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キャッチコピーのあるあるから見えてくる「伝え方のヒント」

コピーあるある、はやく言いたい〜

ということで、今回は広告コピーの裏話

世間の人が、なんとなく広告コピーに持っているイメージってあると思います。「なぜそうなのか?」理由を現役コピーライターが掘り下げます。

ビジネスシーンで、言葉を扱うときのヒントになれば幸いです。

なぜ、キャッチコピーは短いのか?

キャッチコピーって短い言葉でズバッと物を言う、みたいなイメージがありますよね。

まずは、こちらのコピーをどうぞ。

おいしい生活
(西武百貨店)

6文字!何という短さでしょう。コピーライターであれば、100人中100人が知っている糸井重里さんの名作コピーです。

続いて、私の好きなコピーをどうぞ。

結婚しなくても幸せになれるこの時代に
私は、あなたと結婚したいのです。
(ゼクシィ)

TCC最高新人賞(有名な広告コピーの賞です)を受賞した、テレビCMのコピーです。

句読点を含めて34文字。キャッチコピーとしては長いほう。世に出ている広告全体で見ると、30字を超えるものは多くないでしょう。

前置きが長くなりました。なぜ、キャッチコピーは短いのか?

それは、大半の人は広告に興味がないから。そして、広告を出す時間や場所が有限だからです。

広告に興味がない気持ちは、みなさん思い当たるでしょう。どうして興味がないかというと、広告は基本的に自慢話だからです。

「うちの商品はいいですよ!ぜひ買ってください!」と言ったように。

人の自慢話って退屈だし、自分にメリットがないし、あまり聞きたくないじゃないですか。

だから、みなさんの注意を一瞬でも引いて、広告主の話を聞いていただく。となると、ダラダラ話すのではなく、短く簡潔にお伝えせねば、となります。

もう一つ、広告を出す時間やスペースは限られています。もしかしたら、こちらの事情が大きいかも。テレビCMなら15秒や30秒、街中に貼られたポスターなら1秒もしないうちに人が通り過ぎてしまう。そうなると、やはりコンパクトにお伝えする必要がある。

短い理由は、広告がスピード重視のコミュニケーションだからというわけです。それに伴って、コピーは基本的に短いものが良しとされています。

なんか、ダジャレ多くない?

多いですね〜(笑)自分もコピーを書いていると、最低1つはダジャレというか、韻を踏んだコピーを入れてしまうくらい、あるあるです。

実際のダジャレコピーを挙げてみましょう。

あなたと、コンビに、ファミリーマート
(ファミリーマート)
トラだって、泳ぎたいガーッ!
(東武動物公園)
すべてはスベってから。
(DAJARECORD)

ダジャレまではいかなくとも、韻を踏んだコピーは数え切れないくらいあります。

でっかいどお。北海道
(全日空)
インテル入ってる
(インテル)
わたしらしくをあたらしく
(ルミネ)

ダジャレや韻を踏むことは、言葉遊びとして面白いですよね。上のコピーを読んでいると、ついつい口に出してみたくなるような、音の楽しさがあります。

面白いということは、退屈だと感じさせない。先ほども言ったように、自慢話は退屈ですから。そして、口に出せば人の記憶に残りやすいので、広告としては大成功です。

だから、面白くて人の記憶に残りやすいダジャレと韻を踏む手法は使われがちなんですね。

よく使うよね、読点と句点。

わたしもコピーライターになって、読点「、」と句点「。」の使い方を最初に覚えました。

まず句点。広告を見ると高確率で、キャッチコピーの後に「。」が入っています。

それは、コピーが商品や企業が発信する想い、メッセージだから。

広告業界では「コピーは意思、デザインは感情」なんて言ったりします。メッセージ性を強めるために「。」をつけるというわけです。

コピーの案出しでは「。」をつけるのが原則で、わたしも先輩のコピーライターに最初の案出しで教えてもらいました。

では、読点の考え方。広告は普通の文章に比べて「、」を打つ頻度が高いです。一つは、3度目なので悲しくなってきますが、興味のない長い文を読むのは見る人の労力ですから、こまめに「、」を入れることで読みやすくするという目的。

もう一つは、句点と同じ考え方で、広告コピーはメッセージだから。

こちらは、カゴメのブランドコピーです。

自然を、おいしく、楽しく。

10文字の中に「、」が3回も入ります。「自然をおいしく楽しく。」でも、意味は同じです。

カゴメのホームページには、ブランドステートメントについて、以下のように記載があります。

自然を
自然の恵みがもつ抗酸化力や免疫力を活用して、
食と健康を深く追求すること。
おいしく
自然に反する添加物や技術にたよらず、
体にやさしいおいしさを実現すること。
楽しく
地球環境と体内環境に十分配慮して、
食の楽しさの新しい需要を創造すること。

無駄に打っているわけではなく、言葉を強調したいからなんですね。「自然を」「おいしく」「楽しく」、その一つ一つに意味がある。さらっと流すのではなく、想いや信念があるから「、」で強調しているのです。


いかがだったでしょうか?広告コピーの仕組みを一部ですが、知っていただけたと思います。

たとえば、企画書でここぞ!というとき、メリハリとして短いキャッチコピーを入れてみると、伝えたいポイントが強調されて、他の企画書と差がつくかもしれません。

また、コピーあるある話したいと思います。よかったら、スキとフォローよろしくお願いします!

それでは、また。


文:ハギ

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