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パッケージでお客さんに選んでもらうコツ

「人の印象は3秒で決まる」と言われます。

3秒で認識できるのは、顔です。これは商品も同じ。商品の顔とはパッケージです。ただの容れ物ではなく、お客さんの印象を左右する大事なもの。

パッケージの第一印象がよければ、興味を持ってくれる・好きになってくれる・買ってくれる可能性がグッと高まります

売り場を見にいこう

世の中にはたくさんの商品がひしめき合っています。その中でパッケージでお客さんの目を引き、選んでもらうのは簡単ではありません。

やっぱり勉強することが必要です。では、どうやって勉強すればいいのか?

おすすめなのが、家電量販店。生活必需品から食料品までなんでも揃っていて、パッケージのリサーチにはもってこいです。

わたしはコピーライターなので、この2つを考えながら売り場をぐるぐる見てまわります。

自分の担当商品を選んでもらうには、どんなコピーがいいのか?
競合他社は、どんなコピーをどんな言い回しで使っているのか?

とにかくいろんな売り場に行くこと。すると、思わぬヒントに出会えます。

わたしは先日、ふらっと立ち寄ったパソコン関連のコーナーで「お、いいな」と思ったパッケージを見つけました。

パッと見で、商品の機能がわかるパッケージ

パソコン関連のコーナーは商品ラインナップがなかなか渋いです。まず目にとまったのはこちら。ちょっと高め600円台のクリーナー。

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<目にとまった理由>
コピーの視認性がよく、クリーナーの機能性がわかりやすい

視認性とは「読みやすさ」のこと。一般的に黒ベタに色文字は視認性が下がりますが、このパッケージのように文字を大きくすると読みやすくなります。

なぜ文字を大きくできるのかというと、優先順位をつけているからです。

あれもこれもアピールしたい!からと言って全部同じ大きさで詰め込むと、お客さんはどこを見たらいいのかわからず、何を読めばいいのか迷います。

一番知ってほしいこと(この場合は機能性)を大きく、あとは削るか小さくして情報を整理すると、視認性が上がって言葉がスッと入ってきます。

イラストが情報を補足しているパッケージ

つぎに、こちらのクリーナー。200円くらいで手頃です。

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<目にとまった理由>
イラストが効果的で、中身がわかりやすい

WETを水滴のイラストにすることで、横にあったDRYとの違いを視覚的に表現していました。

同じシリーズで何種類かある場合、イラストや写真を入れるのはいい手です。

たとえば海外のスーパーで、同じような見た目のパッケージが並んでいるとします。母国語ではない言葉で書かれたコピーを読むのは難しい。でも、パッケージにイラストや写真があれば中身をイメージできますよね。人は具体的にイメージできると、商品を選びやすくなるのです。

お客さんが買いたくなるパッケージはどっち?

さて、お客さんはどちらのクリーナーを選ぶのでしょうか。

これは「どんなお客さんなのか」によって、変わってきそう

もし、そのお客さんが初めてクリーナーを買いに来た人だとしたら、600円(スタバ1杯飲める金額)を払うだろうか? もう少し手軽なものでいいと思うかもしれない。そう考えると、200円のシートを手に取る可能性が高そうです。

では、600円のクロスをお客さんに買ってもらうにはどうしたらいいのでしょうか。

パッケージに入れるべき、アピールポイント

1つ簡単な方法があります。この場合ならシートになくて、クロスにある価値を探すこと。

たとえば…

シートは使い切り、クロスは何度でも使える
シートは破れやすい、クロスは破れにくい
シートは◯◯素材だけど、クロスは△△素材。

などなど。競合商品と比較してみれば、この商品は他と違ってここがいい!と言えるポイントが出てくるはずです。

こうしたポイントをパッケージに記載してアピールすれば、お客さんも値段が高いクロスの価値に気づき、選択肢に入れてくれるかもしれません。

お客さんと近いから、パッケージが好き

わたしはパッケージに載せるコピーを書くのが好きです。

売り場に行って担当した商品が置いてあると嬉しいし、なにより、お客さんとの距離が近い。

自分の書いたコピーがだれかの「買おう」という気持ちを後押しする言葉になったらいいなと、いつも思っています。

さあ、今日も家電量販店に並ぶたくさんのライバル商品を見て勉強してこなきゃ。

佐藤可士和さんがブランディングするセブンプレミアムシリーズは、パッケージそのものがコピーのお手本です。それについての記事もぜひ読んでみてください。

文:シノ

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