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モノウリを山登りにたとえてみた(なんとなく)

私の仕事は時にコンサル、時にデザイナー。しかし大半は自社でブランドを行っている者である。(ババン!)

私は職業柄、製造業の人とよく打ち合わせするんだけど、ここ最近、「不景気だー」ということで、「なんかしないといけない。手を打たなかったらまずい」という内容の話をよくします。まあ私たちも相当ダメージくらって、ヒーヒーいわされているんですが、それはおいといて、とにかくなんかせにゃ感があるんですね。

で、どうしましょうかという雑談になるんですが、やっぱりよく出る話題は自社ブランドだ、ECだ、クラウドファンディング(CF)だという話になるんですね。でもどうすればいいかわからないし、踏み込みにくいとも言われて、結局なにもしないまま時間が過ぎたりしています。なかには失敗した企業さんなんかも結構います。

いろいろと話しておもったんですけど、工場の開発や営業さんは、専門性が強くまさにプロフェッショナルで、そこに関してはどんな質問もバシバシと答えてくれるんですが、意外と市場自体には疎かったりします。それで新しくブランドやEC、CFをやるにあたっても、よくわかってないことが多すぎるなぁと感じます。

そこで今日はモノウリで失敗するパターンを考えてみることにしました。読んでほしい人は製造系の人ですが、今回の話に出てくる人達はそもそもNOTEとか見てないんだろうな。反対に製造系でNOTEを使っている人はこれから書くことは十分承知していると思うので、これ、だれに向けて書いているのかわからない記事になってしまうけど、まあいいや。

ブランドを登山としてみる

そこでまず「ブランドを立ち上げて販売する」という工程を登山に置き換えてイメージしてみました(思いつき)

そして「目標売上達成」を登頂成功とします。

「売り方や達成の期間」は登山するルートです。

そして、「ブランドを立ち上げる人」は登山者のリーダーといったところでしょうか。こんな感じ。

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これをイメージしてもらったうえで、聞いていて失敗しているパターンを3つ考えてみました。

失敗①登る山を間違えている

これは自分の力量と登る山があってないというパターン。経験もなく、ツテもなく、資金もなしで、うん億円(そこそこ難易度が高い山)儲けるぞっていうことです。すごいムシのいい話ですね。まぁ絶対とは言えないですが、大体失敗します。どれだけ売上を目指すかは大事です。モノウリは手持ちの資金で売上の上限はほぼ見えます。

ようは作った数量以上、売上はたたないということ。作った数からどれだけ売れるかで売り上げってみえるというわけ。乱暴な言い方だと、100万円の製造原価で自分たちで全部売っても大体300万円の売り上げが限界ってコト。それが卸とか挟むとどんどん売り上げが下がる。まあそれは前に書いた記事に書いているので気になるひとは見てください。

そうした仕組みって、意外と上流である製造の人からしたら自分たちから先の出来事やルールは知らなかったりします。で突然自分たちでエンドユーザーさんに売るぞってなっても、当然やり方がわからない、どこにどんなお金を使ってモノが売られていくのかもわからない。そうして失敗が発生します。

なので山の選定(売り上げ目標)はしっかりと設定しないと、そもそも戦いの土俵にも立てずに終わってしまします。プロジェクトの予算と売り上げ目標と打っていく作戦をしっかり立てましょう。そこから初めて目指す山が見えて来そうですね。

失敗②選ぶルートが間違っている

ブランドの性質や、商材によっては、少しづつ売っていくべきアイテムなのに、すぐ売上を付けたいと言って、むりやり広告を展開して一気に登ろうとしている方がいます。言わば山頂に向かって最短ルートの急斜面を挑むようなものです。当然急斜面なので、滑落のリスクがあります。パーティが負傷すれば撤退もやむなしです。失敗のパターンはブランドや商材の性質を理解せずに、功を急いで無理なチャレンジを行うということです。

