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退職・休職を上司にどう伝えるか?という話

休職中の50代男です。
まだ身分は会社員。休職5ヶ月目にして、少し元気が出てきたので、この文章を書けています。

さて今回は、休職や退職を、どう上司に切り出すか、という伝え方の話です。

とは言っても、私の場合は少し経緯がややこしいので、あまり参考にはならないかもしれません。

当時の私は、メンタル&体調不良であっても「休職」という考えに至っておらず、退職を想定して上司に相談、そしてまずは心療内科の診断するように提案されて受診、診断書が出たため休職に至る、という流れです。

最初から、休職または退職を決意して切り出す場合とは、少し違うかと思います。
参考になるかどうかは分かりませんが、ひとつの体験記としてどうぞ。

それは一通のメールを送ることから

世の中には、「円満な退職マニュアル」みたいな本というのが、いくつも出ているのですね。私も図書館で借りて読みました。
買うほどでもないかと思って。

そういうマニュアルによると、会社に伝える際には、
・直属上司を呼び出して密室で密会し、口頭で話すのが基本
・メールや電話はマナー違反ですよ
みたいなことが書いてあるわけです。
なかなかにハードルが高いですな。

しかーし、私の場合、直属上司の勤務地は、遠く離れた遠隔地。
新型コロナの流行以前からオンラインの会議が中心で、直接顔を合わせて話す機会はいずれかの出張時だけ。
実物に会うのは、コロナ前で年に3~4回、コロナ以降は年に2回くらいしかありません。

すでに体調も思わしくなく、だましだまし業務をしていた状況なので、年に2回行われる次回の評価面談(このときには上司がこちらの事業所に出張してくる)で話そうと決めました。
※直属上司と、さらにその上司の2名が来て、自分と3人での面談。

ただ、評価面談の後で、いきなり「実は・・」と話を持っていくのも寝耳に水で気が引けるので、その日の少し前に、メールで現状の状況と意思を伝えておくことにしました。

メールの下書きをテキストエディタで作成し、何日もかけて推敲に推敲を重ね、送付するタイミングを見計らいます。

ちなみに、メールを送った直属上司は、当然私よりかなり年下で、重要なジャッジは上司の上司(部長)の権限となります。
第一報の段階では、部長宛てには送らず、直属上司1人にだけに知らせ、部長への話の持っていきかたを一緒に相談させてもらおうという考えでした。

メールの内容は、だいたい以下のようなことだったと記憶しています。

・最近のメンタル不調と体調不良により、業務が困難になっている。
・退職の方向で、今後の作業について相談したい。
・転職ではなく今後のことは決めていない。少し休む必要がありそう。

そして、何度も読み返し、覚悟を決めて「えいやぁ!」と送信。
かなりドキドキです。

【補足】マニュアル本に「面と向かって伝えるがマナー」と書かれていても、今のご時世は、メールやチャット、オンラインミーティングなど、コミュニケーション手段が多様化しているため、こだわらなくてよいと個人的には思います。
職場によって、適切な方法があるはずです。
上司のところに行って、コソッと「ご相談があるのですが」などと呼び出し、2人で会議室に入っていくなど、他の社員の目に触れずして行うのは困難でしょう。怪しい雰囲気まんまんです。
上司の年代が30代40代であることも多いし、昔からの慣習には捕らわれないでいいのではないかというのが私の考えです。
職場によるでしょうから、それぞれの流儀に従えばよいと思います。

メールの反応は・・

返信が帰ってきませんでした。あれ?

スルーです。
近年、ビジネスの現場では、スルースキルという言葉が時たま登場しますね。鈍感力とも言いますね。
それとは違うようです?

確かに、普段は遠隔地なので顔を合わせないということもあり、前兆も気付かなかったと思うので、びっくりはしたでしょう。
メールを読んでいない、というわけではなさそうで、何かが水面下で動いているような気配はありました。もやもやしますね。

少なくとも、まだ人事には伝わっていないのは確実で、もしかしたら上司の上司にも伝わっていないかな、という感じではありました。

まあ、直接の面談の数日前だったので、その時に上司の上司も含めて話す、ということでしょう。
その後は、こちらからはその件に関して、特につつきもせず、日々の体調不良を耐えながら淡々と業務をこなしていました。

面談の日に

評価面談の日。
出張で上司たちがやってきた際、直属上司にちらっと暗号のやりとりのような感じで探りを入れたら、やはり上司の上司には伝えていない、とのこと。

もしや握りつぶす気か?とも思いましたが、面談の場で直接話を出すしかない、という状況なのは把握しました。

で、肝心の評価面談では、やはり今期も成果が不十分ということで、かなり厳しい評価となりました。予想はしていましたが。
給与ランクもさらに下がるとのこと。
あまり意味のない計算ですが、月の手取額を時給に換算すると、時給650円くらい・・。Oh。

