見出し画像

「演劇」という経験が人生の生き方をすこし変えてくれるのかもしれない。

こんにちは、shioriです。

新年1発目の記事です!
今年はyosemicの活動がもっともっと楽しいことになりそうだし、
このnoteももっと更新していきたい所存です!
(気づいたらもう1月が終わるけど!笑)

年明けにyosemicメンバーでスタンドアップコメディをやっている悟道くんと「演技経験」についてちょっと話す機会があって興味を持った「演劇教育」について今日は書きたいと思います。

オープンマイクでパフォーマンスする悟道氏。写真は下北沢ARENAでのオープンマイクの時の写真(2020年)。
お客さんからキーワードをもらい、そのキーワードを取り入れたコメディを即興でやっていく。

日本では馴染みのない「演劇教育」

日本ではあまり馴染みのない「演劇教育」。

私も初めて聞いたのだけど、イギリスやアメリカ、オーストラリアなどの海外では学校教育として実は一般的らしい。

▼参考
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ 
 海外では一般的な、コミュニケーション力・表現力・集中力・想像力を高める「演劇教育」

この記事によると

演劇をとおして、読み書きや歴史の勉強、ディスカッションなど、さまざまなことを学ぶことができます。
演劇教育は、子どもたちのコミュニケーション力や表現力、集中力、想像力、学力を総合的に鍛える素晴らしい教育方法だといえるでしょう。

なるほど。

「演じる」ということをとおして、思った以上に色々なことが学べるらしい。

自分の人生で演じた経験を思い返してみると、年1もしくは隔年である学校の学芸会とか演劇発表会くらい。
大天使ガブリエル(背が高かったから無条件で)とダンスの先生(お姫様にダンスを教える先生、なぜかメガネでキャラ作りした記憶)と猿(さるかに合戦)とおじいちゃん(最後死んじゃうけどめっちゃ良いおじいちゃんでキャラが好きだった)と・・・あとなんだっけ。
とてもたのしかった思い出はある。

でも演劇教育は、日本の学芸会とかそういうものとちょっと違うのだとか。

演劇は海外では“生きる練習”と言われ、学校の授業でも実践されており、こどもの成長過程において必須とされています。

引用元:こども演劇プロジェクトN.G.A  海外で実践される「演劇教育」の効果


これもこどもまなび☆ラボの記事のなかに書いてあったことだが、劇作家・演出家で、文部科学省コミュニケーション教育推進会議委員の座長を務める、平田オリザさんによると、

『ある日、40代の日本通のイギリス人と話していた時、日本の小中学校では演劇はほとんど習いません、と言ったら、「えー!」と驚かれました。そのあとに、「あ、だからですね」と彼が言ったのです。つまり、日本人のコミュニケーションが下手ということや、しっかりと自分の意見を言えないのは演劇をやっていないからだ、というのがイギリス人の感覚なのです。演劇とコミュニケーション能力の学問的な相関性をどれくらい証明できるかは分かりませんが、イギリス人にとっては感覚として、演劇をやっていない=コミュニケーション能力が低いということなのです。イギリスでは、そのために演劇を勉強するのです。

引用元:EDUPEDIA|平田オリザ氏に聞く 演劇を用いたコミュニケーション教育(実践編)


日本の学芸会とかでは、物語があって、台本があって、役を決め、台本を覚えて観客にみせるために演じる。
でもアメリカとかイギリスでいわれている演劇教育は、「クリエイティブ・ドラマ」「DIE(Drama in Education)」といったものが元になっていて、上演するための演劇ではなく、訓練を受けたファシリテーター/リーダー等がいて、即興的で上演を目的にしない過程中心のドラマ活動などのことをいうらしい。


「クリエイティブ・ドラマの母」であるウォードがいうに、

クリエイティブ・ドラマを通して参加者は、「創造的自己表現は発達されるべきであり、同時に自己と社会についての自由な理解を育成させるべきである」
(Ward, 1930, p.2)

100年近く昔の人も演劇教育について言っていたんだと少し衝撃を受けた。

ウォードのクリエイティブ・ドラマの継承者であるシックスは、クリエイティブ・ドラマが個人の精神的成長を助長するとして次の5つをあげている。

①子どもの自信と創造的表現を高められる
クリエイティブ・ドラマをする過程で、グループで話し合ったり、即興的に表現したりすることを通して、自分自身を「自由」に表現できる。
シックスは、クリエイティブ・ドラマにおいて、「個性は常に勇気づけられ、認められ、育てられる」(Sick, 1958, p.23)と強調している。したがって、子どもは自分自身と表現したことについて自信を持てるようになる。