ブランドを立ち上げる動機は様々で、早急に売り上げを立てなければならないという場合もあるでしょう。また、商材によっては短期間で爆発的な売り上げをつける場合もあります。マーケティングを駆使して、計画的にアタックしている場合は問題ありませんが、問題となるのはその性質を理解せずに投機的にアタックする場合です。経験上、このルートを選ぶ場合、アタックするまでの準備に相当労力(費用)が掛かることを理解しておいた方が良いと思います。地道な市場調査や、ヒアリング、モニター。失敗する率をとことん下げて、アタックに挑みます。それでも最後は運の要素が絡むので正直、小規模ブランド様にはオススメしていません。そもそも予算的にも耐えられない広告費やマーケ費が発生します。

逆に優しい道を選ぶのがベストというわけでもありません。これはつまり、緩やかな坂を長い時間をかけてゆっくり登るということになります。ですが、これではいつまでたっても売り上げに達成できず、みんなが疲弊してきます。両極端のたとえをしましたが、限られた予算とチーム編成の場合、現時点で最も強味を活かせるアタックの仕方で最適なルートを歩むのが良いかとは思います

最近よく聞くCFもありますが、これはこれでいろいろと大変なのでまた別の機会に。

でも広告費ってどんどん溶けてくからめちゃくちゃ恐ろしいです。(小物感)

失敗③チームづくりがおかしい

これは目標に向かってどんなチームで挑むのかということになります。②にも出ましたが、モノウリって一人ではなかなか規模感を達成するには難しいです。いろいろな分野の専門家をチームアップして挑まなければなりません。最短ルートで高い目標を達成するにはさまざまなジャンルのレジェンド級のプレイヤーやディレクターとパーティを組まなければなりませんが、やっぱり予算がものすごいです。大手代理店さんなんかはその編成がすごい豪華ですね。予算もすごいけど。(小物感)

逆に低予算パーティは値段相応といった理屈となります。こればなんとも言えませんが、どうもチーム作りにおいて失敗するケースはこのチーム編成がうまくできていないというケースがあるようです。つまり、ブランドをする人がどんな人を集めたらいいかわからない。で、なんとかしてくれそうな人(行政)に相談に行く。その情報を鵜呑みにして、チームアップを行う。機能すればいいんですが、そうならない場合の軌道修正ができていないんですね。まあ様々な理由があるはずですが、あまり深く考えないようにします。

じゃあどうしたらいいんだということですが、リーダー(ブランド発起人)が提案者からの情報だけを鵜呑みにせず、しっかりとその内容を精査して、理解して、ほかの情報も集めて、自らが判断して選択するということです。まあ当然大変なんですが、そもそもお金という大きなリスクを背負って実行するのに、案外自分の知らない分野だと100%任せるというスタンスがあります。またその判断までのプロセスがそうさせているのかもしれません。信頼できる人だからとか、行政からの推薦だからとか。

そしてチーム編成のフェイズはこっちが依頼する立場なので、結構すんなり進む(当然こちらが費用を支払うのだから)のですが、実は一番気を付けたい部分であると思います。はじめの方に行うアクションなので、じっくり選ぶというのもなかなか焦ってしまいます。ですが、これを見誤るとあとあとのことすべてがうまくいかない場合になります。

あとついでに言っておくと、ブランドの指揮棒を振る人間がだれなのか明確でないと、プロジェクトの推進力はなくなります。

これは先にも書きましたがリーダーがしっかりとリーダーでなければならないということです。私たちの社内でもよく言ってることです。依頼案件でも依存する企業は往々にして失敗になる場合が多かったです。「よくわからないから、まかせるわ」は絶対に言っちゃダメな発言です。最終的にだれも動かないプロジェクトになります。外部はあくまで外部なので、都合よい動き方をするものです。内部にブランドの責任者を立て、わからなくてもジャッジは自ら行いましょう。余計なお金を払ってしまうことになってしまいます。

でその失敗した結果を雑談時にこう言ってきます。

「とんでもないコンサル(デザイナー)にひっかかった」

と。

なんでやねん!




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