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食料と水の不足の問題に、なぜ政治なのか?援助をすれば済む話ではない理由

以前にnoteに書いたように、世界の平和について考えてみた結果、5つの優先事項があるとの考えに至りました。その中にあるのが、「食料と水の不足によって苦しむ人がいない世界の平和」です。

以前のnote:あなたが考える世界の平和とは、どんなものですか?

・戦争や紛争など傷つけあって苦しむ人がいない世界の平和
・人口の増加を背景とした問題をうまく解決できる世界の平和
・食料と水の不足によって苦しむ人がいない世界の平和
・社会全体の道徳性と社会性の向上によって政財界の腐敗や汚職がなくなる世界の平和
・政策の失敗による一つの国家内での貧困や不幸せが少ない世界の平和

上記noteの中で「食料と水の不足の問題は、政治、生産力、人口増加と密接に関係していると考えられます。」と書きましたが、こちらについてより詳しく考えをまとめてみます。

食料と水が不足している場合、援助が必要か?援助をするべきか?

まず政治について考える前に、援助について考えてみます。援助にも種類がいろいろあるため、物資の援助から考えてみます。

前提として、今ある命を救うことは非常に重要で、そのための物資援助は意義深いものだと考えます。一方で、慈善的な物資援助は根本的な解決にはなりません。

例えば貿易を行っていない人口10億人の発展途上国があったとして、そのうち9億人が継続的に食料と水の不足に苦しんでいたとします。その9億人が生きていけるように、食料と水を諸外国が援助するのは、持続的な解決策と言えるでしょうか?

仮に諸外国が9億人分を援助し続けられて一時的に問題が回避できたとしても、その9億人からは新たに子孫が繁栄し、さらなる人口増加を招きます。この増加した人たちの分もさらに援助していくのは現実的でしょうか?

不足を招く要素:「生産量の限界」と「人口」の比率

本質的な問題は、その国のなかで生産できる食料と水の限度が現状で1億人分なのにも関わらず、10億人まで増えてしまっていることだと考えます。つまり、生産量の限界を上回る規模にまで、人口が膨れ上がっていることに問題があります。

この状態が続く限り、不足はこの先もずっと解決されません。では根本的に何が必要なのか。根本的に不足を解消するには、「生産量の限界を伸ばす」か、「必要となる食料と水の総量を減らす」か。このどちらかまたは両方が必要です。

以前のnoteに「生産能力の向上」と「消費スピードの低減」が必要になると書いているのも同じ理由です。そして、これは個人単位で起こせる変化ではありません。

不足を招く根本的な問題:不健全な政治

根本的に国家の仕組みに問題があることは、この例からみて取れるかと思います。とある国の中で生きていける人口には、その領土内での生産力の限度があります。これは貿易がある実世界においても、途上国においては本質的には変わらないと考えます。
(ちなみに、地球単位で見たときに、人類全体にも同じことが言えます。当然、他の星と貿易などありませんから、地球全体での生産力の限度を考える必要があります)

人口が増えていくのであれば、領土内の生産力をあげる努力が必要ですし、その努力が間に合わないのであれば、人口増加に対する政策を打つ必要があります。そのどちらも行えずに成り行きで起こることが、生産力に不相応な人口増加、結果としてのお腹をすかす人口の増加です。

国全体として対策を打たなければ、その国で支えられない数の人口が増えては苦しみ、亡くなり、また増えては苦しみ、ということが繰り返される。そういった仕組みになってしまっている。本質的に対処するべきは、この部分です。

問題解決に必要なもの:仕組みの改善

もちろん、10億人のうちの苦しむ9億人を無視することはできませんし、無視されるべきではありません。ですので、慈善的な物資の援助は否定しません。

一方で、それだけでは持続可能性に欠けます。人口増加による慢性的な食料や水の不足を解決していくためには、仕組みに働きかける長期的なアプローチも必要です。例えば官側(政策によって行動変容を促す)アプローチや民側(市場経済の原則を課題解決方法を組み込む)アプローチなど。

すでに起こったことへの対処療法とは別の方法で、仕組みとして問題が起こらないようにしていく、または起こった問題を解決できる力が働く仕組みにしていく必要があります。

そのためには、健全な政治による政策と、健全な経済活動の促進が必要です。


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このように書くのは簡単ですが、実際には途上国は政治に問題を抱えていることが多く、また政治の健全化に対する効果的な働きかけがなされていないのが現状です。

次回はこの部分をより詳しく書き足すか、別のnoteに書き起こそうと思います。

なお、誤解がないように追記しますが、発展途上国に対しては、実際には物資以外の援助もされています。例えば技術協力や社会・経済インフラの整備の支援などを、日本政府系の機関や国際機関でも実施しています。ただし、政治の改善につながる部分はあまりできていません。

民需側からアプローチする意義がここにはあり、そこに営利事業として入っていく方法を今も考えています。ちなみに「営利事業として」の理由は、問題に対するアプローチ方法として持続可能性があるからです。この点についても次回に書こうと思います。


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もしもあなたが世界の平和に関心があり、共感していただけるのであれば、ぜひコンタクトを頂けると嬉しいです。

考慮が足りない部分があれば、ぜひご指摘ください。違う観点があれば、ぜひ一緒に議論をしてください。不明点があれば、ぜひお尋ねください。
未熟だとか、遠慮とか、要りません。

まだまだ、技術知識が足りません。まだまだ、政治の世界がわかりません。
まだまだ、問題の理解が必要です。まだまだ、行動を取れる人が必要です。

しかし、やる気はある。始まりはいつもそこからです。

壮大な問題に思えるかもしれません。自分で考えて、自分一人ではどうにでもできない問題だとわかり、諦めてしまう。そんな方も多くいらっしゃるようです。

ですが、

一人で無力だと感じるのであれば、同じ思いを持つ人同士で集まってやればいい。問題が大きすぎるのであれば、その問題を分解して、各問題に人が集まって対処すればいい。

そう思っています。

だから、仲間を集める。まずはそこから。

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