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初めての心療内科のかかり方 【後編】

初めての心療内科(メンタルクリニック)のかかり方【前編】はこちら

前半の記事では、初めて心療内科にかかる際のクリニックの探し方、決め方について記載しました。

思ったより長くなってしまったので2部に分けましたが、後半では、クリニックを決めてから、予約~診察までの様子について書いてみます。

あくまで、個人的な経験と考えですので、これが正解ということはありません。その点はご了承ください。

参考になるかもしれない人だけご参考までに、という程度の情報です。

心療内科の予約をしよう

メンタルが弱っている時に、初めて心療内科の扉をたたくのは勇気がいりますよね。でも、そこが第一歩です。
とりあえず「案ずるより産むが易し」と唱えて、予約を取りましょう。

ウェブサイトからのオンライン予約が可能なクリニックもあるようですが、初回の診察予約は電話のほうがよいと思います。

オンラインで予約を入れても、結局何かの確認や質問のため、電話をかけたり、かかってきたりしても二度手間ですからね。
それに、受付対応の好感度も確認できますね。
※どうしても電話がつらい、という場合は、取っかかりはオンライン予約でもOKと思います。負担の少ない方で。

以下は、初診時の電話予約の対応例です。
自分のときを思い出しつつですが、あくまでも例です(2度言った)。

医:「はい、○○クリニックです」
患:「心療内科を受診したいので、予約したいのですが」
医:「こちらは初めての方でしょうか」
患:「はい、初めてです」
医:「受診いただくのは電話のご本人様でしょうか」
患:「はい、本人です」
医:「いつがご希望でしょうか」
患:「今週○曜日の午後など空いている時間はありますでしょうか」
医:「少々お待ちください・・・○○医師でよろしいでしょうか」
患:「はい。構いません」
医:「15時でしたら空いていますがいかがでしょうか」
患:「大丈夫です。それで構いません」
医:「ではお名前と生年月日、電話番号をお願いします」
患:「○○と申します。生年月日と電話は・・」
医:「簡単で構いませんので、どのような症状か教えていただけますか」
患:「メンタル面から体調不調の症状が出て、上司のすすめで休職相談です」
医:「わかりました。では初診の場合、事前に問診表の記入などがありますので、15分ほど少し早めにいらしていただけますか」
患:「わかりました。ではよろしくお願いします」

ってな感じでしょうか。

クリニックによって、確認事項は異なると思いますが、予約の電話の前に以下のようなメモをまとめておいたほうがスムースでしょう。

◎自分の都合がいい希望日時(複数候補)
◎受診理由(症状)を極めて簡単に説明
◎複数の医師が在籍している場合、希望の医師がいれば伝える
◎その他、質問事項(交通アクセスや支払方法など、疑問があれば)

予約時、メモ帳や筆記用具、カレンダーを手もとに用意して電話してください。
普段、スマホのカレンダーやメモ帳を使っている場合、スマホから電話をかけると参照しづらいので注意です。
紙のメモやカレンダーを用意できなければ、スマホを見ながら固定電話でかけるなど、工夫が必要かもしれません。

通院前までに準備をしよう(任意)

初診の場合は、患者の話をじっくり聞くため、30分程度は時間をとってくれているかと思います。
※ちなみに、2回目以降の診察は、現状確認のみで5分以下で終わる場合も多いです。

私の場合、通院前は少々頭が混乱していたこともあり、初回の診察時に、自分の口からうまく状況を説明できる自信が全くありませんでした。
高確率でしどろもどろになってしまう可能性がありました。

そこで、おすすめなのが、現在の症状などをまとめたメモを持参することです。
診察を受ける前に、パソコンで状況を個条書きして印刷しておき、その紙(A4サイズ1枚)を持参しました。
2部用意しておき、1枚は自分用、1枚は医師に提供用としました。

もちろん、初診時にはまず問診票を記入するので、内容がダブってしまうこともありますが、問診票では書ききれないような、より詳しい内容をまとめておく、ということです。

事前に落ち着いて書かれたメモは、医師の理解、判断にも非常に役立ちます。
結果的に、口下手の私が言葉で説明するよりも、スムースに状況が伝わったかと思います。
医師からも一応は好評(?)だったようで、「この紙いただいていいですよね?」と言ってくださいました。

紙に書いていったメモの内容は以下のような感じです。

・現在の仕事内容
・受診に至った経緯
・背景(会社の状況)
・いつ頃から症状が出始めたか(きっかけ等があれば)
・症状(メンタル面)
・症状(体調面)
・その他 補足
・家族構成

他にも、もし職場でストレスチェック等の実施が行われているのであれば、直近の結果を印刷して持参するのも参考になるかもしれません。

受付をしよう

予約時に言われたように、時間の20分くらい前には到着して受付しました。
待合室では、他の患者さんが7~8人ほど。

初診ということで、話に聞いていた通り、問診票の記入をしました。
内容の詳細は覚えていないのですが、職種や既往歴、現状の症状などの項目があったように記憶しています。
上記のように、事前にメモをまとめていたので、その内容と食い違いがないように書いていった感じです。

