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『笑うアートマンションと10人の住人展』に行ったら、笑いとアートの相性がいいとわかった。

先日、ちょっと変わった企画展を見てきました。

<笑うアートマンションと10人の住人展>

【公式】笑うアートマンションと10人の住人展より

なにか物語が始まりそうな、気になるタイトルですよね。

本展は「笑い」をテーマにした企画展で、参加者にお笑い芸人さんがいたり、普通の展示では見られない顔ぶれがそろっています。

【公式】笑うアートマンションと10人の住人展より

実際に行ってみて、笑って楽しめるのはもちろん、アイデアの考え方の参考にもなったので、コピーライターの視点から気づいたことや感想をレポートしたいと思います。

ちなみに、作品はすべて撮影OKでした。


「笑い」と「アート」の相性はいかに?


いざ、笑うアートマンションへ

会場は原宿駅から徒歩9分、デザインフェスタギャラリー原宿 EAST館。

なるほど、会場がマンションのような造りだから「笑うアートマンション」なんですね。

作品は3つのフロアに分かれています。まずは1階からのぞいてみましょう。


ひとりの人物をいろんな人がアートで表現する

入り口からマンションに入ると、多種多様な「小峠英二」に迎えられます。

《小峠英二のなんて美だ!》

作家はみんな違いますが、共通しているのはモデルがお笑いコンビ・バイきんぐの小峠英二さんであること。

各々が考える小峠さんを自由に表現しています。

なんて似てるんだ。

本格的な肖像画もあれば、

なんてテキトーなんだ。

まさかの輪郭と唇のみ。でも誰かわかる、というのが面白い。

なんてシュールなんだ。

折り紙でも表現できてしまうとは。絵描き歌もできそう。

一つの対象からさまざまな解釈が生まれるのは、アートの基本であるように思います。まさにこのアートマンションの入り口にあるべき作品群。


あなたなら何と名付けますか?

もう一つ、1階で印象に残った作品がこちら。

佐々木遊太さんのXより

なんとも言えない表情の顔が1つだけ飾られています。

《タイトルなんてラララ》という作品。なにがラララなの?と思って作品の近くにあるQRコードを読み込むと、専用サイトに飛びます。

そこには無数のなんとも言えない顔と下にそれぞれ異なるタイトルが。

つまり大喜利

これは「なんとも言えない」顔だからいろんな見方ができるということ。上のスペースに文字を打ち込むと、それがサイト内にタイトルとして投稿されます。作品を見た人がタイトルを自由に考える、顔も着眼点も面白い参加型の作品!

せっかくなので私も投稿してみました。

あなたはもうこの顔が、午前中を溶かしてしまった怠惰な人間の表情にしか見えないはず・・・。

自分ならどんなふうに解釈するか?表現の一部を実際に考えてみるって意外となかったなと思い、新鮮な体験でした。


続いて、階段を登って2階へGO。


2階はSNSを中心に活躍するクリエイターの作品が並びます。

アイデアはちょっとしたきっかけで生まれる

《いしかわかずや50のアイデア》

壁面にずらりと並ぶアイデアを見て自然とワクワク。

意地でも丸くしたくなる

使っていくうちに角が丸くなる消しゴムの特徴を活かしたアイデア。

どこに付箋が貼ってあるのか気になる

《繁華街になる付箋》紙の辞書を使う人は減っているけど、これは逆に使いたくなるアイデア!

他にも遊び心を感じるアイデアが満載で、だれでも好きな作品が見つかると思います。

生活の中にアイデアのヒントがある、と気づけばアートをもっと身近に感じられるはず。


ダジャレも立派なアイデア

梱包材で使われるプチプチに「暇」の文字が印刷されています。

《暇がつぶせるプチプチ》

「暇をつぶす」と「プチプチをつぶす」の言葉でかけた作品。こういった洒落はコピーライターもよくやる手法なので(笑)親近感が湧きます。

《B3》

B3サイズのビーサン。ダジャレ以外のなにものでもない。くだらないけど笑える、心が軽くなるね。


アートの一部になってしまえよ

部屋の中心に置かれた巨大なピザトースト。

【公式】笑うアートマンションと10人の住人展より

触れられる作品はあるけど、これは体ごと乗っかれちゃう。こんな感じで。

【公式】笑うアートマンションと10人の住人展より

人類が初めてピザトーストになる瞬間。トマトやチーズの具材に囲まれて自分もトッピングの一部に。

実際に乗ってみましたが、そこそこふかふか。人がいなければ眠れますね。ピザトーストになった気分は・・・ピザトーストになりたいと思ったことがないので何とも言えません。不思議な気持ち。


さて、最後は3階に上がります。


一番気になっていた芸人さんのフロアです。

できないことができるって素晴らしい

カズレーザーの部屋。

謎の赤い物体がある!と思ったら、180度に開脚した足でした。

ここにハマれば、だれでも柔軟な人間になれちゃう。

【公式】笑うアートマンションと10人の住人展より

ズルしてるけど、発想が面白い。顔出しパネルより流行るのでは・・・!?

開脚できる人からすると別にーって感じだけど、体の硬い人間からするとちょっと魔法みたいで嬉しい。他にもいろいろできそう。


電話ボックスが恋しくなる

最後に訪れたのはヒロコヒーの部屋。電話ボックスが一台。今回の展示で一番印象に残り、思い出に残りました。

昔はまちのどこかにあった電話ボックス。
今もどこかにあるのでしょうか。

ボックスの壁には電話番号が記載された紙がたくさん貼られており、なんと電話をかけることができます。どこに電話するかは貼り紙で選びます。

選んでる時間も楽しい

浮気調査の貼り紙が目についたので、こちらにコール。電話番号を押すと音が流れて受話器越しにヒコロヒーの声が聞こえてきます。

内容は再現できないので、気になる方はぜひとも直接聞きに行ってほしい。

電話が1台しかなく、とても並んでいたので他の番号にかけられなかったのが心残り。バンドメンバー募集とかもあって聞いてみたかった・・・。(会期が終わったらどこかで公開してほしいです〜運営さん!)


「笑い」は「アート」を大衆化する

「笑い」は大衆的なもので、反対に「アート」は個人的なものという感覚がありましたが、アイデアや発想という点ではそんなに遠くないのかもと思いました。

今回の展示は「笑い」が「アート」に組み込まれたことで、作品が何を言いたいのか、何を伝えたいのかわかりやすいと感じました。意味がわかるとくすくす笑える感じ。

「笑い」のもつ大衆性が「アート」をより多くの人にわかるものにすることで、アートに触れるハードルを下げたり、身近なものにしてくれる。そんな化学反応を見れる展示でした。アートってよくわかんないなーという人や展示とかにあまり興味がない人も楽しめる入門的な展示だと思います。

ここで紹介したものは一部なので、全部見たい方は原宿へ。会期は2月18日(日)まで!


いかがでしたか?面白かったら、スキやフォローしてくださるとうれしいです。「この展示行きました!」というコメントも歓迎です。



文:ハギ

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