②子どもの社会的態度と社会性を高められる
クリエイティブ・ドラマをとおして、グループで活動について議論し、アイディアを出し合い、それらを取捨選択し、実際に身体と言葉を使って表現し、 お互いに見せ合い、評価し合う。子どもたちはこれらの体験を通して、現実社会で他者とどうかかわっていくかを学ぶ。

③子どもは感情の安定を発達させられる
クリエイティブ・ドラマにおいて、子どもたちは、想像世界で健全な方法によって善悪を表現しながら、感情を統制できるようになる。

④子どもは身体調整力を発達させられる
クリエイティブ・ドラマには、何らかの身体を動かす体験が含まれる。これらの体験を通して、 子どもはエネルギーを放出したり、身体を調整したりできるようなる。

⑤子どもは生き方について考えさせられる
クリエイティブ・ドラマを通して、社会的・美的態度と理解を強めることができ、間接的だけれども鮮明に生き方を子どもたちに示すことができる。


参考:英米のドラマ教育の考察(7) ─ クリエイティブ・ドラマと DIE の変遷 ─
小林 由利子


こういったクリエイティブ・ドラマの考え方は時代や社会情勢に合わせて進化してきているらしい。

演劇では、役を通して人の価値観や人生背景は一人ひとり違うことを体感できるし、劇中の登場人物のコミュニケーション方法なんかもインプットできる。

即興劇というものを私はやったことがないけれど、たしかに現実世界ではなく、ウソの世界である演劇を通して、自分の感情を自由に表現してみる、という経験はすごく学びが多そう。

こういうことを幼少期より体験していたら、
自分と他者は違うということ、自分の感情と向き合うということ、
自分の感情をどう表現すれば良いのか、
あるいは他者の表現をどう受けとるのか、
などを日々生きるなかで考える癖がつくのかもしれない。

自分の感情を受け入れてもらえたという経験も大きな自己肯定感となって
感情を表現することへのハードルの高さが変わる気がした。

日常生活で無意識に自分を演じて、感情に蓋をしている

ちょうどこの「演劇教育」の話をした直前くらいに
「自分が自分らしくいられているのはいつなのだろうか?」
と考えていたから、余計にこの「演劇教育」の話に興味が出た。

会社で働く自分、友達といる自分、家族といる自分・・・

自分らしくいたいけど、
社会でうまくやるには、「(嘘をついて)自分を演じる」ことも必要だなとか
「演じることが自分の防御壁になるんだよな」とか
というか、自分らしいって何、とか。

なんで悟道くんとの話の中で演劇教育の話が出たかというと、
働きすぎが原因で自殺してしまう、そういうことが起きてしまう原因ってなんなのだろう、という話から。

その話が出たとき私は、下記のように確か言ったと思う。
(ほろ酔いだったので記憶は曖昧)

「会社で働いている時間本来の自分と異なる自分でなければならない場合、
ずっと自分とは異なる自分を演じていて
それが朝から晩まで続いたら、本当の自分に戻る時間がなくなる。
知らないうちに、自分を見失ってしまうことってあると思う。」

そしたら悟道くんが、
「海外では演劇教育というものが、学校教育のなかで当たり前にある。演劇というものを学ばないから、日本人はそういう感覚がうまく掴めないのかもしれない。」と。
(こちらもほろ酔い記憶なのでそんなこと言ってないよ!だったらごめんね悟道くん)


この時は軽いやりとりだったしこれ以上深ぼって話すことはしなかったけど、
後からこの「演劇教育」についてちょっと調べたり考えたりしてみて、
そもそも論、自分の感情との正しい向き合い方とか
他者との関係性の中で感情を自由に表現する体感とか
他者の感情の受け入れ方とか
そういったことに慣れ親しんでいないってことは多いにあるだろうなと思った。

だから自分の感情に蓋をする方法で、
周りに合わせて知らないうちに自分を演じてみたり
それで自分を見失ったりしてしまうこともあるんじゃないかなって。

場面場面での感情との向き合い方とか、表現の仕方とか、
コミュニケーションの方法とかをちゃんと実体験として学んでいけば
本当の自分がわからなくなるとかいう不安に襲われることもないのかもと思いました。

大人になって数年経ってしまったけど、思い立ったときが人生で一番早いとき。

今年は、演劇のワークショップとか行ってみようかなと思います。


Shiori


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?