結構、次々に患者さんが入れ替わっていきますが、何度も受診しているような人は、5分程度で出てくることも多かったように思います。

が、予約時間を過ぎてもなかなか呼ばれず、結局それから30分くらい待つことになりました。

まあ、病院で待ち時間が長いのは、これまでの人生でも慣れているし、そんなもんかな、と思いましたが、普段はあまりそういうことはないらしく、受付の方からも申し訳なさそうに謝罪されました。
初診の場合は、時間に余裕を持っていった方がいいと思います。

診察を受けよう

番号札で呼ばれて診察室に入ります。
木のフローリングに、木製のダイニングテーブルと椅子。
診察室というより、リビング・ダイニングという雰囲気でした。

テーブルの上にはデスクトップパソコンだけが置かれており、奥に先生が座っていて、その向かいに座るというスタイルです。
患者側は、2~3名までは同時に座れるだけの椅子が用意されていました。

私が行ったクリニックは男性の院長先生と女性医師の2名(夫婦ではない)で、私の担当は女性医師でした。

これは、予約時にも聞かされていたし、ウェブサイトにも顔写真付きで経歴も掲載されていた医師だったので、心の準備はできており、「よろしくお願いします」という感じで面談を始めました。

問診票は把握されているとは思いましたが、簡単に口頭で診察理由や症状を伝えつつ、事前に用意していたメモを渡しました。
そのメモがあれば「話は早い」という感じでした。

私よりは年下の女性医師ですが、気さくで話しやすく、うんうんと相づちをうちながら、真摯に話を聞いてくれました。
話した内容は、ほぼメモに書いていったことをなぞる感じでしたが。

ちなみに、無理に調子が悪いフリをする必要はありません(笑)。
別に診察時に調子が悪いわけではなければ、普通に対応して大丈夫です。
「あなた元気そうだから診断書は出せないよ」などとは言われません。

私の場合、こちらの意思として、退職を考えるほど思い詰めていて、まずは長期休暇(休職)を取得したい、という希望は伝えました。

会社を離れると、比較的体調と精神は安定していること、食欲や睡眠はあまり問題ないことから、投薬の必要はないと判断されました。

結果的には、想定通り、「診断名は『適応障害』になります。休職のための診断書を出しましょう」という感じで、帰りの精算時に診断書を渡すということになりました。
診断書には期間が必須ですが、最長が2ヶ月ということだったので、最長でお願いしました。

いつから休職に入るか、というのはこの時点では分かりませんが、「まずはゆっくり休んでください。仕事のことは考えないでください」と言われました。
次回の予約日時も、その場で医師と打ち合わせて、およそ1ヶ月後の日時を決めて部屋を出ました。

診断書を発行してもらおう

精算を待っている間に、診断書を作成していただきました。

診断書の休養期間は、初診の診察日当日を開始日として、「○年○月○日から2ヶ月の休養が必要である」という記載になっていました。

医師から「どれくらいの期間にしておきましょうか」という相談があるかもしれませんが、自分では1ヶ月以内で早めに復職する可能性があるかも、と思っても、最長の期間で診断書を出してもらうよう依頼するのがよいと思います。

なぜなら、診断書は保険外であり、1通あたり2,000円~3,000円くらいの費用がかかるためです。
そして、かなりの確率で延長する可能性はあります。
診断書の期間を短めにしていて、延長となった場合に、余分に診断書の料金が必要となってしまいます。
逆に、診断書の期間よりも前に復職できるなら、それは問題ありませんし。

診断書を元に会社に長期休暇届を出すことになると思いますが、日付と期間は重要なのでしっかりと確認しておきましょう。

※私はすでに何度か延長していますが、診断書で「空白の1日」ができてしまい、会社の経理から指摘を受けたことがあります。

費用について

初診+診療の自己負担額が2,090円、診断書が2,200円、合計4,290円でした。
薬は出されなかったので、費用はかかっていません。

次回、1ヶ月後の日時の予約票の紙をもらって完了です。
このクリニックでは、セルフレジになっていて、各種バーコード決済に対応していたので、PayPayで支払いができました。
病院はどこも現金払いという先入観があったので、おおっ!と思いました。
思いっきり余談。

まとめ

前編・後編に分けて、はじめての心療内科の探し方から予約、診療までをお伝えしました。

わりと適当に選んだクリニックですが、悪くはない感じだったので、これからしばらくは定期的に通うことになるかと思います。

別記事、「会社がつらくてたまらないなら休職という手があるよ」でも書きましたが、本気でぶっ倒れる前に受診することが大事。

あらゆる病気が「早期発見・早期治療」が有効であるように、メンタル面でも、「まだいける」「甘えてはいけない」などとは思わずに、「ちょっとヤバいかも」のレベルで対処することが何よりも大切だと思います。

日常生活には支障がない状態での受診であれば、とりあえず休職の根拠となる診断書を出してもらい、時々チェックを受ける、というのがクリニック利用の目的となるので、ぶっちゃけクリニックの力量や評判の差は、あまり気になりません。

「どうしてここまで放っておいたんだ」というほど重篤化してからの治療となると、治療も長期戦になるし、もしかしたら入院の必要も出てきて、医師との相性、環境、投薬なども含め、病院選びがよりシビアになります。

また、せっかくの休職も、「心身を休めるための休養」ではなく、何も楽しいことができない「ガチ治療」になってしまい、とてもつらい期間になってしまいます。

もし、メンタルに何か不調を抱えているなら、(休職するしないに関わらず)躊躇せずに心療内科に相談されることをおすすめします。

長文を読んでいただき、ありがとうございました。

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