと、それはもう会話を続けた結果でしかない。今、そういう関係の友人や恋人がいる人がいたとして、その相手とは、ひと言も交わさないうちからそうでしたか? まったく知らないところから、会話を積み重ねた先に、そういう関係があるんじゃないでしょうか?
 最初は絶対に気まずかったはずなんです。その気まずさを排除しようとコミュニケーション・ゲームに挑み続けているうちに、気づいたらいつの間にか「この人とは会話が終わらないな」という関係になっている。
 だから、会話を続ける中で「相手が好意を抱く」という思わぬ副産物が生まれる可能性はある。逆に、同じ努力をいくら重ねても「この人とは絶対にそういう関係になれないな」という人もいる。結果はどちらになるかはわからないけれど、まずはとにかくコミュニケーション・ゲームに挑戦してみないと始まりません。

 だから、「友だちを作りたい」も「彼氏・彼女を作りたい」も、それらを叶えるための初手は「いろんな人に話しかけてみよう」になるんです。いろんな人に話しかけるうちに、いくら話しても話し足りない、という相手と出会える可能性がある。
 会話は全然続かないけど顔がいい恋人とか、ちょっとイラッとするけど社会的地位が高くてイケてる友だちと付き合うよりも、理由はわからないけど、会話が楽しい相手と付き合った方が絶対いいと思います。だよね?

もくじ

はじめに
メソッド1
「不安」の正体を明らかにしよう
 -不安はどこからわいてくる?
 -不安は社会の原動力

 -不安の先には、死しかない
 -コミュニケーションからの完全な断絶が、死

 -「不安」はまったく役に立たないもの?
 -不安への対症療法は、「これからどうするか」

 -とりあえず、具体的にやってみる
 -具体化って超大事

 -「なんか大丈夫」感=セルフエスティーム
 -考えるよりも、行動しよう

 -人生で一番役に立たないプライドの話
 -手っ取り早くセルフエスティームを上げるには
 -COLUMN① パソコンは生産の道具、スマホは消費の道具
メソッド2
知らない人に話しかけてみよう

 -「モテたい!」は、叶うのか?
 -コミュ力は才能じゃない

 -知らない人に話しかけるために必要な持ち物
 -コミュニケーションとは、協力型のゲームだ
 -聞いたらダメ、やったらアウトってなんだろう?
 -人に好かれる方法はない
 -彼氏・彼女がほしい! だったら知らない人に話しかけよう
 -実践編① コミュニケーションに最も必要なのは「質問力」
 -実践編② 質問はWhyよりも、Who・When・Where・What・Howが有効
 -実践編③ 会話のきっかけ「木戸にたちかけし衣食住」
 -実践編④ 会話を「えっ!」でトラップする
 -実践編⑤ 間違った情報でもぶつけてOK
 -実践編⑥ 自分の気持ちを表現する=説明力
 -実践編⑦ あいさつをしよう、時間を守ろう
 -実践編⑧ 大きな声が出せていれば、なんか大丈夫
 -COLUMN② 「集中力」は「無視力」
メソッド3
“深刻ごっこ”禁止
 -悩みは自分に何をもたらす?
 -「みんな悩んで大きくなった」はウソ
 -深刻さとはエンタメである
 -決断だけが、人を成長させる
 -承認を目的とすることはできない
 -きみが不機嫌になるのはなぜ?
 -実践編① バンザイして悩んでみよう
 -実践編② 悩みから「暗くなる」をとっぱらってみる
 -実践編③ 適度に“深刻ごっこ”を楽しむ
 -実践編④ 悩むの禁止
 -実践編⑤ やりきることを目的にする
 -実践編⑥ 他人に期待しない
 -実践編⑦ 愛嬌最強説
 -COLUMN③ 引き出しを増やす方法
メソッド4
「面白そう!」さえあれば、人生は大丈夫
 -「夢を持て」って言うけれど
 -100個やって、どれか1個ハマればラッキー
 -今しかできないことをやろう
 -〇〇をやりたいのか、〇〇家になりたいのか
 -楽しむってなんだろう?
 -完全な自由はないけど、どの不自由にとらわれるかを選ぶ自由はある
 -結論。不安を解消する方法=知らない人に話しかける
おわりに

というわけで、今日はここまで。つづきは、また明日!

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