落胆はしましたが、かえって腹がすわって話しやすくなったかも。
何食わぬ顔で今期の評価と次期の目標などについて話した後、「実はですね・・」とカミングアウトしました。
事前に知っているはずの直属上司は、「直接どうぞ」という感じでポーカーフェイスです。

まあ伝えましたよ。たどたどしい日本語で。
さすがに絶句していましたね。
今まで前向きな次期のビジョンについて話していたじゃん? 次期の目標ではいい発案だねって褒めたじゃん? というところからの「もうダメ離脱」発言ですからね。
結局「寝耳に水」になってるじゃん。メール無意味か。

しばらく重苦しい沈黙でした。

こういう場合、ほとんどのケースでは、どんな社員であっても、一応は引き止められます。
よっぽどの問題社員でない限り、人員の離脱は純粋に会社の損失になるし、ほぼ全社員がキチキチに作業が詰まっているので、進めているプロジェクトにも影響は出ますからね。他メンバーの士気にも関わります。

上司からはお決まりの質問、この先どうするのか?、この歳での転職は厳しいよ、今より条件の良いところを探すのはほぼ無理だよ、社内でも時短勤務とか利益評価を追求しない働き方も選択できるよ、などなど。

結論としては「いったん保留」
・・って、これは結論とは言えないけど。

つまり、判断は少し先送りし、人事とさらに上の役職に上げるのは、もう少し待つ、ということになりました。

というのも、評価面談があったということは、その後に賞与の支給日が控えているということです。
そもそも評価面談の目的は、賞与日の数日前に、「あなたの今期の評価がこれくらいで、賞与は○%プラスまたはマイナスになりますよ」と伝える機会です。

賞与がもらえなくなる事態を避けるため、確実に支給されてから、もう一度話しましょうということになりました。

賞与の直前で強制的に辞めさせられるなど、本来は(就業規則、および法的には)ないと思いますが、絶対ないとは言い切れないのが我が社。
過去には前例があったのだと思います。
どうせなら、賞与を受け取ってから離脱したい、と思うのは当然です。

もちろん、体調のことは十分に心配されました。
自分で無理さえしなければ、まだしばらくは耐えられると判断したし、打ち明けたことで少し気が楽にはなった気がします。

上司からパワハラがあるとか、そりが合わないなどの原因ではないので、気遣ってくれたのは分かったし、ありがたかったです。

次の話し合いの場にて

直属上司と、その上司(部長)との間でも、少しは話がされたのだと思います。

次の面談はオンライン会議でしたが、「退職を考えているほど思い詰めていること、メンタルと体調の症状から、一度『休職』を検討してみませんか?受診がまだなら、まずは一度心療内科を受診して、診断を仰いでみてください」という提案でした。

もちろん、休職というシステムは知っていたし、社内でも、何人か取得した社員がいるのは知っていました。
ただ、それまで自分が病気であるという自覚がなく、休職を取ることができる条件に当てはまるとは思ってもみなかったので、この提案には「えっ?」という驚きと気付きでした。

部長曰く、「療養のための休職は、サラリーマンとしての権利であるし、その間は手当も支給されます(その時は知りませんでしたが傷病手当金のこと)。何人かの社員は、その制度を利用して休職を取得しています」ということでした。

「分かりました。では、まずは精神科か心療内科を探して行ってみます」ということになり、その日のうちに病院を選んで予約。
2日後くらいに半日有休を取得して受診し、「適応障害」の診断書が発行された、という流れです。

ちなみに、会社側としても打算があったと推測します。
このときの私は、業績の評価は低かったものの、わりと重要な部分をいくつか担当しており、他のメンバーでは分からなかったり負担になる、という実態がありました。
もちろん、属人化を避けるため、マニュアルやドキュメントは残していますが、実際にやってみないと問題に気付かないこともあります。
退職されるとノウハウが失われますが、休職であれば、復職する可能性もあるし、社員としては在籍のままなので、どうしても最悪の場合には問い合わせができる、という保険を残しておきたかったのだと思います。

今回の記事は、上司への伝え方がテーマだったので、ここまでにしておきます。
その後は、診断書を送ることで人事にも開示され、休職に向けて手続きが進むと同時に、メンバーへの開示、引き継ぎ、と怒濤のような日々でした。
体調の方は良くなかったですが、「休めるんだ」という安堵と、引き継ぎだけに専念すればよい、という負担減で、何とかしのぐことができました。

参考リンク(別記事)

初めて心療内科にかかったときの探し方、受診のしかたを記事に書きました。ご参考まで。

会社がつらくてたまらないなら休職という手があるよ


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