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二年目

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2020年の詩まとめ
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2020年9月の記事一覧

のこりもの

のこりもの

きっと神様はじぶんがいらない部分をあつめてわたしたちをつくったのだろうね

神様からの贈りものなのよ、って美しい言葉に包まれて生まれてきたわたしたち

人間になるたびにその存在が薄くなっていくよ

あなたもわたしもカミサマからつくられたのに
よっぽど汚い部分を捨てたかったのね、カミサマ

どうですか、清くなれましたか、
人間はいつだってアナタのこと美しい存在だと信じています

神様に祈っても届く

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魔女

魔女

何処にいるのか、なにをしているのかわからないけれど
なんだか毎日たのしそうだなぁ、と思われる人間に憧れます
朝日がのぼるすこしまえに目が覚めて
空気よりすこし重いカーテンを しゃっ、とあけてまだ誰にも汚されていない空気を吸って吐いて
おはよう
いつかの昼下がりにコトコト煮込んだジャムをちょうどいい焦げ目の食パンにたっぷりと
サクッと噛めば一日のはじまりの音がします
こどもたちが登校して静かになった

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あおい

あおい

空、青い 空っぽ 透き通って掴めない 落ちてくる 見透かされ
海、青い 暗い 潮のにおい 生き物の死んだ腐ったにおい 絡まって溺れて泡になって
青はわたしを消してくれるどんなにのみ込んでも歪むことなく濁ることなくまた誰かを誘って自分だけが青を知っていると錯覚させるこの世でいちばん美しくて醜い色