ピエロの拍手はもう見れない。AI批評論

『Netflix、AIクリエイターを募集年収1億円か』
ふとスマートフォンの通知を見ると、スマートニュースからこのようなものが来ていた。
最近アメリカでは俳優や脚本家によるストライキが起こっている。
理由は単純で、AIに関するものだ。

昨今の映画業界では、AI俳優やらAI脚本やらが注目されているらしく、大手制作会社も導入を勧めている。
ではなぜこのようなストライキが起こっているかというと、本人に永続的なマージンや利用料が入るわけでもないのに俳優や脚本家のAI化が検討されているからだ。

例えばいらすとやなどのフリー素材サービスなどは指定枚数以上利用したり、商業利用したりすると"使用料"というのを払うのが一般的だ、だが現在の映画業界はAIに取り込む時、モデルとなった人間に金銭を払うのみで未来永劫どんな大作映画に使われようと一切の使用料は払われない。
つまり出汁だけ取られてあとはゴミ箱に捨てられるようなものということだ。

普通に考えて異常である。どんなコンテンツでもモデルとなった人間や作った人間にお金がいくというには当然であり、そうやってクリエイターは今日まで生活してきた。 

単刀直入に言うが私はAI俳優自体はあって良いものだと思う、AIではない例になってしまうが、ターミネーターでは若かりし頃のジョン・コナーを再現する為にCGでモデルを作成し映画に出演させるという形になった。
あのシーンはとても完成度が高くファンからも好評だった。

ではこれがAIになったらどうだろう、キャストが亡くなってしまい続編が作れなくなってしまった映画を作れるようになったり、ターミネーターのように若き日のキャラクターを出演させられるのだ、だが現状は先程も述べた通り制作会社が高コストな出演料を払いたくがない為だけに利用されている。

AIイラストにしても結局は使う人間の問題なのだ、くだらん商売をしたり、著名なイラストレーターの絵を取り込ませて〇〇風イラスト(AI)とかいう愚行をするから批判が集まるだけで、例えば着想を得るために使ったり単純に個人で楽しんでそれを人に共有するだけなら別に何ら問題もないし、それはデジタルイラストなどが出たときと同じように共存というものになるだけなのだ。

CGも同じで、出た当時は俳優が要らなくなるのではないかなどと騒がれたがやはり俳優の生の演技というものに勝るものはなく結果共存という形になっている。

ここからは私の未来予想になるが、結局AIが一般的になったとしてもやはり俳優は使われ続けると思う。
例えばダークナイトにおける有名なジョーカーが拍手するシーンのような素晴らしいアドリブは人間だからこそできたものだ。

逆に勝手にアドリブをするAIなんて作り手からしたら余計だろう、脚本どおりに動くから求められているだけで余計な動きをしたりすればそれはプログラムの欠陥でしかない。

逆に私の予想が完全に外れてAI俳優だけの下らなくクリエイターを蔑ろにするような世界になってしまったらピエロの拍手はもう見れないのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?